型番はFMV-KB311のほかに、KB8520という型番も存在します。
個人的にはメンブレンキーボードの最高峰に位置するといってもよく、未だに愛用しているキーボードです。
i486を搭載したFMVなどに付属していたキーボードですので、どこかで見た方も多いかと思います。
Windowsキーが登場する前から作られているキーボードですので、当然Windowsキーやアプリケーションキーなんて無い、106キー仕様です。
Windowsキーに慣れている人には不便かもしれませんが、CTRLとALTの間に何も無い、このスッキリしたデザインがシンプルで気に入っています。
どうしてもWindowsキーがあるとスペースキーなどの他のキーが圧迫されてしまいますので、好きでは無いんですよね。
富士通高見沢製のキーボードはFMV-KB311を最後に、明らかなコストダウン路線へと変更されています。
FMV-KB312は見た目こそFMV-KB311と同じですが、メンブレンシートの裏の板が鉄製からプラスチック製へと変更されており、キータッチは明らかに劣化しています。
FMV-KB311のすばらしいところは、重厚感のある金属プレートがキーをしっかりと受け止めるため、メンブレン独特のグニュっとした底付き感が軽減されている点です。
好みは完全に分かれるところですが、富士通らしいサラッとしたキーストロークが特徴的で、「シルキータッチ」といった感じです。
メンブレンなだけに、メンブレン独特のゴムがつぶれる感じは受けますが、その個性を上質にまとめ上げた感じのキータッチで、ある意味メンブレンの一つの完成形といっても過言ではないと思います。
カチッとした打鍵感、メカニカルな挙動が特徴で愛用者も多いIBMのバックスプリングキーボードとは正反対のキャラクターといえるかもしれません。
キートップは手触りがサラッとした感じのつや消し仕上げになっており、キータッチのシルキーさと相まって絶妙な感触です。
キーは軽めですが、連続して入力する場合これくらい軽い方が好みだったりします。
キーストロークも他の製品に比べると浅めで、キートップ自体も高さがなく、薄い感じを受けます。
とはいえ、十分なストロークは確保しており、実務で使うにはもってこいです。
重量も1.5kgもあるため、打っていて動くということは皆無で、どっしりとしています。
キーボードのLEDが暗いため、視認しづらいということで白色LEDへ変更して使用しています。
半田付けはされていませんので、3mm径のLEDであれば簡単に交換可能です。
高輝度LEDにすると悲惨ですので、安い通常輝度のLEDがお勧めです。
白色LEDにしましたが、ホワイトグレーの配色と相まって、とてもスッキリした印象になりました。
古い製品ですので、今では状態の良い個体はめっきり減ってしまった感があります。
私は新品同様品のものを購入できたので良かったのですが、日焼けしやすいプラスチックということもあり、黄変しているものが多いようです。
年代によって、ATコネクタとPS/2コネクタの製品があります。
また、ファンクションキーなどの色も、薄いグレーのものと褐色がかった濃いグレーのものの2パターンが存在します。
レアモデルとしては、SGIのロゴが入った、SGI塗装(グレーの大理石調)のものがありますが、かなりのレアかと思います。
FMV-KB312やFMV-KB321はオークションで大量に見かけますが、FMV-KB311は古いこともあってなかなか見つけません。
とはいえ、FMV-KB311の評価はあまり高くないというか、割とマイナーなため、激安で落札されることも少なくありません。
2004年にFKB8520が秋葉原で再販されたことがあるのですが、10,290円というプライスが付いていましたので、それなりの価格のキーボードのようです。
キーボードにもそこそこのコストをかけられた、古き良き時代のキーボードかと思います。
皆さんにも安価にFMV-KB311を購入して頂くため(笑)、見分け方を書いてみました。
オークションにも結構出ていますので、是非探してみてください。
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購入金額
800円
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購入日
2010年11月13日
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購入場所
aoidiskさん
2010/11/13
写真にも愛情が感じられます。色っぽいですね。
Windowsキーやアプリケーションキーなんて無い、106キー仕様 めっきりみなくなりましたね。
すっきり感でいくと、確かに、上品ですね。
※縛られていない感が、際立ちますね。
白色LEDへ変更ですか、綺麗じゃないですか。通常の方が良いのですね。
確かに、目にいたいほど光ものって今ありますよね。
※まぶしすぎると、邪魔でしょうがない。
この年期もの、大事にされていくのでしょうね。
※キーボードを長持ちさせる保管方法ってどんなものなのでしょう?
御存知なら、教えてほしいです。
ちょもさん
2010/11/14
コメントありがとうございます!
