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オリジナルクーラー搭載RADEON HD 7770のOCモデルを試す

zigsowプレミアムレビュー「GIGABYTE 板祭りReturns Vol.02」にて”GIGABYTE GV-R777OC-1GD”をお借りすることになりました。関係者の皆様にご選考頂きました事をこの場をお借りして御礼申し上げます。

RADEON HD 7770はミドルレンジの製品の中でもワットパフォーマンスに優れているので発売当初から気になっていました。GIGABYTE製GPUな何枚か所有していますがオリジナルクーラー搭載製品を使用するのは今回が初めてです。早速検証してみたいと思います!


GIGABYTE 板祭りリターンズ Vol.02”GIGABYTE GA-Z77X-UD5H”のレビューはこちらです。


<検証に使用したPCパーツ一覧>
・CPU:Intel Corei7-2600K
・CPUクーラー:Thermalright TRue Black 120 PLUS (Frio付属のファンx2)
・マザー:GIGABYTE GA-Z77X-UD5H (GIGABYTE 板祭りReturns Vol.02)
・GPU:GIGABYTE GV-R777OC-1GD (GIGABYTE 板祭りReturns Vol.02)
・HDD:Intel SSD 510 120GB
・メモリ:GeIL DDR3-1750 16GB (4GBx4枚)
・ODD: LITEON IHAS120-27
・電源:SCHWARZBERG RPSB-600P (600W)
・PCケース:Antec Nine Hundred Two
・OS:Windows 7 Home Premium 64bit



GIGABYTE GV-R777OC-1GDは28nmプロセスで製造されたGCNアーキテクチャを採用したAMD RADEON HD 7770を搭載したミドルレンジのGPUです。

RADEON HD 7770はHD 7700[シリーズの上位モデルでコアクロックは定格で1,000MHz、メモリクロックは1,125MHz(4,500MHz相当)ですが、オーバークロック仕様のGV-R777OC-1GDはコア 1,100MHz/メモリ 1,250MHz(5,000MHz相当)まで高められています。

PCI-E補助電源コネクタは6pinx1で推奨電源は80Plus認定の420W以上となっています。


GV-R777OC-1GDはギガバイトオリジナルデザインのGPUクーラーを搭載。
リテールクーラーより大型の10cmファンを搭載することで冷却性能向上と静穏性が高められています。


<付属品>
” 説明書、ドライバーCD、ペリフェラル>PCI-E 6pin補助電源コネクタ変換ケーブル”

説明書はマルチランゲージの簡易的なクイックガイドです。



オリジナルクーラーは2スロット占有タイプです。ブラケット部分はスリットが設けられていますがファンカバーはヒートシンクに固定された簡易的な物でエアフローに有利な外排気レイアウトではありません。

内排気ですが発熱の少ない28nmプロセスのミドルレンジGPUのため問題ないと思います。


メモリは片面実装で裏側はスッキリしています。


モニター出力は”DVI-I(1)、HDMI(1)、Mini DisplayPort(2)”
各ポートには防塵用キャップがはめられています。





Easy BoostはGIGABYTE製のGPU用OCツールです。
GPUのコアクロック、メモリークロックなどの調整と各種ステータスのモニタリングに対応。

GV-R777OC-1GDの場合、GPUクロックとメモリクロックは問題なく変更可能ですがFanControlの数値を変更するとCPUファンの速度が変更されてしまいます。ファンの回転数はコントロール不可能又はEasy Boostが対応していないようです。


●オーバークロックに挑戦!
Easy Boostを使用してRADEON HD 7770(GV-R777OC-1GD)のOC耐性を検証してみました。OC耐性の検証についてはFF14ベンチマークのLowとHIを連続動作させて通過できるかで判断しています。

<GV-R777OC-1GD>
・コア 1,150MHz/メモリ 1,250MHz:○
・コア 1,200MHz/メモリ 1,250MHz:×

はじめはコアクロックから限界値を探っていきます。
元から100MHzOCされているので余裕は少なく最高で1150MHzでした。

<GV-R777OC-1GD>
・コア 1,150MHz/メモリ 1,300MHz:○
・コア 1,150MHz/メモリ 1,350MHz:○
・コア 1,150MHz/メモリ 1,450MHz:○
・コア 1,150MHz/メモリ 1,500MHz:○

