FIAT500 1.4pop 最初期型モデルです。
実弟の所有車ですが、スペアキーは私の手元にあり、しばしば私も息子も借り受けて使わせてもらっております。
かつてはこの500とAlfa Romeo155。 2台のイタリア車が手元にあったのですが、今はBMW116との独伊車連合です。
人の感覚は不思議なもので、ALFAと乗り換えていた時の印象と、BMWの今とは全く違う印象を持っております。
そのあたりと、初期モデルなら50万円を切る価格が付いている500のバイヤーズガイドとしてのレビューを書かせてください。
このウィンドウグラフィックを見てください。
現在の標準的な傾斜を持つフロントスクリーンの様子が見て取れます。
クラシックな三角窓は見えません。 車種は?
斜め前から見たFIAT500です。 この角度から見ると、コロンとしたフォルムはオリジナルの500を彷彿とさせます。 ボンネット下に横置きエンジンを持つFWD車ですが、オリジナルはリアエンジン車です。上手くグリルを隠すことにより、その時代の雰囲気を伝えているグッドデザインではないでしょうか?
これは、友人の所有するオリジナルアバルト595です。
並べて比較すると、かなり違うのですが、現在の500は「ルパンの500」を現代にフィットさせながら、その雰囲気を最大限伝えることに成功した、稀有なデザイン力を備えていると感じてます。
トランスミッションは旧式のデュアロジックというシングルクラッチ方式ですし、エンジンも時代にそぐわない高回転型の1.4・4気筒モデルですが、合計7つのエアバッグを備え、厳しいEUの安全基準に合致しています。
運転席・助手席・フロントシートX2 サイドX2 膝X1で7つ
内装はボディ色を反映するパネルが貼られているポップなものです。
革巻きステアリングホイールの質感は価格を超えたものです。
人の手に触れる部分を大切にするイタリア車は、ここに居ます。
ドアに備わるレリースレバーがロックボタンを兼ねています。
引くとドアが開き、押し込んで赤色が出た状態がロック完了。
故障を気にせず、旧車の雰囲気を味わうことができる、お洒落なコンパクトカーとして
当初の予想を上回る売れ行きで現在に至ります。
ハイオク仕様で燃費はほどほど 小回りは見た目ほどでは無い 4人乗り 荷室は最小限 ぴょこぴょこする乗り心地
高回転型100psエンジンと5段デュアロジックの組み合わせは、100キロ巡航時に3千回転弱を要求するため、リッターあたり18キロ止まり、市内走行で12キロほどの実用燃費です。
しかしハイオク指定なので、レギュラー仕様車比ではマイナス2割り程度に換算すべきでしょう。
車幅は1,625ミリと小さいのですが、その分タイヤハウスも小さいので、1.2と1.4では最小回転半径が異なります。 なりは小さいのに、小回りは苦手です。
現行車はタイヤサイズが小さいので、4.7mを確保しているようです。
後席は2人がけ。 これは対衝突安全性能試験において、搭乗者同士がぶつかってしまい怪我が大きくなるのを嫌った為と聞きました。
本来は2人分のヘッドレストが付きますが、ウチの車は展示用として100台の先行輸入分として各ディーラーに振り分けられた初期ロットのウチの1台ですので、それが備わりません。
また分割可倒も出来ないトホホ仕様でございます。
荷室下にはスペアタイヤの備えはなく、パンク修理キットがぽつんとありますが、現行車はテンパータイヤが備わるようです。 荷室容量は185Lと軽自動車並みで、後席を倒すことでなんとか550Lに増えます。 少家族なら十分な量かもしれません。
ちょっとした工夫。 助手席クッションの下は、パンプスとドライビングシューズを交換する時のクローゼットとして利用できます。
乗り心地は、絶え間ない改良が加えられていると思うのですが、初期ロットのこれはぴょこぴょことした上下動が絶えません。 その割に高速道路上ではしっかりとした乗り味に移行します。
友人が1.2ラウンジ仕様にKONI社製のリプレイスダンパーを仕込んだのですが、それは大正解。
KONIブランドから想像する、スポーツ走行に振った乗り味とは異なり、全速度域で「上質」な乗り心地を実現していました。
中古500を入手なさり、もし足回りに手を入れるなら、KONIの名を憶えておいてくださいね。
気になる故障は?
