今回は2010年06月号に付録したRenesas社SH2A基板(SH7262搭載)であり、これまで発売されたCQ出版社の付録マイコン基板の中で最高スペックのCPUである。
前回もRenesas社製のCPUを取り上げたが、今回はハイエンドCPUシリーズのSHシリーズである。
RXシリーズがCISCであるのに対し、SHシリーズはRISCであり、HITACHIの時代からハイパフォーマンスを目的に続いてきたシリーズである。
ただ、RXシリーズもCISCではあるものの最新CPUというだけあって、すでにRISC/CISCの差がなくなりつつあり、かなり高性能である。
断っておくが、最新のPC用CPUやフィーチャーフォン・スマートフォンで使用するようなCPUに比べると性能は劣るが、そこは用途の違いであり、土俵が違うので比較対象にはならないことを理解頂きたい。
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この基板に搭載されるSH2Aは、クロックこそ以前発売された付録SH2基板と同等ではあるが、メモリアーキテクチャの変更等で遙かに高スペックである。
少し前のSH3であれば、200MHz程度の製品より高性能だろう。
ただし、SH2シリーズはMMUを持たないため仮想メモリを実現することができなかったり、特権モードの切替がないことからも、ローエンド向けのシリーズであることが伺える。
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このCPUには、比較的新しい周辺デバイスが統合されている。
なかでも私が試してみたいと思っているのが、ビデオディスプレイコントローラである。
ビデオディスプレイコントローラを搭載したCPUは何種類か触れたことがあるが、汎用マイコンでここまでの機能を持ったものは始めてみた。
具体的な例を上げると、2面までレイヤー管理することができ、それぞれのレイヤの透過率を指定できる。またクロマキーが設定ができるため、部分的に透過させることもできる。
これを使えば、画面にカメラ画像を重ねるようなMID(ナビ等)を実現することができそうだ。
このビデオディスプレイコントローラの性能を発揮するために、大容量の内蔵RAMを持っている。
前述したアーキテクチャの変更によりRAMアクセスも高速化できるようになっている。
画面に何か表示できるというだけで何か楽しいことができそうな気がしてくる。
他にも多数のデバイスが統合されているため、何をやろうか迷ってしまう。
残念なのは、高機能な周辺デバイスが統合されているが、ライセンスの問題から仕様が公開されていないデバイスがある。
仕様が分からないことには使うことができないわけだ。
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この分野に興味のある人向けにはなるが、トータル的に見ると、ハイパフォーマンスCPUを触ってみたい人や液晶を巧みに使ってみたい人に向いていると思う。
サンプル等はあるものの、画面表示を自分の手で一から構築するとなると難しいかもしれないが、そこは楽しみながら取り組んで欲しいと思う。
と言っている私は、開封し、火入れ(電源投入)はしたものの、サンプルのビルド・書き込み・実行までで止まっている。
これだけハイスペックなマイコンボードが目の前にありながら、なかなか手が進まないことに悶々としてしまっている。
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購入金額
2,310円
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購入日
不明
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購入場所
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