ヴィクトリア、ヨーロッパユニバーサリスと来て、購入した姉妹シリーズ。
これも、また、
HOI2のように、コンバートが出来るという事に釣られた形です。
家系図をみてワクワク出来る人はぜひぜひプレイして見て欲しい
十字軍の時代(1066年)から、大航海時代を目前に控える1453年まで、
ブリテン島、アイルランド、スカンジナヴィア、アフリカ北部沿岸、ウラル山脈以西のロシア、中東、ヨーロッパ全土、が舞台のゲームです。
舞台は当時の欧州人にとっての『世界』ですので、アジア、インド、北部沿岸以南のアフリカ、アメリカは『存在しません』
このゲームは、所謂国盗りゲームでは無いです。
この『世界』の中で終了年度まで選択した一族を絶やすことなく存続させ続ける事がゲームの目標になります。
そう、このゲームの目的は選んだ家の家名を存続させる事、です。
『世界』征服は家名を存続させる為の手段の一つでしかありません。
達成したとしても、何のメッセージも発生しませんし、エンディングになるわけでもありませんし、ゲームオーバーになりづらくなるわけではありません。むしろ、なりやすくなる事が多い。
そもそも、『世界』征服などという事は(99.99%)不可能なのです。
このゲームでは、切り取り放題の戦乱の時代では無かったという事を表現する為に、領土の支配権=爵位号というものがあります。
この爵位の請求権が無いと戦争を仕掛ける事が出来ませんし、逆に仕掛けられて相手を負かしても、領土を貰う事すら出来ません。
但し、爵位は複数持つ事が出来て、その中で最も高い位を主に名乗る事になります。つまりは爵位請求権が複数あれば領土を複数手に入れる事が出来るのです。
ただし、爵位によって、直接支配できる領土の数(当主の統治能力への係数)が変わります。この数をオーバーすると領主は精神を病み、廃人になったり、自殺したり、病死しやすくなりますし、税収も落ちます。
ちなみに、上記のような破綻が無く支配できる領土の数は、一番低い爵位の伯爵が二つ程度、公爵が六つ程度、王が十二程度となる計算です。この爵位での領土の数への修正は、複数持っていても累計されません、一番高い位のものだけが適用されます。
それゆえに、支配地が増えたら(計算の元となる統治能力が低下して)収入が落ちるという事も普通に起こります。
ちなみに『世界』全土の領土数は850ですので、『世界」征服がほぼ不可能な理由が分かりますね。
さて、このゲームで重要なのは、まず、跡継ぎがいる事です。
家名の存続が目標なので、後継者がいなければ終わりです。
相続法というものが存在しており、選択次第では自分の子供以外が継承順位で上位になることもあります。このような状況で当主が死去し、後継者が決まった場合、後継者に家名が引き継がれないのでゲームオーバーとなります。
もちろん、女の子しか生まれなかった場合も、孫は嫁ぎ先の姓になるので家名が途絶えます。
ですが、逆に考えると子供に女の子しかいない他の家系は嫁に貰う事で乗っ取りが出来る可能性が有るという事です。
この辺りが、史実ハプスブルグ家の発展が再現できる仕様となっています。
実際には後継者が本当に誰もいないと架空の同姓人物が突然現れて後を継ぎますし、乗っ取られた場合も同じ姓の人物(傍系の場合も有り)に勝手に担当国が飛んでゲームが続きますが、どちらも家系図は途切れるので実質的にはゲームオーバーです。
人物には能力が設定されていて、管理、陰謀、外交、軍事、マスクデータで健康、生殖、精神があるようです。
読んで字のごとくな能力ばかりですね。
マスクデー タの方も健康は寿命を全う出来るかどうかに関わるでしょうし、生殖は子供がどれだけ出来るかに関わるはずですし、精神は精神疾患発症の判定に関わると思わ れます、未確認ですが。
さらに特性というものがあり、能力を増減させたりします。「正直」「謙虚」とか「傲慢」「嘘つき」などいう感じで名前のマ イナスプラスのイメージがありますが、中身はどちらもプラス要素だけではなく、「正直」な場合は外交にプラスですが陰謀にマイナスで、陰謀が低いと部下や 妻子に悪評吹き込まれて反乱の嵐、とか、暗殺図られても防げずに死亡、とか現代人の感覚でプラスの特性があっても不利だったりしますので要注意。
数値化されている領主及び領地の数字は、財産、威信、信仰です。
この時代、国庫=領主の財産ですので兵士の維持、施設の設置改良から、子供の養育費まで国庫から支出されます。