続いてメモリのクロックの限界を探ります。
50MHzづつ上げていくと・・・Easy Boostで設定可能な1,500MHz(6,000MHz相当)で動作可能でした。


搭載されているメモリチップはヒートシンクで隠れているため型番を確認することはできません。何MHz動作品が搭載されているのかは不明ですがRADEON HD 7770の定格クロックは1,125MHz(4,500MHz)ですから素晴らしいOC耐性と言えます。

オーバークロックに関しては故障する危険性もあるのでお勧めすることはできませんが、性能を底上げできる余裕があることは確認できました。

*GV-R777OC-1GDのオーバークロックを試す場合は自己責任でお願いします。


GA-Z77X-UD5HのレビューでLicid Universal MVPを含めて紹介する予定なので、GPUの紹介では定格動作とOC時の2パターンと比較用にGeForce GTX 560 Tiのスコアをまとめてみました。


●3DMark Vantage
主にGPU性能が重要なDX10世代のベンチマークソフトです。

スコアはなかなか良好でアッパーミドルクラスのGeForceGTX 560 Tiに迫る勢いです。重いと言われていた3DMark VantageがミドルレンジのGPUで快適に動作しているのですからGPUの進化は目を見張る物があります。

●FF14ベンチマーク(ファイナルファンタジー14ベンチマーク)
CPUとGPU両方の性能を必要とするDX10世代の国産ベンチマークソフトです。

低解像度のLowモードではGeForceGTX 560 Tiに迫る勢いですが、高解像度のHiモードではミドルレンジGPU相応のスコアに落ち込んでいます。一世代前のアッパーミドルクラスの性能は持っているようです。

●FF11ベンチマーク3(ファイナルファンタジー11ベンチマーク3)
負荷率の軽いDX9(DX8)世代のベンチマークソフトです。

スコアはHiとLow共に良好でハイエンドGPUに追いついています。負荷率の軽いDX8/9世代のゲームなら高負荷設定でも快適にプレイ出来るはずです。

●OCについて
メモリクロックは高めですがバス幅は128bitとミドルレンジGPU相応のため、メモリクロックをOCすることで帯域が増しスコアもそれなりに上昇しています。OCの安全性については何とも言えませんが効果は意外と大きいようです。


GV-R777OC-1GDの消費電力をまとめてみました。
比較用にGeForceGTX 560Tiの消費電力を追加しました。

消費電力計測にはサンワサプライ ワットチェッカープラスを使用しています。



アイドル時は61Wと外部GPUを取りつけた状態としてはかなり低い値です。
3Dベンチマーク動作中は最大166W。OCした状態では177Wでした。

Fermiアーキテクチャの中では比較的ワットパフォーマンスに優れていると言われているGeForce GTX 560 Tiとの差は歴然です。負荷時に77Wも差が開いています。性能では劣りますがワットパフォーマンスはかなり優れています。

グラフには載せてませんがiGPUのみのアイドル時の消費電力は50WなのでGV-R777OC-1GDのアイドル時の消費電力を単純計算で11Wと仮定すると、負荷時の消費電力は116W(OC時は127W)といったところでしょうか。

PCI-E補助電源コネクタ6pin(75W供給)が設置されているのでGPUへの電力供給は150Wまで問題ないのでコア1150Mhz/メモリ1500MHzにOCした状態でも許容範囲内です。


GV-R777OC-1GDのオリジナルクーラーの性能を確認するためGPU-Zを使用してGPUコア温度を確認してみました。室温は約24度です。比較用にGeForce GTX 560 Tiのデータを追加しました。

●GIGABYTE GV-R777OC-1GD (OC & 定格)

アイドル時は”コア 300MHz/メモリ 150MHz(600MHz相当)”までダウンクロックして消費電力を抑えています。GPU温度は30度とかなり低いのが印象的です。

