別に狙っている訳ではないのだが、なんかB級臭のするアイテムを買うとDECAになる。USB3.0カードはNECチップで980円というコスパ良好アイテムだし、残り3点もまあ難点こそあれど、わりと使えるモノ達だ。しかし今回は一筋縄ではいかない!
そもそも騒音源であり熱源であり重要な記憶装置であるHDDを包み込むというのはなかなか扱いが難しい。「本物の」スマートドライブは改良が繰り返されているが、コイツはいわゆる一つの類似品。言い方を変えれば見よう見まねのデッドコピー。
なんかもうパッケージに書いてあるネーミングからしてヤバイ。
その名も"HADES"。ギリシア神話の冥界の王、もしくは冥界・死者の国そのものを指す。HDDを冥界に突っ込むとかなんと不吉な。
がっつり重い筺体に、ケースとの接触部はゴム製のパーツを使うなど、見るからに防音・防振効果は高そうだ。特に振動や低周波音の激しく、ケースとの共振が起きやすい旧型HGST製ドライブ等には静音効果は高い。
「振動」が主な騒音源のドライブなら期待通りの結果を出してくれるだろう。
一方元々振動ではなくモーター音やシーク音が主な騒音源なHDDの場合は、完全な密閉型ではないので少し効果がある程度だ。
…まあ静音効果はいいんだ静音効果は。
問題はHDDの熱。HDD上面は確かに本体の金属部分に接触するのでいい感じに放熱してくれるが、基盤側は絶縁体を兼ねたスポンジが敷かれるカタチになるので驚くほど熱くなる。
そして大抵これを使ってHDDを3.5インチベイから5インチベイに移動した場合、フロントファンの風は当たらなくなるので結果的に大幅なHDD温度上昇となるわけだ。試しにあえて風の通らない5インチベイに設置したところ、1時間程の使用でSMART読みHDD温度が50度を越えてまだ上がる。まさにHDDの冥界か。
一応負圧のケースで、5インチベイを開ければ空気がそこから流入し、ある程度の温度上昇は避けられるが、そうすると騒音源たるHDDがより表に近くなるのでむしろ煩くなる場合もあるジレンマ。いっそ内部のベイで静音ファンを上に乗っけるくらいの事をしたほうがいいくらいだろう。
でもそこまでするならHDDそのまま3.5インチベイにつけたほうがよくね?
→Exactly(その通りでございます)
結局購入して1年程経つが、最終的に組み込んだのは「3.5インチベイの冷却がまるでできない&HDDの共振が破滅的に大きい」旧型ケースのHDDマウンタとしてだ。いっその事上下逆にして底面板とスポンジを取り外し「お皿」のようにして付けたほうがいいんじゃないかと思い出してきた今日この頃。
しかし一応満足度が星3つあるのはズバリ780円という購入価格。だってこれ、ヘタな5インチ→3.5インチベイマウンタより安い。上記のようにテキトーな熱対処をしたり、いっその事改造ベースにすれば、遊べない事もない。
…まあメインPCで使う度胸はありませんけど!!
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購入金額
780円
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購入日
2011年05月頃
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購入場所
Sofmap通販
harmankardonさん
2012/06/03
このケースで,これだけのレビューが書ける下小川さんが,すごいです.
下小川さん
2012/06/03
こういうツッコミ所があるパーツの方が色々書けて楽しいですね。普通じゃないですけど!