1巻と違って、今回ははっきりライトノベルのノリでした。
やたら「!」や「!?」が多いのはこの手の本の特徴でしょうか。
一般的な小説をプログラミング言語でいうアセンブラやC言語とするなら、ライトノベルはスクリプト言語のような感覚です。機微を表現できない代わりに高機能な単語や記号を使って受け入れ易くし、同じ程度の情報量を少ない文章にまとめてテンポを上げる、というか。
中高生時代を思い出すような甘酸っぱいノリを表現するのには、この手法は大変有効と思います。こんな感覚を持っていたのはもう何年前だろう...。
お話の内容は運用系と構築系の確執がテーマです(以下、少しネタバレかもしれません)。
僕は本業で他人の作ったシステムの運用もやりますし自分が開発したシステムを運用側に任せたりもするので、彼らの意見はいちいちもっともで、うんうんと頷きながら読みました。
運用やってるとやたら細かいとこ気にするんですよね。
でもいざ開発となると、とてもじゃないけどそんな細かいことまで文書に落としてたら工数が足りない。結局落としどころは、将来運用者が解析し易いようポリシーに一貫性を持たせたシステム作りを目指す、になっています。同じような処理は同じ思想、同じ方式で実装する。同一カテゴリの情報は集約する。構成技術要素を徒に多様化しない。
そうして作っても、結局運用者には解析を強いることになるので、開発者の言い訳かもしれません。
また作中で、保守資料が無くても自分は環境解析してトラブルシュートできる、なんてシーンがありましたが、この感覚は僕にも経験がありました。上司に「お前が居ないときに他のメンバで回せないような保守の仕方は駄目だ」とたしなめられたものです(慢心を見透かされたのもあると思いますが)。
しかしIT業界(モノ作りの業界?)で確執と言えば営業と開発(技術)じゃないのかなー。それだと喧嘩が物別れで終わるから萌え要素が組み込めないのかもしれませんが。
IT業界を垣間見るという意味で、雰囲気の伝わる面白い物語だな、と思いました。
そういえば 3巻も出たそうなので、今週末にでも買いに行きます。
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購入金額
620円
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購入日
2011年01月05日
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購入場所
かげちゃんさん
2011/01/08
3巻は1月発売の予定でしたっけ?
10日が休日だからもう発売されているのかな?
明日はIntelのイベントを見に秋葉に行くのでその時に買ってこよう。
YGGさん
2011/02/05
良くある光景ですが、組織としては駄目ですよね、って書いていて自分で耳が痛いですが。