昔のイタリア(Alfa Romeo)車を買うことは、錆を買うことと同義だと云う時代もありました。
流石に錆びたりしませんよ。
塗装の厚みは、ドイツ車に遠く及ばず、日本車よりも薄いようですが、独特の色目は魅力です。
椅子は小ぶりながら、ある程度の長距離にも絶えますし、なにより見た目がよろしい。
ステアリングの革といい、手に触れるところの質感は同価格帯のどれより優れているといって良いかもしれません。(BMW116より数段良い皮だと思ってます)
2008年の春に1年落ちの展示車を購入してから、既に7年以上が経過してます。
その間の故障を思い出しますと、、。
2年目のお正月に、交差点の先頭で突然ギアがスティックし、どうしようもなくなりました。
ニュートラルにすることも出来なかったので、押すことも出来ません。
JAFに連絡すると、とりあえず警察を呼んで交通整理をお願いし、自分の到着を待ってほしいと。
数人のお巡りさんが、「取説は見たか?」「押せへんのか?」
インフォメーションディスプレイに流れる文字を見つけた人が居ましたが、それが英語であることに気づくと、見なかったフリに、、、。
警官だけではなく、そこを通りかかった全ての方にご迷惑をかけてしまいました、スミマセン。
確か1月2日でしたので、ディーラーではなくお付き合いのある近所のモータースへレッカー移動。
結局デュアロジックを管理するヒューズ切れでした。
インパネには見慣れないマークが光っていたんですが、てっきりそれはリアハッチ半ドアの警告灯が誤作動しているのだと勘違いしていたんです。
よく見ると、縦置きミッションを形どったマークなんですね。
右上の5角型・斜めに棒が生えているマークがそれ。 おそらくFR車と共用かな。
これはクレーム処理で対応してもらえました。 以後ヒューズボックスの位置を再確認してます。
次はサイドブレーキレバーのノッチが不確かになり、かなり上まで引き上げないとロックできなくなりました。 実費で部品交換しました。
新しい部品とダメになった部品を比べてみると、明らかに歯車の歯の部分の凹凸に違いがありました。初期ロット以降の出荷分では同じようなトラブルは出ない推測できます。数千円の出費。
最も最近のトラブルは、パワーウインドウ。 動きが悪くなりましたので、修理を依頼すると左右とも交換するように促されました。
小型車ですがドアが大きく、それに伴い窓も重たいのでモーターに負担がかかるようです。
同じトラブルが友人の1.2にも出ていますので、要注意部分でしょう。
ウチの500は7年以上経過しながら2万キロに満たない低走行車ですので、エンジントラブルとは無縁です。 しかし、同形式のFIREエンジンを搭載していたFIAT PUNTOに乗っていた友人の場合は、エンジンストールが頻発する症状が出ていました。 原因はなんと点火ケーブルという原始的なものです。 いまのところ一切その徴候はありませんが、万が一のトラブルの可能性のひとつとして書き留めておきます。
ボディのやれ感、椅子の破れや疲弊感、駆動系、懸架系など、基本設計は丈夫なようです。
前述のデュアロジック系のトラブルも、MTを選択していれば避けられたでしょうし、ほんとの初期ロットモデルが起こしたトラブルがこれだけで済んでいるなら、まぁ及第点ではないでしょうか?
消耗品として交換したのは油脂類を除けば、バッテリーを一度だけです。
交換用バッテリーは、2万円弱でした。
あとヘッドライトバルブを中華製HIDキットに換装しています。
工賃込みで2万円もしない製品でしたが、4年以上を経て球切れを含めてノートラブルです。
因みに500は2灯式だとお思いの方が多いと思うのですが、実は4灯式なんですよ。
ヘッドライトはロービームだけを担当し、下にあるポジションランプの様な出で立ちの楕円が
独立したハイビームなんです。
因みにポジションランプに相当するものは無く、ヘッドライトスイッチはオンオフの2段階切り替えです。
人の感覚、感じ方って不思議です
500とアルファを同時に所有していた時に感じていたのは
「500って、なんだか大雑把な車やな。 音も煩いし、遅いし、ハンドルの切れ方もボンヤリしているし。」だったんです。
でもアルファと別れて、代わりに来た独車BMW116と比べると、
「なんだか良いなぁ〜この500」に変化しました。
同じ伊車同士で比べると、良さより物足りなさが目立つんですが、
全然違うテイストの独車と比べると、煩さは元気の良さに、物足りなさは、力を目一杯使う健気さに昇華しました。
ステアリングの皮のしっとり感も、独車と比べて初めて気づく良さだったかもしれません。
普段はモノトーンのスーツで過ごしている人が、休暇に派手なシャツで気分を変える気持ちが
ちょっとだけ判るような気がしました。
気に入ったら、即買いです
写真は、FCA(フィアット・クライスラー・アルファ)京都5条が毎年主催している
チャオイタリアの様子。 ローカルなミーティングと思いきや全国からイタリア車が亀岡の丹波ワイナリーに集結します。
新型だけでなくルパンの500も永く愛されれた個体がたくさん集結します。
このようなミーティングに参加する楽しみもあるのですが、普段の生活に溶け込む形で実用的に使えるのがフィアット車の良さだと思います。
車のメカにはとんと興味の無い弟が世話していても、これだけほぼノートラブルで車齢を重ねることができるのですから、そろそろ50万円以下で入手可能なユーズド500も、もちろん発売当初より買いやすくなった新車も、皆さんの普段の生活に彩りを添えてくれる相棒として オススメできます。
因みに車検は、近所の個人経営のモータースで、ビッツやマーチと変わらない価格で済ませています。
全然問題ありませんよ。
デザインがお好きなら、ちょっと乗ってみて気に入ったら、即買いです。
きっと満足できます。
購入価格はおおよそのもの。 新古車ですので、コミコミでこれくらいでした。
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購入金額
1,900,000円
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購入日
2008年03月頃
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購入場所
アレーゼ京都(FCA京都5条)
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