レビューメディア「ジグソー」

見せてもらおうか、インテルのSSDの性能とやらを…

Intel X25-M G2 Dynamite Reviewに当選し、レビューの機会をいただきました。ありがとうございます。

今回のレビュー指令は「応募時に登録したノートパソコンを使ってHDDと交換、OSのインストールまでをレビューしろ」とのこと。
私は、もちものにも登録しているAsusのネットブック、Eee-PC 1000HEを応募時に登録しました。
コイツをSSDへと換装するのですが、普通に換装してOSを復旧させるだけでは面白くない。しかも、ダイナマイトレビューで「詳細な換装マニュアルを作成しろ」とありますので、何か違った事をやらないと(こっちが先に始まったレビューなんですが)。
というワケで「標準のXPではなくWindows7のインストール完了まで」をレビューいたします。標準のXPなら、付属のリカバリディスクから起動してしまえばあとは待つだけで終わってしまいます。それに、SSDにしたのならやっぱりOSも最新にしたいというのが人情。
※今回のレビューのため、今まで装着していたSSD+Windows7を外し、あえて標準のHDD+XPへと戻しています。パソコンショップなどで「SSD+OSのDSP版」を購入しようと考えている、初心者の方向けのレビューとしてお送りします。

では、さっそくレビューです。
以前に自分で購入した「X25-V」はリテール品です。化粧箱に入ってました。
で、届いたのはこちら

00 届いた箱.JPG
00 届いた箱.JPG



付属品がないだけで、SSDはリテールと同じモノ。

そして中身。

01 X25-Vと.JPG
01 X25-Vと.JPG



見た目ですが、手持ちのX25-Vとほぼ同じ、というかラベル以外は同じです。2枚並べたら間違えそう…
レビュー応募のページ最上段にある「全身シルバーのボディ」をイメージしてたんですが、まぁ性能には関係ないところなので。

02 イメージしてたSSD.JPG
02 イメージしてたSSD.JPG



(0:事前準備)
現在使っているHDDに、万が一にも「失っては困るファイル」がある場合はどこかへ避難させておくことをお勧めします。今回のレビューでは標準HDDの中身は消えませんが、脱着時の落下などによりデータが破損する可能性があります。別のメディア、HDDなどへコピーを作成しておいた方が無難です。
次に、AsusのHPからEee-PC 1000HE用の「Windows7用ドライバ、アプリケーション」を念のためダウンロードしておいてください。ほとんどのドライバは自動でインストールされますが、最新版のドライバでより便利になっている場合もあります。また、省電力機能などのアプリケーションは別途インストールする必要があります。

(1:換装)
さっそく、Eee-PC 1000HEにSSDを換装します。
ネットブックの中には、HDDを交換するにはかなりの手間を要する機種もあるそうです。が、コイツは非常に簡単。ボディをひっくり返し、小さなネジ2本を緩めるとフタがとれてHDDを拝めます。

03 裏フタのネジ.JPG
03 裏フタのネジ.JPG



フタを取ったら、ステーを固定しているネジ1本を取ればあとは向かって右側にスライドさせて抜き取るだけ。

04 HDD固定ネジ1.JPG
04 HDD固定ネジ1.JPG



[ 注意!!! ]
この小さなネジを本体内部に落としてしまい、出てこなくなった場合は筐体の分解が必要となります。万が一にも内部でショートしてしまったら、パソコンそのものが壊れてしまいます。また、筐体を分解するにはキーボード下の「封印シール」を破らなければなりません。これを破るとメーカー保証が切れて、多分ショップ保証も無効になります。大事件にならないよう、最新の注意を払ってネジを回収してください。できれば、磁気を帯びた「帯磁ドライバー」が用意できればリスクが減ります。

裏技として、ネジの「+」が切ってあるところに薄手のビニールテープなどを小さく切って乗せ、その上からドライバを押し付けます。こうすることでドライバーとネジの隙間がなくなり、ドライバーの先からネジがポロリすることがほぼなくなります。
自動車の整備で、上向きにネジを取り付けなければならない場合などによく使うテクニックです。

