同社製のケースは2万円以上するものが多いのですが、Smart 330Tはスチールフレーム&外装アルミパネル構造となっており、安価な設定になっています。
ただし、国産だけあって価格は高めで、エントリーモデルといえども約15,000円とMicroATXケースの中では高額な部類に属します。
■静音性
側板には吸音材を貼り付けてありますが、この吸音材、かなり堅めで音を吸収というよりも反射してしまいそうな気がしますが、側板の加工精度の高さもあって、それなりの防音効果があります。
吸音性能という点では、個人的にはエプトシーラの方が優れていそうな感じですが、エプトシーラは埃がくっつくとやっかいですから迷うところです。
フロントパネルはアルミで覆われているため、メッシュ構造の冷却重視ケースと比べると防音性は高いと言えます。
ただし、フロントからの吸気に弱点があることは、後述の通りデメリットともなるため、迷うところです。
個人的には発熱がそこまでひどくないパーツと、静音重視のセッティングで組みたいケースですね。
■良い点
・加工精度が高い
加工精度はさすが国産のケースだけあります。サイドパネルもピタッと収まります。ネジで固定しなくてもきちっと固定されるのは気持ちいいですね。
スチールの切断面もバリを丁寧に取ってあり、怪我をすることもありません。
安物のケースではバリが残っていて思わずケガをすることもありますが、このケースの場合はそのような心配は少ないと思います。
・Radeon HD 4870も余裕のレイアウト
長尺のビデオカードを使用する場合、ビデオカードと同じ高さのHDDベイにHDDをつけることは出来ませんが、そのかわり260mmを超える長さでも余裕で対応可能です。
Radeon4870を使っていますが、まったく問題ありません。
ただし、長尺カードの場合、ビデオカードとHDDが干渉する可能性がありますので、HDDは干渉しないところに固定する必要があります。
・端正なデザイン
abeeのケースはなんかいまいちと感じるものが多いのですが、smart 330Tは角がRになっており、シンプルで良い感じです。
中段に並んだパワースイッチ、eSATA、USB、リセットスイッチも控えめで、かつフロントパネルとツライチですので、凹凸もなくシンプルで好感が持てます。
・12cmファン搭載
背面のファンはMicroATXケースではあまり数多くない、12cmファンを搭載しています。
ファン自体もかなり低回転のもので、ノイズはほぼありません。
12cmファンを搭載しているため、ケースの厚みがそこそこあります。
そのため、通常のMicroATXケースでは導入が難しい12cmファン搭載のサイドフロークーラーが使えるというメリットもあります。
・3.5インチベイ×5、2.5インチベイ×2、5インチベイ×3の拡張性
MicroATXケースの中ではかなり拡張性が高いと言えます。
SSD用の2.5インチベイもありますので、ハイスペックなコンパクトPCを組む際にも便利です。
欠点としては、3.5インチベイの間隔が狭いため、HDDを満載すると、かなり熱を持ちます。
1cm程度でも隙間があるとかなり温度が下がりますので、できれば1段ずつ空けてHDDを搭載することをお勧めします。
■いまいちな点
・空冷ファンのガード部分
○を大量に開けてファンガードを兼ねた作りになっているのですが、開口率が少なく、そこそこ抵抗がありそうなデザインとなっています。
ハニカム構造にするとか、あるいはいっそのこと穴をぶち抜いてしまって、フィンガーガードをつけた方がエアフローは良くなると思います。
予想以上に風の抜けは良くなさそうな感じです。
・吸気が貧弱
排気は電源ユニットと12cmケースファンですが、吸気はフロントパネルに吸気口はなく、ケース下部にあるフロントパネルの隙間から吸い込む構造になっています。
ちょうどHDDベイの直前に12cmファンを装着できるようになっていますが、排気に見合うだけのファンを装着しないと、エアフローのバランスが崩れ、かえってエアフローが阻害されてしまうこともありますので、フロントに吸気ファンは装着せずに使っています。
電源をONにするとフロントパネルの隙間からかなりのエアーを吸気しているのがわかります。
絨毯などの上にケースを置くと、ゴム足で稼いでいる高さが埋まってしまい、吸気不足に陥ることも多々ありそうですので、床とケース底面までの空間はかならず確保する必要があります。
・HDDの隙間が狭い
HDDは5台入るのですが、4台でいいのでHDD同士の間隔を広げて欲しいところです。
