デスクでは「カクノ」を使っているのですが、鞄などの持ち運びには、ぺんてる株式会社の「エナージェル インフリー(ENERGEL infree)」という筆記具を使っています。
いわゆるゲルインキボールペンという筆記具に分類されると思うのですが、なぜ僕が使っているのかを一言で説明するなら、「コピー用紙でもひっかからずに書き込める」からです。
そんなの普通じゃない? と言われるかもですが、意外に普通のボールペンはペン先のボールチップが滑ったりひっかかったりで、かすれずに描くのがわりと難しかったりします。
クリエイティブの業務では、クライアントの打ち合わせ時にカンプ印刷したコピー用紙に注意書きを描き込むことも多く、素早く描けない・伝わらないのはストレスになります。今までいろんなペンを使ってきましたが、このペンだけはトラブルなく描き・書いてこれたので、必然的にこれを使い続けています。
あとは、クリアボディというのも僕的には魅力。
通常タイプだとクリアボディでは無いので、後でリフィル交換するのを前提にこのセットを買うのもメリットありです。
この10本セットは、よく使いそうなカラーをまとめたもので、注意書きなどの使い分けに便利です。
メーカーはクリエイティブ用途を推奨しているようですが、メーカーの売り方なだけなので僕はそこはあんまり気にするところではないかと思います。
ブランド名の「infree」は造語ですが、「in」には内なる自由という意味が込められており、固定観念に縛られず、直感的に思考を展開するためのツールとして設計されています。
「free」はもちろん自由そのもの。つまり、自分の中にある自由を解き放つためのペンという思想が宿っています。
事務的なメモ書きの道具ではなく、ひらめきや感情の流れを紙に定着させるための加速装置として設計されています。そのため、ペン先の滑らかさやインクの速乾性は、思考のテンポを妨げないように最適化されています。
セットは、オレンジ/ピンク/レッド/バーガンディ/ブラック/ラフグレー/ターコイズブルー/ブルー/バイオレット/ブルーブラック、といった内容。
僕は普段からオレンジ色を使うので、正直オレンジだけでも良かったのですが……。
それでも綺麗な色が用意されており、どの色も使ってみたくなります。
染料の粒子が非常に微細で、光の吸収と反射が均一。
これにより、視認性の高い濃密な色彩が得られます。
特にブルーブラックやラフグレーなどは、色彩心理学的にも落ち着きと知性を感じさせるデザインです。発色の鮮明さはかなり評価できます。
使用されている「エナージェルインキ」はゲルインキの一種ですが、ぺんてる独自の改良が加えられた「高機能ゲルインキ」です。
まずゲルインキとは、水を主成分とし(つまり水性)、そこに染料または顔料といった色素とゲル化剤(ポリアクリル酸系ポリマー)を加えて粘度を調整しているものです。水性インクの滑らかさと油性インクの耐久性を融合させた第三のインクとも言える存在で、化学的にも物理的にもユニークな性質を持っており、筆記具の世界に革新をもたらしたものですね。
リフィル内では高粘度のゲル状ですが、筆記時にペン先のボールが回転することで一時的に粘度が下がり、分子レベルで制御された流動性によって、液状化。紙に接すると再びゲル状に戻り、定着すると再び粘度が上がります。これは剪断速度依存性を持つ非ニュートン流体の挙動。にじみにくく速乾性が高いという利点を発揮します。
粘度が変化するのも特徴ですが、発色性が高いという特性もあります。
染料系なら鮮やかで豊かな色彩、顔料系なら耐水性・耐光性に優れ、用途に応じて選択するのも面白いです。
エナージェルインキは、水性染料または顔料をベースに、ぺんてる独自のポリマー配合技術でゲル化されているようです。
その結果、インクの流動性・定着性・発色・速乾性が絶妙なバランスで設計されており、一般的なゲルインキよりも「書く体験」が洗練されているのだと思います。
ペン構造についても妥協が無く、軸素材は高透明性と耐衝撃性を持つプラスチック。ガラスのような光沢と軽量性を両立し、内部のインク色を美しく見せる設計。
クリップ部の金属も耐久性と高級感を演出。ノック機構との連動性も高く、機械的精度が高いです。
ペン先の精密加工されたステンレス製ニードルチップは、インクの流量制御と視認性の両立を実現。
チップ内部の流路設計により、筆圧に応じたインク吐出量の微調整をしており、これはマイクロ流体制御技術に近いデザインだと考えられます。0.5mmでも筆記時のブレが少なく、設計精度の高さが際立ちます。
「色を選ぶ」ことは「自分を選ぶ」こと。
その日の気分や用途に応じて色を選ぶことで、筆記が自己表現の行為になります。
これは、感性と機能を融合させるデザイナーにとって、非常に共鳴する設計思想だと思います。
色彩設計は、単なるカラーバリエーションではなく、「書くこと=語ること」への拡張です。
透明軸の採用は、ペンの内部構造やインクの色を視覚的に感じられる設計になっています。
これは隠し事のない自己開示というコミュニケーションの姿勢を象徴しているようです。
クリアボディの中にはブラックやブルーといった定番色に加え、バーガンディ、ラフグレー、ターコイズブルーなど、感情や状況に応じた表現を可能にする10色が展開されています。
これは、ユーザーの個性や気分を筆跡に反映させるための設計思想です。
軸の重心位置は約52.6%、ペン全長に対してやや高重心に設計されており、ノック式機構とのバランスを最適化。これは回転モーメントと操作性のトレードオフ設計にはなっています。
ノック部の沈み込み量は約4.7mm。
ニードルチップには 0.4mm・0.5mm・0.7mm の選択肢があり、細かい文字や繊細な線を描くことに特化して選べます。これは、思考の粒度に応じたアウトプットを可能にする設計です。
単なる筆記具ではなく「思考と感情の流れを止めない設計」がなされている点で、他ブランドとは一線を画しているのが面白いです。機能性と感性の融合を重視するデザイナーにとって、重宝できるステーショナリーだと思います。
「思考支援ツール」と定義されているのも面白い。
長期使用でも美観を保ちやすい
リフィル交換が簡単で、長く使えます。ノック式構造で、軸を回してリフィルを差し替えるだけ。工具不要。インク漏れが少ない設計になっており、高粘度ゲルインキと精密なニードルチップにより、ペン内部が汚れにくいです。
日常使いにおいて手間なく清潔に保てる設計がなされています。
高機能×低価格 の好バランス
普通の格安ボールペンより高価なのですが、高発色・速乾性・デザイン性を備えたゲルペンとしては破格だと思います。
替芯の価格と性能を考えると、ランニングコストが非常に優秀。
つまり、日常使いでも創作でもコスト以上の価値を感じられる製品だと思います。
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購入金額
1,491円
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購入日
2025年07月21日
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購入場所
文房具店


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