なんだか恒例になりつつある、ブラックフライデーで少し安くなっているので購入。
今回はどのガンダムシリーズにしようかなぁと考えていたけど、あまり視聴したいものがなかったので、サンダーボルトを選んでみました。
パラレルワールドにしてしまったせいで、他のシリーズの設定や時系列などの繋がりから解放されたメリットはあるのですが、逆に「あの人物がこんなところに」みたいなサプライズが無くなってしまって、あるのは MS のデザインぐらい。でもその新解釈の MS デザインが面白くて、なるほどそうきたか……と唸らされます。
僕は原作派ですが、アニメーションも良いですね。
女の子主人公や学園物など、若い世代をとりにいった本家ガンダムとは違い、本来のガンダムたるシリアスなストーリーは求めていたものでもあります。宇宙世紀の時間軸が埋まりつつある現在、パラレルワールドのガンダムに可能性を見出しても不思議ではないですが。
前作「DECEMBER SKY」でア・バオア・クー戦を生き抜き脱出した後、7カ月が経過した時代。
各地でジオン残党との戦闘を行っているペガサス級強襲揚陸艦「スパルタン」に、新型ガンダム「RX-78AL アトラスガンダム」が着任する。連邦からの独立と宗教国家建設を目論む「南洋同盟」に、連邦軍はスパルタンを含め部隊を派遣するが、同時にジオン残党軍も潜入作戦を行い、三つ巴の戦局になる、というストーリー。
1. 作品概要
「機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER」は、ガンダム正史と少し異なる話であり、一年戦争終結後の混沌とした世界が舞台に人間と戦争の泥沼的な関係性を描くOVA作品です。
本作は、モビルスーツ戦闘に重きを置きながらも、戦争がもたらす苦悩や人間のエゴを哲学的に掘り下げています。独特のジャズミュージックが前作から引き続き採用され、視覚と聴覚の両面で魅了します。
2. ロボット描写と戦闘シーン
本作で特筆すべきは、やはりモビルスーツの存在感です。ジオンと地球連邦それぞれの陣営が繰り出すカスタムモビルスーツは、ただの兵器を超えた美しさと恐怖を兼ね備えています。
- アトラスガンダム: 特殊な機動性を持つアトラスガンダムの戦闘描写が印象的です。スキー板のような「サブレッグ」というスラスターでの水中戦や空中での滑らかな動きは、従来のガンダムシリーズにないアクロバティックな戦闘を実現しています。
サンダーボルト劇中では MS が背中から生えているサブアームにシールドを持たせる設計が基本だったのですが、そこへ「サブレッグ」という脚を持ってきたところにデザインセンスを感じます。 - コアファイター: 運用方法が少し変わっており、コアブロック状態ではコンパクトな格納状態として設計されており、母艦から投下され変形展開してから飛び立つなど、発進ギミックはかなり印象的です。
戦闘シーンは、スピード感と重量感が両立しており、ビームの軌跡や爆発の描写も迫力満点です。特に局所戦闘では、戦略性とパイロットの技量が全面に押し出され、緊張感が絶えません。
基本的に、それぞれの MS がそれぞれの特徴で活躍の場が用意されており、プラモが欲しくなります。グフ・フライトユニット装備型による空中格闘戦、ガンタンクの重い一撃、水中用MSの水中ダンス、などなど。
3. テーマと哲学
この作品では、「戦争の正義」というテーマが深く追及されています。各キャラクターがそれぞれの正義や信念に基づき行動する一方で、戦争そのものの不毛さが重く描かれています。
劇中の1つの作戦行動の中に、それぞれの勢力の思惑があり、交わることは無くても同じ目的で侵攻し、しかし結果は両者異なるという、渋い展開が描かれます。そして、つぎの展開、ストーリーへと進む予感で幕を閉じます。
サンダーボルトのタイトルに込められているのは「破壊と再生」の象徴としての雷鳴で、戦争の無限ループを暗示しているようにも感じられます。
4. 音楽と演出
サンダーボルトシリーズの代名詞とも言えるジャズミュージックは、本作でも健在です。不規則で自由な音楽が、戦争という規律から解放された混沌を体現しています。戦闘シーンでは、ジャズの即興的なリズムが映像の動きと絶妙にシンクロし、まるでライブコンサートを観ているかのような高揚感を味わえます。
ジャズを聴かない人には、不規則なリズムと甘くだるい歌声で BGM にむかないという意見も多いようです。僕もガンダムに歌って踊るような演出は必要ないと思います。
5. 総評
「BANDIT FLOWER」は、ガンダムファンにとって必見の作品です。特にロボットのディテールや戦闘描写に魅了される方には堪らない内容です。戦争の哲学を内包した物語の中で、モビルスーツがどのように使われ、何を象徴するかを深く考えさせられる点でも優れています。
- おすすめポイント: ダイナミックな戦闘シーンと斬新なモビルスーツデザイン
- 注意点: 一部の描写がやや哲学的で重たいと感じるかもしれませんが、それがガンダムらしい深みを生んでいます。
戦闘シーンとロボット描写が好きな方には、間違いなく満足できる内容です。
独特の世界観
一年戦争後の混沌を背景に、人間と戦争の関係を深く掘り下げた作品です。モビルスーツ戦闘のダイナミズムを軸に、戦争の無情さや正義の相対性を描き、破壊と再生を象徴する「雷鳴」のメタファーで戦争の連鎖を暗示しています。自由奔放なジャズ音楽が、戦争の混沌と融合し、視覚・聴覚で戦争の本質を体感させる独自性が特徴です。
次回作はあるか?
原作ストーリーはもっと進んでいますが、売れれば制作されるかも。
原作は長期にわたり作品の価値を保ち、ファンの間で語り継がれる魅力となっています。
価格に見合う満足感
圧倒的な映像美と哲学的なテーマを備えた作品で、価格に見合う満足感を提供します。特にモビルスーツ戦闘の迫力や音楽演出の独自性が高く、ガンダムファンにとってコスト以上の価値を感じられるコスパの高い作品です。
-
購入金額
4,885円
-
購入日
2024年11月30日
-
購入場所
Amazon
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。