その利用者の多くが違法または法的にグレーなコンテンツを扱っているような感があるので良いイメージを持っていない方も多いかとは思うのですが、そのアイディアや技術そのものは大変面白く、エンジニアの端くれとして純粋に惹かれるものがあるのです。
この本はWinnyの使い方、という観点で読む本ではなく、Winnyの技術的な動作や、構成するネットワーク構造などを解説した本です。説明は分かり易くプロセスも合理的で、さすが東大助手だな、と思いました。
Web屋さんをしていると、サーバリソースの不足や冗長化(故障などに備えて予備を用意すること)構成にはいつも頭を悩ませます。こんな問題へのひとつの解が、Winnyのような分散型で自動的な系だと思うのです。もっとも、いくつものノードで動的に構築された丈夫な系を用意することで解決できる問題もあるのではないか、と考える反面、単純に構築するすべがない、たとえ構築できてもコントロールが効かない(難しい)、そもそも系をどこにどう構築するのか、どう維持するのかなど課題もあり、まだまだ現実的な利用方法はBitTorrentのように限定的なのかもしれないな、とも思ったりします。
直接この技術を使う日が来るかはわかりませんが、できるだけ自分のモノにしておきたいと思っています。技術には、悪も正義もないのですから。
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購入金額
2,520円
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購入日
2007年頃
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購入場所
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