●GIGABYTE GV-R777OC-1GD (定格)

こちらは3Dベンチを回して高負荷がかかっている状態です。

クロックは”コア 1,100MHz/メモリ 1250MHz(5,000MHz相当)”まで上昇。
コア温度は最大で58度まで確認できました。

ファンの回転数は低いままですので負荷がかかっても非常に静かです。
(ファンの回転数は固定のようでモニタリングできません。)

●GIGABYTE GV-R777OC-1GD (OC)

こいちらはオーバークロック状態で高負荷がかかっている状態です。

GPUコア温度は63度まで上昇。定格と比べると5度上昇しています。

●ZOTAC GeForce GTX 560 Ti (定格)

こちらは比較用のGeForce GTX 560 Tiです。

負荷時の温度は68度と高めでファンの回転数は2160rpmと爆音とまではいきませんがファンノイズが気になります。静穏性ではGV-R777OC-1GDが数段上です。





●しばらく放置するとブラックアウトして復帰できない
OSの省電力機能でモニターの電源オフになった状態から復帰させると高確率でブラックアウトしてしまいます。この状態では負荷がかかっているようで消費電力も100W近くに上昇していました。

<対策>
原因はマザーボードではなくGV-R777OC-1GDのVGA BIOSの不具合でした。
メーカーサイトに不具合対策済みのVGA BIOS F4が公開されています。
(ファイルの中にフラッシュソフトも同梱されています。)

BIOSの更新はWindows上から行えます。更新作業は3~5分くらい掛りますので途中で電源を切らないように注意してください。コンフィグ設定でモニターオフまでの時間を短く設定している場合は途中でブラックアウトするとGPUが故障してしまうので、作業を行う前に電源を切らない設定にするかオフになるまでの時間を長めに変更してからBIOS更新することをお勧めします。





オリジナルクーラーについては搭載する10cmファンは負荷をかけた状態でも回転数が固定のようでファンノイズは気になることはありません。かなり静かです。

GPUコア温度は検証中最大58度(室温24度前後)と低回転ファンでも標準的な温度に収まっているようです。オリジナルクーラーは静穏よりの設定ですが冷却却性能・静穏性のバランスが優れています。

3D性能についてはミドルレンジのGPUですから限界性能は高くありません。それでもミドルレンジの製品でRADEON HDシリーズのHD 5850やHD 6850あたりと同程度の性能を少ない消費電力で実現しているのは凄いです。

3D性能ではなくワットパフォーマンスを追及したモデルですので最新のハイクオリティなゲームを最高画質設定で楽しむという用途には向きませんが、軽めのゲームなら十分な性能と言えます。

バランスのとれた手ごろな価格帯のGPUとしてお勧めします。


<2012/05/04>
・”トラブルと気になった点について”を追記しました。
・ブラックアウトの原因調査時に取り付けたGeForce GTX 560 Tiの検証結果を比較用として追加しました。

<2012/05/06>
・グラフ内のグラフィックカードのスペック表記ミスを修正しました。

コメント (10)

  • bibirikotetuさん

    2012/04/30

    レビューお疲れ様でした~

    けっこうエコなVGAっぽいですね。
    FFXIVにしても普通に遊ぶなら十分な性能っぽい。
    夏場の暑さ・省エネ対策にもいいのかなwww
  • Sheltieさん

    2012/04/30

    ●bibirikotetu さんへ
    ありがとうございます。

    これから夏本番を迎えるとハイエンドGPUの廃熱がきになりますよね。ゲーマーに人気のアッパーミドルクラスのGeForce GTX 560 Tiと比べると性能では一段劣りますが3D性能も意外と高くワットパフォーマンスは非常に良好なので夏場用GPUとして良さそうですね。
  • ネイエフさん

    2012/04/30

    レビューお疲れ様でした

    7770もやはりワットパフォーマンスがすばらしいですね
    この消費電力でこの性能なら文句なしでしょう
    さらにOC耐性もすばらしくOCしても消費電力がそれほど増えないのもいいですね
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