レビューメディア「ジグソー」

ストーリーはそのままにゲームシステムを現代化

シリーズ開始から20年以上経過して、今なおシリーズの完結が見えてこない日本ファルコムのストーリーRPG、「英雄伝説 軌跡シリーズ」。シリーズのスタートは2004年にWindows向けとして発表された「英雄伝説VI 空の軌跡」でした。

 

これは元々「ドラゴンスレイヤー6 英雄伝説」としてスタートした「英雄伝説」シリーズに分類されていて、各作品の舞台名から1,2作目が「イセルハーサ」シリーズ、3,4,5作目が「ガガーブ トリロジー」と大別され、そこから世界観や設定を一新して開始された6作目であったことから「英雄伝説VI 空の軌跡」と命名されたものです。

 

しかし本作以降はゲーム1本で1つのストーリーが完結しないことが常態化してしまい、英雄伝説シリーズのナンバリングは廃止されてしまいました。日本ファルコムのもう1つの看板シリーズ「イース」ではナンバリングは継続されていますが。

 

ちなみにゲームの実行ファイル名等で判断する限り、英雄伝説VIIは「零の軌跡」、英雄伝説VIIIは「閃の軌跡」が該当するようですが、「黎の軌跡」が英雄伝説IXに該当するのかは手がかりがなく判断できません。「閃の軌跡」と「黎の軌跡」の橋渡しとなった「創の軌跡」は、「閃の軌跡」と同様に英雄伝説VIIIの扱いとなっていますが。ちなみにWikipediaでは普通に英雄伝説IXが「黎の軌跡」、英雄伝説Xが「界の軌跡」と表記されています。

 

それはさておき、シリーズ開始当初はPCゲームに主軸を置くメーカーであった日本ファルコムも、時代の流れ(に加えてPCゲームで横行していた不正コピーを嫌って)でPlayStationシリーズを中心とするコンシューマーゲームメーカーへと変わってしまいました。それに伴いゲームの設計もコンシューマーゲーム機に最適化されるようになり、Windows PC向けであった「空の軌跡」計3作はあらゆる意味での古さが目立つようになっていました。

 

 

 

 

 

▲Windows版「英雄伝説VI 空の軌跡」
▲Windows版「英雄伝説VI 空の軌跡」

 

 

 

 

上は「英雄伝説VI 空の軌跡」のゲーム画面ですが、グラフィック自体もまだMS-DOS時代のドット絵の影響を色濃く感じさせるものでした。さすがに「軌跡シリーズ」を最初からプレイしたいというユーザーに対してそのまま提供できる水準とはいいがたいものです。

 

それが理由かどうかは定かではありませんが、現在の日本ファルコムのRPGで利用されている「黎の軌跡」で採用されたゲームエンジンに、描写を現代的に改めつつもストーリーはほぼそのままの形で「空の軌跡」を載せる形となったのが、「空の軌跡 the 1st」となります。

 

なお、Steam限定とはいえ、日本ファルコムのゲームとしては久しぶりに自社でPC向けのリリース(これまでのSteam版は海外のゲームパブリッシャーがPC向け移植作業を行っていました)を用意したことになります。コンシューマーゲーム機はPlayStation 5、Nintendo Switch/Switch2向けが用意されています。

 

更新: 2026/08/08
総評

どうしても仕上がりがSwitch向け

以下、あまりネタバレがない程度に紹介していきます。

 

 

 

 

▲タイトル画面。一度クリアしているので初期状態とは異なります
▲タイトル画面。一度クリアしているので初期状態とは異なります

 

 

 

 

キャラクターデザインも大枠は変わっていないものの現代的な絵柄に差し替わっています。ただ、色の塗り方などはいかにもコンシューマー機、それもニンテンドー機を意識した色調で、かつての日本ファルコムのトーンとは明らかに異なります。個人的にはちょっと安っぽいかな、と…。

 

 

 

 

▲主人公のエステルとヨシュア。中央は姉的存在のシェラザード
▲主人公のエステルとヨシュア。中央は姉的存在のシェラザード

 

 

 