HDDは密着すると熱を持ちやすくなりますので、1cmでも離すだけでだいぶ温度は下がります。
エアフローがあまり良くない分、HDDの間隔に一工夫欲しかったところです。
・電源LEDの光が漏れる
電源LEDがまぶしいのはまだ良いのですが、隣のHDD LEDにも光が入ってしまい、アクセスランプの点滅がわかりづらいのが欠点です。
また、USBコネクタにも光が漏れており、あまり見た目がよろしくありません。
アルミホイルを紙で挟んだもので光の漏れを防ぎましたが、最初から対策されているといいかな、と思います。
・手回しネジがあると便利
側板の固定はナイロンワッシャー付きのミリネジですが、個人的には手回しネジの方が便利です。
ミリネジの手回しネジはあまり種類は無いので、出来れば標準搭載してほしいところです。
とりあえずPC-9801シリーズのCバス用ネジ(!)が余っていたので、これで代用してます。よく取っておいたなぁ…
■まとめ
ケースの加工精度も高く、とても丁寧な作りがなされています。
外国製のケースと比べても差が歴然といったところです。
特に、サイドパネルをつけた時のピッタリ感は、他のケースではなかなか感じられません。
価格も飛び抜けて高い訳ではなく、スチールフレームを併用することによって15,000円程度に抑えられていますので、それほど割高感はありません。
空冷ファンもマザーボードにもよりますが、大型のCPUクーラーも難なく入ります。
特に、背面に12cmファンを搭載していることもあり、比較的背の高い12cmファンを搭載したサイドフローCPUクーラーが装着できる点は、大きなメリットです。
現在はCORSAIRの水冷キットを搭載していますが、これも背面に12cmファンがあるがゆえ可能なことです。
ただし、フロントパネルが覆われているなど、エアフローがあまり良く無いこともあってハイエンド構成にはしにくいところもありますが、955BE&Radeon HD 4870で問題なく使えていますので、一般的な構成であれば問題ないでしょう。
MicroATXでデザイン性の良いケースを探している方におすすめです。
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間違って2つ登録していたため、片方を削除しました。
削除そのまま移動するのもなんなので、ちょいと追加。
このケース、凄まじくエアフローが悪いです。
排気は電源ユニットと12cmファンなのですが、吸気がフロントパネルの後ろの2cm弱の隙間からのみとなっているため、絶望するくらいエアフローが良くないですね。
しかも、ファンを装着する部分にあるパンチがあまりにも小さく、凄まじく風の抵抗が大きそうな作りをしています。
HDDは熱を持つわ、外排気のビデオカードも熱暴走寸前だわと散々だったので、速攻で開口率が低いグリルを切断することにしました。
これでどうにかまともに、といっても窒息ケースで有名なP180よりもまだまだ状況は悪いのですが、かろうじて我慢できるレベルに。
デザインはいいのですが、空冷のことをあまりにも考えていなさすぎるような気がしますorz
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購入金額
15,000円
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購入日
2009年頃
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購入場所
退会したユーザーさん
2010/04/11
Vossさん
2012/01/22
ちっこい割にストレージ山積み出来るとか、工作精度高いとか色々良く出来てますよね。
吸気については、私は運用二ヶ月後にヴェロキラプトル一個が入院する羽目になったので、速攻で正面グリルを切りました(汗)
ちょもさん
2012/01/22
作りはいいですよね、作りは…
デザインもシンプルで良いのですが、高さが通常のMicro ATXケースよりも低いのもお気に入りです。
HDDはまったく冷えないですよね、これ。
10000rpmでも速攻でお亡くなりになってしまいましたか。
私もグリルを切り取って、穴をぶち抜いたらどうにか常用出来るようになりました。
Vossさん
2012/01/24
ちょもさん
2012/01/25
どうも凝り性というか、綺麗に切り抜きたくなって、ルーターの先に切断ビットを付けてちまちま切断していました。
部屋の中でやっていたので、辺り一面鉄粉だらけ…しかも横着して、マザーボードとか装着したままなので、後の掃除が大変でしたorz