レビューメディア「ジグソー」

ファンレス・省電力 PC電源のACアダプター化 DC-DC変換基盤

picoPSUは、マザーのATX24pinコネクタに直接差し込んで使用する電源です。
ACアダプターを使用するために、PC内部に場所をとりません。
picoPSU-150-XT マザー直差し
picoPSU-150-XT マザー直差し

本来は、ファンレスPCや省スペースの小型PCなどで使用することを目的としていますが、ACアダプター化によりPCの消費電力削減にも役に立ちます。

ACアダプターというのは通常のPC用電源に比べると変換効率が高いのが特徴。

変換効率についてはこちらで詳しく書かれています。
http://www.dosv.jp/other/0809/03.htm


■変換効率

picoPSUで使用するACアダプターは出力が12Vです。
ですので、PCで使用する12Vは、ACアダプターから直接とっているようです。
5Vと3.3VはpicoPSUで電圧を変換して出力されます。
このときの基盤の変換効率は最大値で96%ということです。

つまり、12Vの変換効率はACアダプター依存。
ACアダプターの変換効率が82%であれば、そのまま82%。

5Vと3.3Vは、picoPSU基盤の変換効率×ACアダプターの変換効率になります。
ACアダプターが82%で、picoPSUが96%であれば、0.82x0.96=0.7872、78%ということに。

一般的な電源の変換効率は65%~70%といわれていますので、それに比べるとかなり高い数値となります。
実際に、Atom搭載PCの消費電力削減に大いに貢献してくれました。

[5Vラインの基盤の変換効率]
使用アンペア数:変換効率

1A:86%
3A:94%
5A:96%
8A:93%

[3.3Vラインの基盤の変換効率]
使用アンペア数:変換効率

1A:85%
3A:93%
5A:94%
8A:91%


■小さい

ちなみにpicoPSUが小さい理由は、100V→12Vの変換など、ほとんどの仕事はACアダプターで行っているためですね。
picoPSUがやっている仕事は、基本的には12Vを5Vと3.3Vに分けることですから、大きな部品は必要ありません。

そのため、マザーボードの電源24pinに直接差し込むという仕様になっています。
マザー上に電源が乗っかっているようなものなので、省スペースPCなどに便利です。


■出力の仕様

picoPUS-150-XTは、TDP35~65WのCPUでの使用を想定されています。

入力:DC 12V
出力:定格90W (瞬間最大150W)

[電圧 / 最大出力 / ピーク時最大出力]
5V / 6A / 8A(ピーク時)
5VSB / 1.5A / 2A(ピーク時)
3.3V / 6A / 8A(ピーク時)
-12V / 0.05A / 0.1A(ピーク時)
12V / 8A / 10A(ピーク時)

製品名に150がついているからといって、常時150Wの出力ができるわけではなく、あくまでもピーク時に出力可能な最大電力が150Wということになります。

12Vのピーク時最大出力は10Aですが、ピーク時の出力は60秒までが限界なので、通常の最大出力は8Aになります。
定格出力は90Wなので、その消費電力に合わせてパーツをそろえる必要があるでしょう。
90Wで出力するためには、変換効率から考えると、ACアダプターの出力が100~110W程度は必要になるでしょう。


■耐久性

固体コンデンサを使用していて、なおかつ低発熱なために、かなりの長寿命であるとメーカーは主張しています。
メーカーによれば、picoPSUの表面温度を65度以下で使用すると、パーツに負担がかからないため、より長く使えるそうです。

picoPSU自体はほとんど発熱しませんし、よほど過酷な環境で使用しない限り大丈夫だとは思いますが。

先にへたるのはACアダプターのほうかな、と思っています。


■コネクタ

一般的なドライブ用の4ピンが1つ。
HDDなどのS-ATA用が1つ。
マザーボードに差し込む「田」型のP4 ATX 4ピンが1つ。
マザーボードに直に差し込むATX 24ピンが1つ。

基本的に省スペースPCでの利用を前提としているので、とてもコネクタは少ないですね。
HDDなどを増設したいので、やはり分岐ケーブルは必要のようです。


■消費電力削減効果について

実際に使用してみた結果を見てみましょう。
使用したマシンはこれ。


Atom330搭載のベアボーン。
150W電源が搭載されています。
内部の電源はこれ。
Atomベアボーン150W電源
Atomベアボーン150W電源

この電源とpicoPSU-150-XT + ACアダプターで比べてみました。
使用したACアダプターはこれ。



まずは、搭載電源の消費電力を測定。
ベアボーン搭載電源
ベアボーン搭載電源


アイドル状態
ベアボーン電源アイドル
ベアボーン電源アイドル


Prime95にてベンチマークを行いCPU使用率100%の状態
ベアボーン電源100%
ベアボーン電源100%


次はpicoPSU-150-XT、ACアダプター。
picoPSU-150-XT マザー直差し
picoPSU-150-XT マザー直差し


アイドル状態
picoPSU-150-XT アイドル
picoPSU-150-XT アイドル


Prime95にてベンチマークを行いCPU使用率100%の状態
picoPSU-150-XT 100%
picoPSU-150-XT 100%


アイドル、負荷時共に7W低くなっています。


■総評

コンパクト、高効率、ファンレスPC、見た目がもう普通じゃない、等々。
個人的にこういうのは大好き。

そもそも、ファンレスPC構築や、省スペースPC、超小型PCなどで使用するDC-DC変換基盤なのですが、ACアダプター化で消費電力も削減できるという副次的な効果も高く、とても利用価値の高い製品だと思っています。

メーカーの主張する数字を信じるのであれば、いくつか出回っている同様の変換基盤の中でも、picoPSUは基盤の変換効率がかなり高いほう。

ただ、どんなマザーにも使えるというわけでもないと思いますので、12Vの出力が足りるかどうかなど、一応、事前の下調べはしておいたほうが良いかも。

ともかく、何に使うか、どう使うか、ケースは・・・などなど、いろいろと遊べます。

問題は入手性の悪さとACアダプターの準備が大変なこと。
直接、アメリカのmini-box社から個人輸入でも購入できますが、船賃がべらぼうに高い。
ACアダプターは60W程度のものなら比較的楽に入手できるが、80Wクラスになると急に入手性が悪くなり、同時に一気に高額に。

自分はSandyやZacateなどで低消費にこだわってみたいので購入しましたが、たかが10W程度の差なので、消費電力の低さを追求しないのなら、普通に汎用性の高い80PULS GOLD電源の絢風300を買うほうが良いかもですね。

http://www.mini-box.com/picoPSU-150-XT

<追記>
上位機種のpicoPSU-160-XTも登録しました。
150-XTと160-XTとの比較との比較を行ってい、picoPSUで省電力化できる理由について追記しました。




*~*~*~*~*~*~ おまけ *~*~*~*~*~*~

ACアダプターをコンセントに差し込んだだけの状態の消費電力。
待機消費電力
待機消費電力

3W

さらにpicoPSUをつなげ、PCに差し込んだ状態での、電源OFF時の待機電力。
pcoPSU-150-XT 待機電力
pcoPSU-150-XT 待機電力

4W

ちなみに、Atom330ベアボーンに搭載されている電源や、コルセアの80 PULS Silver電源は0W。
ACアダプターのほうに問題があるようですね。
まあ、常時起動のサーバーでの使用を前提としているので、待機電力はあまり関係ありませんが、気になる人はACアダプターを選びましょう。
  • 購入金額

    15,000円

  • 購入日

    2011年03月04日

  • 購入場所

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