今回は提案活動がテーマなので直接的な技術要素はあんまり、です。提案も大事なSEの仕事ですよね。
実際に関わるとお客様自身良く分かってない曖昧な要望が二転三転したりリスクヘッジ考えたり深読みし過ぎてバッファ積み過ぎて「高っけー!」とか呟かれたり胃が痛いですけど。
ネットワークエキスパートの上司の下に主人公が居る、という舞台設定の為か、単に作者の得意分野なのか、毎度スコープがインフラに偏るように感じますが、それはそれ。終盤への伏線の張り方が自然で、物語として今回も大変面白く読めました。
僕自身、RFPへの提案は何度かお手伝い程度にやったことがあるのですが、それこそ技術側の営業支援として参加した程度なのでここまで踏み込んだことはありません。それだけにとても興味深いテーマでした。
作中でも言われていた話ですが(ここからネタバレを含みます)、技術者の視点がいつでも正しいとは限りません。技術屋は、目的実現の為にいつも誠実で正確で歪みないのですが、技術的な正しさや効率がビジネスにおいても正しくて能率的かというとそれは違うものです。
エンジニアである前にサラリーマン、サラリーマンである前にエンジニア、どちらも間違っていないと思うのでどちらを取るかは個々人のポリシー、その時々の判断で良いのでしょうが、そもそも他者の立場に立って検討すらしないのは頭が固いよな、と。そんなビジネスの場で、妥協点ではない、みんなが納得できるポイントを見つけ出そうとする主人公は素晴らしいと思いました。
SE始めて2, 3年目位の方に読んで貰いたいなあ、なんて思う作品でした。
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購入金額
620円
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購入日
2011年01月08日
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購入場所
operaさん
2011/01/09
YGGさん
2011/01/09
その後に自分のやりたい工程が来る、と思って耐えてます(^^;