1.5kgの重量に106キー仕様、しかもケーブルはカールケーブルと懐かしさ大爆発といったたたずまいのキーボードです。
大学にいた頃にこのキーボードを使っていて気に入っていたのですが、なかなかコンディションのよいものに出会えず、気長にオークションを探していたところ、今使っているものを見つけました。
職場ではRealForce106を使っていますが、個人的にはFKB311もRealForceと同じくらい気に入っているキーボードです。
なおかつ、オークションの相場も激安なので、良さそうなFKB311を見つけるとちょくちょく買ってしまいます…
LEDですが、高輝度のものだと明るすぎて気になってしまうのが最大の欠点です。さりげなく光っているくらいの輝度の方がよいので、半透明の樹脂と2つ折りにした紙を間に挟み込んで光量を調節しています。
高輝度LEDだと手元に眩しい光源があって、PCの作業に集中できません。
キーボードを長持ちさせる方法は、やはり掃除でしょうか。
メンブレンは掃除しやすいのも特徴の一つかと思います。
FKB106はキーボードのケース(外装)がネジ止めされておらず、5カ所のツメでカッチリとはまっているだけです。
これでもきしんだりしないところが、日本の技術力といったところでしょうか。
ツメをマイナスドライバなどで外し、ケースを外し、キーボードスイッチの裏にネジ止めされている鉄板を外します。
そうすると、メンブレンのゴムシートと接点用のシート2枚、スペーサーシートの3枚が取り出せますので、接点用のシートの接点部分を接点復活剤か無水エタノールで軽く掃除します。
メンブレンのゴムシートは中性洗剤を入れたぬるま湯で洗って水気をよく拭き取ります。
キートップも一つずつ外し、同様に洗います。
※食器洗い用のスポンジ(研磨用のものはNG)で洗うと綺麗に汚れが取れます。
キートップを外したキーボードの上部部品も、ブラシなどを使って洗っておきます。
洗浄可能なパーツを洗い終わったあとは組み込みを行いますが、ENTERキーなどを支えている針金の部品は、そのままだと滑りが悪いのでグリスを塗布します。
ただし、通常のグリスだとほこりがくっついて悲惨なことになりやすいので、お勧めは呉工業のドライファストルブです。
速乾性の潤滑剤で、塗布したあとのほこりなどのゴミの付着を防ぐことが可能です。
キーのシリンダー部分に塗布すると、キーストロークを軽く、スムーズにすることも可能です。
キーボードって、飲み物をこぼしたとしても、大抵はメンブレンシートを綺麗に掃除すれば直ってしまいますし、かなり長く使えるパーツだと思っています。
PS/2が無くなったとしてもUSB変換コネクタがありますので、まだまだ使っていこうと思っています。
s3zm4rさん
2011/08/26
感服いたしました。
ちょもさん
2011/08/26
コメントありがとうございます!
今ではコイツ↓
s3zm4rさんのUnicomp Customizer 101も素晴らしいキーボードですよね。
ヒューマンインターフェースは直接触れる部分なだけに、気に入ったものを使っていきたいですね。
※個人的には富士通Peerlessの106(って存在するのか…?)が気になっていますが、まず入手は不可能そうです。
s3zm4rさん
2011/08/26
ええ、仰る通りですね。
私は、自分の中で「これだ。」と思う製品を見つけてもすでに生産終了だったり、偶然触れた製品が思いのほか素晴らしかったりと、まだまだ手探りの段階です。
> 富士通Peerlessの106
確かに、Peerlessの日本語106配列は聞いた事が無いですね。
私も機会があれば触ってみたいキーボードのひとつです。英語101配列ならばeBay等で入手可能な様ですが...
ちょもさん
2011/08/26
バックスプリングキーボードとは対極の、ふにゃーな感じを極めた富士通高見沢キーボード派な人間としては、富士通高見沢の一つの到達点であるPeerlessにはかなり興味があるのですが、いかんせんいろいろなところでキーボードを使う人間としては、できれば106/109で統一したいんですよね・・・
自宅と職場のみ、とかであれば101へダイヴするのも良さそうです。
リベルタッチも良さそうですが、ロゴがダサイのですよ・・・
hatahataさん
2014/01/14
親指シフト入力している関係で、キーボード選びには手間が結構かかりまして…
これは、パソコンとセットになって売られていたものではなく、単体で販売されていたものなのですね。
リベルタッチはやはり高額なので、オークションで購入できるならと。USB変換のコードも持っていますし。
見分け方の画像、たいへん参考になりました。
ちょもさん
2014/01/16
親指シフト、慣れると入力が超高速になり手放せなくなるみたいですね。
ただ、キーボードが少なくなってるのが残念というか。
94~95年頃の富士通のキーボード、お勧めです。
確かこれと同じ作りで親指シフトなキーボードも出ていたはず。
hatahataさん
2014/01/16