家にいるのならATH-AD10やMDR-1Rを使えますので、敢えてイヤフォンタイプの製品を使う必要も無く、またたまに買うカナル型で納得したものも無いということから、今でもイヤフォンタイプの製品はインナーイヤーフォンばかり使っています。
その中でも現在愛用しているのはATH-CM7で、これはアルミハウジングのATH-CM7SVと、チタンハウジングのATH-CM7Tiの2本を揃え、外出時の常用品としてCM7SVを、より音質的に有利なCM7Tiを取って置きとしています。
とはいえ、ATH-CM7の2本も既に一度オーバーホールにメーカー送りにしたのですが、特に外出時に常時持ち歩いているCM7SVの方が随分くたびれてきてしまいました。まだ修理可能製品となっているため、最悪の場合にはもう一度修理に出すつもりではあるのですが、できれば少し負荷を軽減したいと思い、気軽に使えそうなインナーイヤーフォンを探していました。
最近ではインナーイヤーフォンの高音質タイプは絶滅に近い状況なのですが、一昔前にはまだ何とか使える水準の製品が残っていましたので、未使用品のSENNHEISER MX760を入手してみたわけです。
外見ははっきり言ってチープです。一応当時の中級クラスの製品だったはずなのですが、外見だけ見れば1本千円といわれても納得してしまいそうです。もっとも、ゼンハイザーのインナーイヤーフォンはどの製品でも外観はあまり高く見えない気がしますが。
試聴はSONY Walkman NW-X1060とUSBオーディオインターフェースのemagic a6|2mで行いました。
音質については、まず出荷状態のイヤーパッド付きで試してみました。この状態では評判ほどハイ上がりという感じではないのですが、キレや解像度はやや甘く、無難ではあるのですが少し物足りないという印象でした。
一方、イヤーパッドを外してみると、確かに高域はやややかましい感じはあるのですが、解像度がぐっと増してきます。NW-X1060ではやや低域方向の余裕が足りない感じはあるのですが、a6|2mではバランスもなかなか良い方でしょう。
ATH-CM7との比較では、一見すると低域も高域もMX760の方がよく出ているような印象を受けるのですが、MX760は本当に低い方の低域はあまり出ているわけではないようで、ATH-CM7の方がソースによってはどっしりと腰の据わった音質となります。ベースラインの明瞭度などはATH-CM7に分がありますので。
とはいえ、大半のソースではMX760のややドンシャリ傾向の音は心地よく聞こえますので、この辺りはゼンハイザーならではの音作りの巧さといえるでしょう。外出時に使うのなら、これくらいはっきりとしたキャラクターを持っていた方がむしろ好ましいと思います。
駆動能力に欠けるポータブルオーディオでは単に薄っぺらで派手な音に聞こえてしまう可能性はあるのですが、一定レベル以上の機器で使う分には抜群のお買い得品だったというべきでしょう。見かけたらもう1本買っても良いと思う程度には気に入りました。
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購入金額
3,980円
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購入日
2014年03月25日
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購入場所
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