除湿機能のほかに冷風機能がある。
特徴として、プラズマクラスターで除菌イオンを発生させてカビを抑えることができる。
■除湿機能■
基本的にはこれは除湿機。
なのでメインの機能になる。
メーカーによると、温度20度、湿度70%の場合、除湿能力は50Hz(関東)の場合は7.1L/日。
60Hz(関西)の場合は8.0L/日。
おおよそ1時間で0.3リットルの除湿ができる。
ちなみに、タンクの容量は1.8リットル。
寝る前に運転開始して、朝起きたら満水になって停止していることも多い。
なので、おおよそメーカーの公表している能力があるのでは。
つけておくと、1時間ほどすると明らかに部屋の湿度が下がってくる感じがするので、個人的には除湿能力は高いほうだという感じがする。
ちなみに、除湿時にはプラズマクラスターイオンが放出され、室内の空気を除菌する効果があるとのこと。
■冷風機能■
コンビニクーラーという謳い文句がついているので、一応、冷風機としての能力がある。
メーカーによると、室温より13度~14度ほど冷たい空気が出てくるという。
自分で測定したところ、おおよそおよそ14度ほど冷たい空気が出ていた。
ただ、風量が少ない。
メーカーも室内をこの冷風機能で冷やすのは無理としている。
当たり前だが、機器の後方部分からは廃熱が吹き出ている。
なので、締め切った室内では逆に温度が上がる。
基本的には、目の前に置いて冷い風を浴びて、窓を開けておいて廃熱を逃がすという使い方をする。
冷風が出てくる所は送風口の左半分になる。
右半分は除湿時に温風を送風する送風口にあたる。
結論から言うと、冷風機能を期待してはいけない。
これはあくまでもおまけとして考えるべきだろう。
もしどうしても冷風機能を有効に使いたいのであれば、窓設置型エアコン用の窓枠のように、板などを自分で加工して窓枠を改造し、そこにダクトホースなどをつなげて、直接外に廃熱を排気するしかない。
実際に簡易で作って試してみたのだが、はっきり言うと冷えない。
32度の室温であれば、32度を保つので精一杯。
まあ、湿度が下がる分、涼しくなるといえばなるのかもしれない。
ただ、そこまでやるのなら、素直にエアコンを設置するのが良いと思う。
労力の無駄になる。
空気というのは、冷えると保有する水分量が減り、温まると保有する水分量が増える。
コンプレッサー方式の除湿機というのは、この空気の性質を利用して、空気を冷やすことで除湿を行っているので、基本的にエアコンと同じで冷たい空気が出てくる。
なので、除湿機には冷風機能が初めから備わっている。
かといって、その冷風機能で冷えるのかと聞かれると、冷えないとしかいえない。
冷風機能を謳い文句にすると、冷えなかった場合はネガティブなイメージがついて売れなくなってしまう。
なので最近は、各社ともに販売する除湿機には、冷風機能を謳っていないし、わざと冷風と温風を混ぜて送風している機器もある。
先ほども述べたが、あくまでもおまけの機能としてみるべきだろう。
ちなみに、冷風機能時もプラズマクラスターイオンが放出され、室内の空気をある程度除菌してくれる。
■プラズマクラスターイオン(除菌イオン)■
最近にわかに注目を浴びるようになったプラズマクラスターイオン。
この除湿機にも備わっているのだが、この除湿機に搭載された当初は除菌イオンという名前で呼ばれていた。
効果はあるようで、実際に使ってみて、2つの感想を持った。
まず第一に、あきらかに室内の臭いが減った。
減ったというよりほとんどしなくなった。
プラズマクラスターはカビなどに効果があるそうだが、臭いの原因となるカビの発生を抑えてくれていたようで、確実に臭いが減る。
室内には以前から別のエアフィルターが回っているので、フィルターによる効果とは考えにくい。
第二に、空気が柔らかくなった。
非常に抽象的な言い回しだが、感じたままに表現すると、確かに「空気が柔らかくなった」となる。
メーカーによると、空気中のダニの死骸やフン、それ以外のアレルゲンとなる物質をある程度分解する能力があるとしているが、その効果なのかどうかはわからないが、確かに空気が柔らかく感じるので不思議だ。
使用前使用後の違いについては、体感的には他にも多少の違いを感じている。
たとえば、鼻づまり。
アレルギー性鼻炎なので、四六時中鼻詰まりしてるのだが、ダニの死骸やフン系が原因となるホコリアレルギーに関しては効果があるようで、鼻の通りが一気に良くなった。