さて、安全にネジを回収し、ブラケットをX25-Mに移植してネジで固定したらフタを元通り、フタもネジで固定して終了です。

07 ブラケット移設完了.JPG
07 ブラケット移設完了.JPG

08 交換完了.JPG
08 交換完了.JPG



(2:インストール前の準備)
Asusのネットブックに、自前のOSをクリーンインストールするときは若干注意点があります。
このパソコン、起動を早くするため「Boot Booster」なる機能があるんです。この機能は、起動時のPOST(Power On Self Test)を省略してHDDを読みにいくそうです。そのため、起動するとAsusのロゴ画面が表示されず、わずか2~3秒でWindowsの起動画面が拝めます。
ただし、この機能を有効にしていると「Alt+F2」で立ち上げるBIOS更新ができません。ESCキーで立ち上げるブートセレクターも起動できません。
そして、この機能において一番の問題は「パーティション」です。HDD内に専用パーティションを持っているのです。

09 BootBooster専用パーティション.jpg
09 BootBooster専用パーティション.jpg


このパーティションに保存された情報を読み出しPOSTを省略しているので、コレがないとBoot Boosterが有効になりません。
パーティションを作成するアプリはAsusから提供されていませんので、OSをクリーンインストールしてなおかつBoot Boosterを有効にするのは普通のやりかたでは無理です。

そこで、方法は2つ。
①リカバリディスクから標準のXPともどもデータをリカバリし、Windows7を新規インストールする
②「Acronis TrueImage」というバックアップソフトを使い、Windows7の新規インストール後に専用パーティションを復元する

私はデュアルブートが嫌いなので、今回はその選択肢はありません。そして、今回のSSDは書き込み回数制限が低い(10,000回らしい)とされるMLCタイプのSSDなので、無駄にデータを書き込ませたくありません。なので、②の方法を採ります。

まず、隠しパーティションをバックアップイメージであらかじめ別のHDDに保存しておきます。標準HDDでもかまいません。ただし、後ほどEee-PCに接続するのでUSBの外付けケースを用意しておくといいでしょう。
もともと、標準の160GBHDDが余ることになりますから今後は外付け化して使えば無駄になりません。ケースは今や¥1,000以下で購入できます。
そして、OSをインストールしたあとにこのバックアップイメージをSSDの一番後ろに復元してやれば「Boot Boosterが有効なWindows7」が完成します。
ちなみに、試してはないのですがTrueImageの体験版でも復元はできるそうです。

(3:OSのインストール)
さぁ、いよいよOSのインストール開始です。今回のOSは、Windows7 Ultimate 32Bitを使用します。せっかくの「ネットブックでレビュー」ということもあり、DVD-ROMからのインストールではなくUSBメモリからインストールします。USBメモリの作成は、Microsoftから提供されている「Windows7-USB-DVD-tool」なるアプリが簡単です。私は提供前に自家製で作ったため苦労しました。

OSインストール用にセットアップしたUSBメモリをEee-PCに挿入し、電源を入れます。

10 USBメモリからインストール.JPG
10 USBメモリからインストール.JPG


内蔵ストレージにBoot Booster用のパーティションがないために無効化されてしまい、Asusのロゴ画面が表示されます。
内蔵したデバイスが新品であれば、放っておいてもUSBメモリから起動します。しかし、BIOSの起動順位などを変更していたり、以前に別のパソコンで使っていたSSDやHDDを標準のリプレイスとして用意した場合は、放っておいても起動しなかったりエラーがでて止まったりします。
そのときは、Asusのロゴ画面でESCキーを連打してください。するとブートセレクターが起動し、どのデバイスから起動するか指定できますので、用意したUSBメモリを指定するとインストーラが起動します。

12 ブートセレクター2.JPG
12 ブートセレクター2.JPG


USBメモリに限らず、USB接続したDVDドライブでも同じです。

さて、無事に起動できたらしばらく待つとOSのセットアップが始まります。

13 インストーラ起動.JPG
13 インストーラ起動.JPG



別に注意点はないのですが、Windows7はインストール先の選択方法で構成が少し変わるようです。
別のパソコンなどであらかじめパーティションを作っておき、そこを選択してインストールすると単一のパーティションにOSがインストールされます。
しかしインストール時にパーティションを作ると、別に100MB程度の「システムで予約済み」というパーティションが作られ、ここがアクティブとなり起動パーティションとなるようです。