威信は、その国がどの位認められ信用されているかの数字です。この数字が一番必要とされるのは称号の請求権を宣言する時ですね。称号に付随する領地の豊かさで、消費する威信値が変わります。
信仰は、領主がどれだけ教会に貢献しているか、の数字です。これが大きいと列福(キリスト教聖人の一つ下の称号福者になる事)されて一族の歴史に箔が付きます。
教皇庁の十字軍の宣言に対して参加し、異教徒を攻撃して滅ぼすと顕著に上昇しますが、逆に参加しなかったり、参加しても戦果が無いと下がります。もちろん、宣言していない時でも異教徒から領地を奪えば増えますし、教会の寄付要求に応えても増えます。
操作できる項目ですが、内政では税収にボーナスを与える施設の設置や、技術研究重点目標は立てられます。
が、直接、開墾やら市場などを作る等の介入をする事は 出来ません(そもそも農地や商業力が開発で変動する個別のデータになっていない)し、領地の税収なんかよりも統治する領主の能力の修正の方が大きいです。
徴兵も、州単位で一括召集する形になり、その州にいる騎士階級、聖職者階級、商人、農民の人口や財産の割合で兵の種類や数が決まるので、○○兵は強いから、これだけを編成したい、と思っても不可能(各階級を優遇するとそれに対応する兵種は増えるけれども)です。
戦争での戦闘や攻城戦もオートで進みます。指揮官に任命した人物の軍事能力と戦闘に関わる特性があれば有利或いは不利なイベントが、これまたオートで発生します。
このゲームではイスラム文化圏がラテン文化圏よりも軍事技術で先んじていた時代を扱っているので、基本的に戦争ではイスラム勢力の方が優勢です。
そんなイスラムに支配されたキリスト教の聖地を奪還するのも家系存続と合わせて、このゲームの目標なのかもしれません。奪還してもエンディングは始まりませんが。
このゲームにはバランスを度外視した二つの大きな波の襲来があります。
一つはモンゴル帝国の襲来です。
チンギスハンの帝国を祖とするモンゴル系の領主は弓騎兵という、このゲームに登場する兵種のほぼ全てに強い兵種が使え、軍隊の殆どを弓騎兵が占めています。
更に彼らは領地をいくつ持っていても統治効率が落ちない(精神病にもならない)というボーナスがあるので、兵種と相まってまさしく侵略の波という言葉がぴったりの状況が起きます。
もう一つは黒死病の呼び名で有名なペストの流行です。
こちらはモンゴル帝国襲来よりも厄介です。発生したら最後、国境関係なく伝染していきます。
当時の死亡率の再現の為、人口から割り出して設定している税収額が半分以下に落ち込み、領主一族も、もちろん感染したら死亡率に基づいて判定されて亡くなっていきます。
子供と高齢者に対しての判定が厳しくなっているので、後継者を失って滅亡、というパターンもままあります。
猛威を振るった後、ペスト免疫が発生したら終息ですが、これが出るまで、まさしく神に祈る以外の方法はありません。
様々な部分で、国盗り系のゲームとは違うため、これを素直に最初のプレイで面白いと思うことは無いかも。
ただ。婚姻で他の家や主君の王家を乗っ取る事が出来るのは中々ないシステムです。
ちょうど、GC開始時点でスイスの一領主としてハプスブルグ家がありますし、婚姻で拡大した家系を追ってみるのも楽しいと思います。
万人にお勧め出来るものではないですが、この時代、この世界観と歴史の流れにロマンを感じられるならありです。
人物イラストは好き嫌いがはっきりと出ると思われます、が、実は入れ替えがかなり簡単で、MODでもそういった改造がされていますし、少し頑張れば、自分で挿し替える事も出来ますので、外見に惑わされずに、楽しむ方が増える事を祈りたい、のですが。
ローカライズ担当のサイバーフロントが解散して以来、プレミア価格となっていますので、英語表示に抵抗が無ければ、英語版を入手するのが吉だと思います。
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購入金額
6,980円
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購入日
不明
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購入場所
Amazon
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