プラズマクラスターの効果かどうかはわからないが、同様の印象を持った人も多いようだ。
ちなみに、脱臭効果については、先述しているように、カビなどが原因となる臭いには効果がある。
カビというのは臭いの元になりやすい。
物が腐って臭いを出すのは、カビなどの細菌が繁殖してガスを発生させているから。
プラズマクラスターはカビの繁殖を抑えるので、そのため、臭いがしにくくなる。
なので、タバコの臭いや、個人の体臭については効果はない。
詳しくはここで説明されている。
http://www.sharp.co.jp/products/living/dehumidifier/prod01/cvz100b/f_cvz100b.html#t38282
「プラズマクラスターの効果」
■内部構造■
裏面パネルを外したところ。
これがコンプレッサー。
気化した触媒を再圧縮して液化する。
冷風用ラジエター。
冷やされた空気はそのまま前面パネルから冷風として送風される。
液体は気圧が低い状態では蒸発する温度が下がる。
蒸発する際に気化熱といって、周囲の熱を奪い去る。
これがエアコンの原理になっている。
ただ、奪い去った熱も、どこかで放出しないといけない。
エアコンの場合は室外機で行っているのだが、この室外機の役割を果たしているのがこのラジエター。
廃熱はこの部分から放出される。
白い水車のような、はしごのようなものがファン。
このファンで廃熱を排気する。
■運転モード■
①送風モード
送風モードは機器の内部乾燥を行うことができる。
除湿時や冷風時には水滴が内部にたまっていることがあるので、長期間使用しない場合などある程度送風モードで内部乾燥を行っておけばカビの発生を防げる。
また、説明書には載っていないが、個人的にはプラズマクラスターイオンを発生させるためだけに送風モードで運転することもある。
送風モードでの消費電力はワットチェッカーで測定したところ17Wだったのでそれなりにエコだと思う。
②除湿モード
除湿モードにもいくつか種類があるが、基本的には、自動除湿と冷風モード時で除湿ができる。
自動除湿(除湿モード)では、冷風と温風が同時に前方から送風されて、室内や衣類の乾燥を行ってくれる。
③冷風モード
冷風モードでは、前方からでてくる風が冷風のみとなり、温風は後方の排気口より排出される。
基本的に前から冷風が出てくるだけなので、上記の説明どおり、排気熱は部屋の換気をして室外に出す必要がある。
*除湿・冷風時の消費電力及び電気料金についてはメーカーページを参照して欲しい。
http://www.sharp.co.jp/products/living/dehumidifier/prod01/cvw80chw/f_cvw80chw.html
■■■総評■■■
音に関して言うと、コンプレッサー方式なので、冷蔵庫と同じコンプレッサー特有のブーンという低い振動音がある。
ただ、弱運転であれば、寝室に置いて運転すると眠れないというほどのものではない。
実際に自分は眠れている。
気になる人は気になると思う。
問題は排気音。
弱運転ではかなり静かだと思う。
外の車の音のほうがうるさい。
だが、どうしても廃熱を排気しないとけないので、室温が上昇すると、機器の廃熱量も増え、排気用ファンが高速回転で回る。
この強運転時の音はかなり耳障り。
まあ、これが嫌なら室外機が付いてるエアコンを買えという話になるのだが。
まとめると、これは基本的には除湿機。
除湿機能はそれなりに高いといえると思う。
プラズマクラスターイオンでカビの発生を抑えることができるのもポイント。
ただ、冷風機能はおまけとして見るべき。
冷風機として購入すると、だまされたと思う人が多いだろう。
除湿機として購入すると、これは良い製品だと思う人が多いと思う。
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購入金額
20,000円
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購入日
2010年頃
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購入場所
amazon
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