レビューメディア「ジグソー」

カオスの奔流

所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。隠せない民族の血?日本人が手拍子をすると、なぜか洋楽であってもアタマ打ちの宴会風になることも多いですが、黒人が演歌を歌うとソウルの薫りがします。へヴィメタルの方程式を使いながら、ソウル、ファンク、ジャズなど黒人系の音楽のテイストが見え隠れする、ジャンルをまたいだ分類不能な作品をご紹介します。

Living Colour。The Rolling StonesのMick Jaggerに見出されたという黒人へヴィメタルバンド。たぶん。

ただ彼らの音楽性は「へヴィメタ」の一言ではくくれない。跳ねるリズムはファンキー、ギターのテンションノートで攻めるラインはジャジィ、バラードのボーカルラインはソウルフル。デビューアルバム“Vivid”

はそのどこにもない分類不能な音楽性と高度なテクニック、強いメッセージ性で世に衝撃を与えたが、続く2作目。

メンバーは変わらず、超絶ギタリストVernon Reidにハイトーンも朗々たるバラードもこなすヴォーカリストCorey Glover、黒人の血が隠せない跳ねるドラムスWilliam "Will" Calhoun、初期Living Colourのリズムテイストの要、ベーシストMuzz Skillings。「Led Zeppelinの再来」と呼ばれ、へヴィなロックがベースだったが、やはりクロい。どんな曲でもリズムの躍動感が違う。

「Time's Up」。ウルトラハイスピードスラッシュメタルw。Vernonの光速リフと超絶ソロ、Muzzの指弾きの速さと正確さも特筆モノ。いわゆる体育会系メタル、だがAメロの半速の部分のWillのリズムの跳ね、ベースのスラップもクロいな。

「New Jack Theme」はイントロまではWillのリズムの跳ねを除けば普通の?へヴィメタなんだけど、歌に入るとCoreyの隠せない黒人の血。ハネるハネる。

比較的王道のハードロック「Fight The Fight」は、途中でドラムスとヴォーカルのみになるところで16分音符のウラで入るバスドラのクロさと、Vernonのソロのプログレ風のクラシカルなアプローチでカオス。
ジャケットもカオスだなぁ...
ジャケットもカオスだなぁ...
へヴィメタルの皮をかぶった実験音楽?

音楽の魂とは、魂の叫びとは、感動とは、情熱とは...決して整った形式ばったところには宿りえない。
エネルギーの奔流が、オーラが見える作品です。

【収録曲】
1. Time's Up
2. History Lesson
3. Pride
4. Love Rears Its Ugly Head
5. New Jack Theme
6. Someone Like You
7. Elvis Is Dead
8. Type
9. Information Overload
10. Under Cover Of Darkness
11. Ology
12. Fight The Fight
13. Tag Team Partners
14. Solace Of You
15. This Is The Life
16. Final Solution

「Time's Up」

  • 購入金額

    2,800円

  • 購入日

    1990年頃

  • 購入場所

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