およそマウスらしからぬくさび形のスタイル、ホイールのないタッチマウス、青色LEDを使ったBlueTrack...
このスタイリッシュなマウスをスレートPC、ONKYO TW3A-A31C77H
とともに使ってみよう。まず“Microsoft Wedge Touch Mouse”とはどのようなマウスなのだろうか。機能的な特徴としては
・Bluetoothワイヤレス接続
・青色LEDを使ったBlueTrack Technology採用
・横スクロールも可能なタッチスクロール
ということがあげられる。
Bluetoothは遮蔽物があっても接続可能、一つの送受信機でキーボードやマウスはもちろん、ヘッドセットやプリンタまでつなげられる通信規格。そのため、もちろんデスクトップPCでも有用なのだが、ノートPCや携帯電話等のモバイル系情報端末で採用が増えている。
青色LEDを使ったマウスは最近各社から発売されているが、その元祖Microsoftのものはその技術を“BlueTrack Technology”という。従来型の赤色LEDはもちろん、レーザーマウスでさえ苦手とする透明プラスチック面などとも反応する、接地面の素材を比較的選ばないトラッキング方式だ。
またこのマウスは近年のマウスではほぼ標準装備となっている「ホイール」がない。代わりにマウス上面がタッチセンサーになっており、上下方向のスクロールはもちろん、左右のスクロールもできる(横スクロールは制御ソフト“Mouse and Keyboard Center”の導入が必要)。
またデザインも特徴的だ。
・その名(Wedge)の通りくさび型のスタイリッシュなシェイプ
・薄く、短く、幅広いという他にあまり見られない小型のデザイン
・タッチスクロールがあるためホイールレス、左右のボタンも分離していない。マウスとしては小ぶりな方に属するLOGICOOLのワイヤレスマウスM515RD(縦×横×高さ:104.7×59.4×38.5mm)と比べると長さと高さが約半分、幅がほぼ変わらずと言う形状。なお、横スクロールの使用やボタンの割り当て変更に用いるソフト“Mouse and Keyboard Center”がWindows 7以上。こういった特徴から、携帯してBluetoothを装備したWindowsタブレット(スレートPC)に使う、というのが最も適しているか。
現在cybercatが所持するスレートPC、ONKYO TW3A-A31C77HはOSとしてWindows 7 Home Premium 32ビット版 SP1を採用、Bluetooth(Bluetooth Ver.3.0 + HS)標準搭載と、まさにこのマウスにうってつけの機体だ。スレートPCで基本的な操作がタッチパネルでできるとは言っても、アプリケーション側はまだキーボードとマウスの使用を前提にした設計。特にウインドウの大きさの調整などはタッチパネルではかなりやりづらい。そのためいつも超小型Bluetoothマウスを持ち歩いている。そのレーザー式Bluetoothマウス、iBUFFALO BSMLB06NSV
は、当時「小さいこと」を主眼に選んだマウス。縦×横×高さ:75×40×H29mmとWedge Touch Mouse(同54×61×22mm)と比べても長さこそ1.5倍あるが、幅は逆に2/3程度でボリューム感としては大差ないコンパクトさだ。ただ、一般的なホイール形式で通常型のマウスをそのまま小さくしたフォルムの BSMLB06NSVは、幅も狭いのでつまみ持ちの時に手の幅を狭めて持つ必要がある。指の太いヒトには本品“Wedge Touch Mouse”の方が操作しやすいかも知れない。さらに高さが低く、ホイールが飛び出ていない、ということは持ち運び時に鞄のスキマに突っ込む際もあまり神経質になる必要がない、と言うことでもある。では実際にセッティングしてみよう。スレートPCONKYO TW3A-A31C77HはBluetooth内蔵なので、“Wedge Touch Mouse”の電源/コネクトボタンを長押しする。するとマウス後端のMicrosoftロゴの後ろが周期的に赤→消灯→緑→消灯と光るのでこの間にスレートPCの「スタート」 ボタンをタップして、「スタート」 メニューから 「デバイスとプリンター」 をタップ。さらに「デバイスの追加」で“Wedge Touch Mouse”を見つけてタップ、「次へ」をタップすると自動的にペアリングされる。その後「Microsoft マウス キーボード センター」がインストールされてボタンなどの詳細設定ができるようになる。また標準設定で、「水平/垂直フリック」が有効になるため、高速スクロールが有効になる。これは多くのスレート(タブレット)PCのように、デスクトップPC用ディスプレイに比べて解像度が低い場合大変有用だ。
一般的なホイールマウスであるiBUFFALO BSMLB06NSVでは縦スクロールは小径のホイールでのスクロール、横スクロールはチルトがないため横スクロールバーのノブを掴んで移動となるが、これが横方向のフリックで高速に行われるのは大変使い勝手が良い。
ただ、ホイールと違って、感性的にはフリックの方向がどちらか判りづらいような気がした。また縦スクロールはホイールのように指の腹でこするのではなく、ツメで弾くようにした方が大きくスクロールした(止めたい時にはマウスをタップ)。今度は最新のOS、Windows 8で使用してみる。2012年9月末現在、まだ一般向けにはWindows 8は供給されていないので、90日限定評価版「Windows 8 evaluation for developers」
を用いて評価した。「設定」チャームで「PC設定の変更」を開き、デバイスの追加を押した後、マウスのコネクトボタンを押すとあっけなく認識。ペアリング終了。7同様にフリックによって高速にスクロールができるのは快感だった。今回Microsoftの最新Bluetoothマウス、“Wedge Touch Mouse”を使用する機会を得た。Windows 7および8との高い親和性とフリックによる気持ちよい高速スクロールはWindowsタブレットにおいてさらなる効率性を提供してくれるものだった。
コンパクトで携帯性にも優れたスタイリッシュなマウスだったが、次期マウスが出る時に二点改善・改良を望みたいポイントがある。
・縦スクロールの感度が横スクロールに比べてシビアすぎる点を改善すること。
・広い操作面を活かして斜めスクロールやピンチイン/ピンチアウトなどスレート(タブレット)PCで使われるゼスチャへの対応を強化すること。
これらが備われば、キーボード+マウス操作主体のWindows 7までの旧来の流れと、タッチパネル主体のWindows 8から始まる新しい流れの両方に対応できる、最高のモバイルマウスとなり得ると感じた。
末筆とはなりましたが、今回このような機会を与えてくださった日本マイクロソフト株式会社様及びzigsow事務局様に御礼申し上げます。またレビューアップまでの応援など常に支えとなってくれたおものだちの皆様はじめzigsowerの方々に感謝いたします。
ありがとうございました。【仕様】
寸法 (縦×横×高さ):約 54×61×22 (mm)
重さ:バッテリなし 約 42 g、バッテリあり 約 65 g
読み取り方式:BlueTrack テクノロジ
解像度:1000 dpi
接続方式:Bluetooth 3.0
電波受信範囲:10 m
必要バッテリー:単 3 アルカリ乾電池 1 本
動作持続時間:約 4 か月
対応OS:Windows 8、Windows RT、Windows 7、Mac OS X 10.6~10.7
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