コロナ禍のブームに乗って、2年ほどプラモデル制作に取り組んできましたが、自分がバイクに乗るようになって構造を知るのにプラモデルがいいかも、と思ったのが作り始めたきっかけでした。
ただ、自分は作る過程が好きなのであって、飾る場所もそういう欲もない。
作ったことのない構造のものを作ってみたい、という欲だけはあるようです。
というわけで今回は、複葉機の川西の九三式陸上練習機。店頭でパッケージを見て選びました。
通称「赤とんぼ」というこの飛行機は、戦時中の練習機として使われ、終戦時には特攻機としても使われたそうです。大量に作られた飛行機ですが、現存するのはインドネシアの1機だけだとか。
終戦記念日を前に、そんな歴史を知るきっかけにもなりました。
今回のレビューのポイントは、
・複葉機の固定はできるか
・筆塗りで調色して塗ってみる
など。
予想通り難儀でした…
いつものマイクロエースクオリティ(悪い意味じゃなく)
今回のモデルは、何度か作ってきたクルマの「オーナーズ」シリーズと同じマイクロエースの1/72 大戦機シリーズという定番モデルです。パッケージにはシリーズすべてが載っており、サイドの番号で中身が変わります。
マイクロエースと言っても、1/48サイズはしっかりしていますが、この1/72スケールはかなり小さめでディテールも大味。ですがそれが悪いわけではなくて、自分にとっては失敗してもいいやの精神で作れますし、自分が手を入れなければならないという点で「作ってる感」が感じられて、完成度の高いモデルよりも(下手なりに)やりがいはあるんですよね。1000円以下ですし。
なかには、ここからいかに仕上げるかを追求してる方たちもいて、その方たちの作例はもうとんでもないレベルだったりもします。いつか自分もそういうレベルで作ってみたいと思いつつ…
そんな九七式陸上中型機練習機のランナーはこの3枚。2つの羽をつなげる細いパーツが結構心配です。
一番ガビガビなのはこの辺。でもこれ、埋まっている小さなパーツを成形するための工夫なんですよね。極小パーツ自体はちゃんと成形されてました。
全体的に細かいバリを整えて仮組みしてみましたが、細かいところのチリのずれなんかも結構ありました。でもシルエットは良さそう。リアルサイズとの差はわかりませんが。
今回のハイライトはなんといっても、上の羽をうまく固定できるか。こういう時って何か治具を作ったりするもんなんですかね? 接着剤と手で固定して無理やりつけてしまいましたが、もう少しスマートなやり方もありそうだなとは思いつつ。
いつもどおりのマイクロエースのクオリティですが、決して悪いわけではなく。想定の範囲内で、細かいところの処理なんかも無心でできて楽しかったです。
浮いてる翼の固定はやっぱ大変
今回のハイライト、上の羽の固定です。
つながっているのは、4つのワイヤーのような部分。羽のパーツは細い線が四角くなっていて、羽に刻まれた溝にはめると意外としっかり固定されます。
ただ、操縦席側は上の羽には溝がありますが、コクピット側は2箇所ずつ触れている場所に点で固定する感じ。これを4つ同時に接着剤で固定しないといけません。
実際、固定するのも大変だし、接着剤で固定され始める時間とかもわからないので、手でしばらく固定してみて、外れてしまって…とかを繰り返してやっとつながりました。
ただ、やはり微妙なズレが出てしまい、少し傾いてしまったのは失敗。自分の中での許容範囲内ではありますが、うーん。
それと、塗装はオレンジと言いつつ、ネットの資料などを見ると意外と黄色よりに感じたので、オレンジに黄色を混ぜてみました。左がオレンジで、真ん中が混ぜたもの。
結果的には少し薄くはなったものの、ベースがオレンジでサーフェイサーなども吹かなかったのであまり変化は出ず。まあここもいいでしょう。
一番の問題はコクピット内側の塗装。良かれと思ってグレーで塗ったら、思ったよりも透けてしまってかなり黒目に。しかもオレンジ塗装をしてもそれが隠しきれません。大失敗…
ごまかしようがないのでかこは諦めです。また、塗装の関係で機体のつなぎめの処理も同時にはできず。手順なども大切ですね。このへんは仕事の下手さとかにもつながっていそうw
挑戦しがいがあるキット。練習には最適
紆余曲折あり、なんとか完成まで漕ぎつけました。失敗ばかりでしたが、充実感は高いかもしれない。
エンジン部分は中央の色塗りで失敗。手塗りはほんとに下手です。
軽く墨入れをして、つや消しを吹いた上にデカール。貼っちゃうとごまかされますね。
でも、デカールが一枚失敗。片側だけ別のデカールをとりあえず貼っておきましたが、こっち側は見ることはないでしょうw
コクピットの透け問題はこんな感じで底面でかなり目立つ結果に。まあまあまあ…
全体のシルエットはそれほど悪くないですね。
というわけで、なんとか完成しました。
いろいろ学ぶことも多いキットでした。サーフェイサー、慎重な固定、デカールの技術、手塗りの細かな精度などは要修行です。
でも、複葉機自体は個人的に好きですし、作った満足感も高め。水上用などもあるので、また試してみたいと思います。
余談ですが、この練習機、終戦間際には特攻機としても使われたそうです。終戦記念日に合わせて作ったわけでも、特別思い入れがある飛行機というわけでもありませんが、なんだかいろいろかんがえるきっかけをくれたキットでもありました。
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購入金額
978円
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購入日
2025年07月18日
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購入場所
ヨドバシカメラ













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