筐体などはほぼ共通ですが、トップカバーのデザインは塗装+印刷だけだったWaveterminal U2Aに対して、本機ではビニール素材でプレート上に貼り付けられる形となっています。私の所有分ではここが色焼けして茶色になってしまい、みすぼらしくなってしまっていますので、この辺りは先代の方がむしろ良かったとは思いますが。
Waveterminal U2Aで最大の弱点となっていたのは、携帯性に優れるコンパクト筐体でありながら、ステレオヘッドフォン出力が可能な端子を持っていなかったという点です。本機では「要望の多かったヘッドフォンアンプを内蔵」と書かれているので私も期待していたのですが、標準フォン端子で構成されているアナログライン出力の左側端子をステレオ化して、ここにヘッドフォンを挿すことでヘッドフォンアンプが機能するというものでした。これはこれで合理的ではあるのですが、この方法ではアナログライン出力とヘッドフォン出力が排他仕様となってしまい、実用面では少々難があるといわざるを得ません。
またWaveterminal U2Aが24bit/48kHzまでのサポートであったのに対して、本機では24bit/96kHzまでの対応となり、所謂ハイレゾ音源にもある程度対応できるようになりました。この辺りは純粋な進化といって良いでしょう。
ただ、肝心の音質については、実は特に進化していません。D/Aコンバーターは96kHzまでの対応品に進化しているはずなのですが、高域方向の解像度や情報量は特に変わっておらず、近いクラスの他社製品と比べると少々水準を割り込んでいるように思います。その反面、低域方向の馬力などはオーディオインターフェースらしい貫禄を持っていて、廉価品サウンドカードとは一線を画していることは事実ですが。
バスドラムやベースは力強く出てくれますので、そのようなサウンドが好きな人には価値のある製品ではないかと思うのですが、弦楽器やヴォーカルなどの質はあまり良くはありませんので、音楽のジャンルや使う人を選ぶ製品であるといえます。
それでも約9cm四方の筐体で、外部電源も必要としないという手軽さは大きなメリットですので、一定の価値は認められる製品といえるでしょう。
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購入金額
7,980円
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購入日
2008年10月頃
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購入場所
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