15 パーティション作成後1.JPG
15 パーティション作成後1.JPG

16 パーティション作成後2.JPG
16 パーティション作成後2.JPG



どちらも問題なく起動するのですが、何だか気持ち悪いので私はインストール中にパーティションを作ります。最大容量を指定して作成すると、100MB程度のパーティションを先頭に作成して残りが本来のパーティションとして作成されます。
が、ここでBoot Booster用のパーティション領域を残しておくため、最大容量といいつつも100MBほど少なく指定します。
その後は何の問題もなくインストールが進み、再起動の後に完了します。
再起動後は、USBメモリではなく内蔵デバイスから起動してください。そうしないと、またWindowsインストーラが起動してしまい同じことの繰り返しになります。もし気を利かせて、USBメモリを起動順位の最上位にしていた場合は要注意です。

このSSD、ランダム書き込みの速さがウリなだけあってOSのインストールも非常に速いです。同じSSDでも、今まで使ってたのはインストール中にプチフリが起きていたと思われます。明らかにプログレスバーの進み方が違います。

(4:完了後の処置)
Windows7をインストールした場合は、基本的にほとんどのドライバが自動でインストールされるので特にやることがありませんが、AsusのHPからダウンロードしてきた最新ドライバを一つずつインストールしていきます。

17 起動直後のデバイスマネージャ.jpg
17 起動直後のデバイスマネージャ.jpg


・ACPIドライバ
・チップセットドライバ
・グラフィックドライバ
・サウンドドライバ
・有線&無線LANドライバ
・BlueToothドライバ
などがあります。
他にも、インスタントキーのユーティリティやタッチパッドのユーティリティ、電力管理のユーティリティなどをインストールして標準のWindows XPと同じ環境を整えていきます。何が入っているのか不安な方は、標準のHDDを取り出す前に「すべてのプログラム」やコントロールパネルの「プログラムの追加と削除」から確認しておく事をお勧めします。

このドライバ&ユーティリティのインストールが、今までのSSDだと一番苦痛な時間でした。頻繁にプチフリを起こし、OSインストールの数倍もの時間がかかっていたんです。もちろん、頻繁に再起動を伴います。
ですが、このSSDを使うと、まったくプチフリが起きません。Eee-PCがAHCI対応ではないので、Trimは期待できませんから心配していたのですが快適そのものです。

一通りのドライバ&ユーティリティが終わると、Boot Boosterを有効にするためパーティションを復元します。
「TrueImage」をWindows7にインストールするもよし、起動ディスクから起動するもよし。好きな方法で起動します。
そして、保存していたバックアップイメージから隠しパーティションをSSD最後尾に復元、その後BIOSセットアップに入りBoot Boosterを「Enable」にすれば完了。ここまで終わり、認証を済ませたこの状態をTrueImageでバックアップしておけば、いつでもクリーンな状態が簡単に復元できます。今後は面倒な手順やドライバ&アプリのインストールをしなくても、いつでもこの状態に復元できます。Intelのマザーボードにもオマケとしてバンドルされるくらいのソフトですから、一つ持っていて損はありません。優秀なバックアップソフトです。
このSSDを使うと、バックアップの時間すらも早くなります。バックアップに時間がかかってしまうと、どうしても億劫になってしまうので非常にありがたい効能です。

(あとがき)
今回は、AsusがWindows7用のドライバ&ユーティリティを提供してくれていたので構築は非常に楽でした。
ネットブックをお持ちで、Windows7用のドライバが提供されていない機種の方も多くいらっしゃると思いますが、XP用のドライバが提供されていれば試してみるのもいいかもしれません。ダメモトになりますが、「デバイスマネージャ」から手動で指定してやるとインストールされるドライバも結構あります。今回のEee-PC 1000HEも、RC版の頃はWindows7用のドライバなどありませんでしたから、そうやってXP用のドライバを使っていました。

2.5インチストレージ内蔵のネットブックをお持ちの方は、是非SSDに換装してWindows7を入れてみてほしいと思います。Atomの非力さを補ってくれる、強い味方です。
価格に見合うだけの性能を有しており、ハイエンドからAtom搭載のネットブックまで幅広くその性能を発揮できる素晴らしい物です。

37人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (17)

  • 稲蔵さん

    2010/06/10

    一応、追加としてベンチマークを載せておきます。
    チップセットの都合上、性能はかなり抑えられていますが快適であることには変わりありません。
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