人物のグラフィックも、同じエンジンを採用している「黎の軌跡」と比較してもコンシューマーゲーム機感が強いなと思います。

 

 

 

 

▲軌跡シリーズの重要人物オリビエ。最初は怪しい旅行客として登場する
▲軌跡シリーズの重要人物オリビエ。最初は怪しい旅行客として登場する

 

 

 

▲彼の奇行は最初からだった
▲彼の奇行は最初からだった

 

 

 

 

主人公のエステルとヨシュアは義理の兄弟で、父親カシウス・ブライトと同じく遊撃士(ブレイサー)という、民間人を守るために軍隊や警察とは異なる形で組織された、戦闘や交渉などあらゆる活動を高い次元でこなすスペシャリストを目指し、まずは見習い的な立場の準遊撃士となり、正遊撃士を目指して彼らが住む国、リベール王国の各地を旅することでストーリーが進んでいきます。最終的に色々な縁がつながり国家転覆にも繋がる重大事件を中心的な立場で解決するというのが大まかなストーリーです。

 

とはいえそれぞれの描写はあくまで軽妙に描かれ、ある程度コミカルな描写も多く含まれます。

 

 

 

 

▲遊撃士嫌いの群の重鎮モルガン将軍と大人げなく一触即発
▲遊撃士嫌いの軍の重鎮モルガン将軍と大人げなく一触即発に

 

 

 

 

▲名物ともいえるヨシュアの女装
▲本作名物ともいえるヨシュアの女装

 

 

 

 

▲女装を企てた張本人
▲女装を企てた張本人

 

 

 

 

▲各地で遭遇する通信社のカメラマン、ドロシー
▲各地で遭遇する通信社のカメラマン、ドロシー

 

 

 

 

「英雄伝説VI 空の軌跡」は続編「英雄伝説 空の軌跡 Second Chapter」で一応完結しますが、さらに後日談的な「英雄伝説 空の軌跡 the 3rd」もリリースされ三部作という形になっています。ちなみにSecond Chapterのリリース以降は1作目を「英雄伝説 空の軌跡 FC」、2作目を「英雄伝説 空の軌跡 SC」と呼称するようになっています。

 

こちらのリメイクは間もなく「英雄伝説 空の軌跡 SC」のリメイクとなる「空の軌跡 the 2nd」がリリースされ、恐らくシリーズ全体の流れを考え「空の軌跡 the 3rd」も後にリリースされるのでしょう。しかし、ただでさえリソースの乏しい日本ファルコムがリメイクを連発すると、その分新しい作品のリリースが遅れていくことに繋がります。

 

現時点でのシリーズ最新作「界の軌跡」は2024年9月にブツ切りのストーリーで発売され、未だに続編の情報が出てこない状況です。

 

 

 

 

 

 

会社としてはリメイクで手堅く稼ぐ方が良いのでしょうけど、社長自ら「あまり長くお待たせしないように」と言いながら続編まで少なくとも3年(現時点で情報がないということは2026年中のリリースはありません)待たせる企業姿勢については、決して評価できません。

 

「空の軌跡 the 1st」はリメイク作品として各方面から高評価を得ていますが、私は元々コンシューマーゲーム機にほぼ縁がなく、どうもこのグラフィックの色調になじめていません。見ていて妙に疲れるので、あまり一度に長時間プレイできなかったこともあり、ストーリーを全てわかっていながらクリアに3週間以上かかってしまいました。まあ、単純に忙しくてあまりゲームをする時間もなかった訳ですが。

 

「空の軌跡 the 1st」は体験版で発売前にプレイしていたものの、実際に購入したのは初めての値下げがあったセールが始まってからでした。恐らく「空の軌跡 the 2nd」も安くなった買うという程度だと思います。

  • 購入金額

    7,040円

  • 購入日

    2026年07月02日

  • 購入場所

    Steam

5人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (1)

  • かもみーるさん

    23分前

    Switch版の発売頃からFalcomの株価が上昇しており、この上昇はどこまでいくのか見守っております。
    最近なかなかゲームが出来る時間がなくなりましたが、亰都ザナドゥをやってみたいと思いました。

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