ソケットAM2+にAMD780G/SB700を備えたASUS製M-ATXボード。母用のパソコンのマザー(BIOSTER GeForce 6100 AM2)が年末に突然起動不能になり、「正月休みパソコン無しとかふざけんな」という事でもう故障が判明した当日に急いで購入してきたもの。なのでまともに選んだ訳ではなく、その店にあったAM2搭載&M-ATXマザーがコレだけだったのだ。
当時組み合わせていたCPUはAthlon64 3000+というマザーより2年も古いAM2初期のCPUだった。その後はAM3のPhenomII X3 700eという逆にマザーより新しいCPUがささっているが、BIOSのアップデートでしっかり認識。さすがAM3もAM2もOKなAM2+。柔軟な対応が可能だ。
ただAthron64だろうがPhenomIIだろうがメモリを4枚挿しすると相性が出やすいらしく、一度Intel P45環境で使っていた4枚のメモリを丸ごと移植したら起動さえしなくなってしまった。4枚とも2枚挿しなら問題なく起動するのだが。その後4枚挿しでも安定するメモリの組み合わせを見つけ、DDR2 800 1GB*4という大容量構成に成功した。
このマザーボード最大の特徴はやはりその強力なオンボードグラフィックとマルチメディア対応。今でこそAPUや、IntelHD3000等オンボード(というかCPU統合)のグラフィックが強力になってきているが、この780Gは当時のオンボードとしては破格の性能。GeForceで言うなら6600GTに迫る性能は持っていたので、設定さえいじれば3D系ネットゲームもプレイ可能だ。
そしてそれ以上に魅力的なのが動画再生支援をはじめとした動画関連の対応。シングルコアAthlon搭載時でもスムーズな動画視聴感覚。BDドライブを搭載すればBD視聴だって大丈夫。
その分写真の通りヒートシンクは大柄。マザー自体の冷却もある程度考慮する必要がある。
拡張スロットもPCIe x1/PCIe x16/PCI*2とM-ATXとしては最大級。Intel系M-ATXの場合最上段にPCIe x16を持ってくる事が多いのだが、こちらは巨大なチップセットヒートシンクが鎮座しているせいもあり、ATXマザーに近い配置になっている。
USB2.0ピンヘッダ6ポート分にIEEE1394ピンヘッダとこちらも大量搭載だ。
ストレージ周りも抜かりない…というかSATA2に加えてFDDとIDE(横向き実装)を備える分最新マザーボードよりも実装数自体は多く感じる程だ。ちなみにSATAはAHCIモードでの使用が可能。
背面もDVI/D-Sub/HDMI/Displayportと勢ぞろい。グラボ無しでデュアルディスプレイ環境もできる。USBポートもたっぷり搭載し、光音声出力も備え「載せられるだけ載せました」感があり頼もしい。但しせっかくのDisplayportは普及が遅れ、当時は繋ぐ先が無くその後のマザーボードでは逆に省かれる始末。
まさに拡張カードいらずな機能てんこもりマザー。それでもPhenomII X3 700eとの組み合わせで、実測アイドル時は70W程度。高負荷をかけても100Wを軽く越えるレベルに収まっている。さすがに最新型には及ばないものの、十分省エネなマルチメディアマシンとして使えるだろう。
我が家ではPhenomII X3の更なるアップグレードとしてDDR3&SATA3対応のASRock 890GM Pro3 R2.0に置き換えられる事となったが、このM3A78-EMに不満を感じていた訳ではなく、890GM Pro3 R2.0の入手製が悪くなっていた為の確保といった意味合いが大きい。
890GMレビューでの比較というカタチでこちらのM3A78-EMのベンチ結果も掲載させて頂いた。
対応CPUも幅広く、一般的な用途なら全然現役で活躍できるマザーボードだろう。
…という訳でPhenomII用としては引退したが、まだまだ使えるのでどっからかやってきたAthlonX2 3800+を装着して遊んでみた。
グラフィックボード無しでもある程度のゲームをこなし、快適な動画再生環境をローコスト&省エネに提供する。更にグラフィックボードと組み合わせる「ATI Hybrid CrossFireX」によるアップグレードも可能。後に登場した785Gや880G/890GXでもコンセプトは継承されたものの、内蔵グラフィック自体の性能向上は限定的だった。それだけこの780Gのコンセプトと完成度が高かったと言える。
そしてそのコンセプトは「チップセット統合グラフィックス」ではなく「CPU統合グラフィックス」として後に登場したAMD Aシリーズとして結実することとなる。
この780Gによってもたらされたオンボードグラフィックの大幅な性能向上が「高機能オンボードグラフィックへの潜在需要」と「チップセット統合グラフィックの限界」を見せ、APUへと向かう1つの転換点となったのかもしれない。
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購入金額
8,000円
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購入日
2008年12月28日
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購入場所
PC DEPOT
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