シュールな四コマ漫画といえば何を思い出すだろうか。
吉田戦車の「伝染るんです。」や「殴るぞ。」、いがらしみきおの「ぼのぼの」、最近だとニャロメロンの「週刊メロンコリニスタ」を思い出す人がいるかもしれない。
しかし、自分はあえて榎本俊二の「ゴールデンラッキー」を推したい。
本作(上巻)は、作者の榎本俊二が1989年から1991年までモーニングで連載していた作品+あとがき漫画や吉本ばなな(!)のインタビューを載せた作品である。
肝心の内容だが、人によって好き嫌いが本当にはっきりするテイストになっている。
不条理で意味不明、時に残酷でムダに女の子がカワイイという、誰にウケたいのかはっきりしない四コマがずらりずらりなのだ。
その作風たるや、もはやシュールの一言で片付けてしまうにはもったいない、というか思考停止しているとさえ言ってもいいほど、難解(?)なものになっている。
正直、「超訳ニーチェの言葉」とか「超訳ウィトゲンシュタインの言葉」とかいったコンテクストを無視した哲学書の水割り本よりは、よっぽど哲学のエッセンスが散りばめられてると思う。
(例えば、p109の「フラワーパンツ・アタック」と題された4コマは『論理哲学論考』の写像理論の応用だと本気で思っていた)
画像をここで掲載するのは良いかわからないので、ぜひともみなさん「榎本俊二 ゴールデンラッキー」で検索してほしい。変な脳の汁がたくさん出るはずだ。
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購入金額
1,260円
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購入日
2016年05月18日
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購入場所
北のラブリエさん
2016/06/03
「あいつの弱点がわかりました!」
「死んでいるのに気がつかない!」
「よし、撃て撃てー!」
とか好きでしたね。
むーすんさん
2016/06/03
コメントありがとうございますー。
ラブリエさんもお持ちだったのですね!
ここまでめちゃくちゃだと面白い面白くない以前に衝撃ですよね…。