レビューメディア「ジグソー」

短期間に連続で壊れたのでストック用に

現在自宅の基幹サーバーとしてWindows Server 2019を動かしているのが、以前掲載したFUJITSU PRIMERGY TX1320 M3です。

 

 

 

 

 

 

上記のレビューで記載した通り、最初の1台は2.5" SAS HDD RAID5仕様(但しHDDは欠品でSAS RAID H/AのMegaRAID EP400のみ)だったのですが微妙に動作が不安定だったということで、もう1台3.5" SATA RAID0/1仕様のものに交換しています。使い勝手の点でもこちらの方がずっと良かったということもありまして…。

 

ただ、その2台目が運用開始から約1年で突然シャットダウンして、再起動してもWindowsの読み込み中に勝手に電源が落ちてしまうという症状を起こしてしまいます。

 

いろいろ原因を追究した結果、怪しいのは電源ユニットらしいということで、最初の1台から電源を移植してみたところ無事動き始めたため、ここで原因は電源と確定します。

 

しかしこれで一安心と思ったのもつかの間、10日ほどで再びシャットダウン症が再発してしまいます。今度も恐らく原因は電源でしょう。

 

ところがこのサーバーの電源は形状も端子も独自仕様のもので、汎用PCパーツや他社製品からの流用が出来ません。仕方なくヤフオクで即納のストアを探して急いで落札し、何とか1日少々のダウンタイムで解決しました。

 

とはいえ、約1年の運用で電源は2本壊れたのは事実であり、代替部品も中古で仕入れている以上耐久性に関して過度な期待は禁物です。

 

実はPRIMERGY TX1320 M3のスペックを確認してみると、電源ユニットは標準搭載が250Wであるものの、HDDの本数を増やした場合などに備えた450Wというオプションが存在しています。耐久性を考えるのであれば余力が大きいこちらを搭載するのが正解でしょう。しかし私が今までに見たことがあるTX1320 M3は全て250W電源を搭載していますし、中古市場でも450Wの方は全くといって良いほど見かけません。

 

私のTX1320 M3はスレッド数重視で、標準搭載のXeon E3-1220V6よりも明らかに電源消費量が多い、Xeon E3-1270V6を搭載していて、3.5インチHDDを2本搭載しているのも負荷になっていたのでしょう。そうなると電源ユニットのグレードアップはほぼ不可能ですから、次善策として考えられるのは壊れたら即交換できるように予備部品をストックしておくこととなります。そこで今度は複数の在庫を用意していた出品ストアから3本買って置いておくことにしました。最初のTX1320 M3の不安定要素も電源起因のような気がしてきましたし。

 

 

更新: 2024/11/14
総評

さすがに250Wでは長期運用時に不安が…

TX1320 M3の標準搭載電源は富士通の型番でCPB09-045Eという部品です。TX1320 M2/M3/M4でこの電源ユニットが標準搭載となっているようです。

 

 

 

 

 

 

 

富士通製PCサーバーでは中国デルタ電子の電源ユニットを搭載しているものが多いのですが、このCPB09-045Eについては中国Chicony Power Technology製のものです。

 

 

 

 

 

 

 

この類の専用設計品で厄介なところは、形状だけではなく電気的にも汎用性のない部品ばかり使われていることで、実際このCPB09-045EもATX24P互換ですらありません。

 

 

 

 

 

 

 

本体に給電するコネクターですが、16P配列で左下は導通していないことから15P電源ということが出来ます。ペリフェラル電源やSATA電源の配線は一切用意されておらず、この電源が接続されるマザーボード上に用意された専用端子から各デバイスへの給電を行います。

 

 

 

 

 

 

 

こちらは恐らく温度等のセンサーの信号を送る端子でしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

形状もTX1320シリーズの筐体に完全に合わせたものとなっていて、他の製品からの流用はほぼ不可能ということがご理解いただけるものと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

恐らくこちらに記載された「D250E015L-FS01-02」という部分がChicony側の型番なのでしょう。なおヤフオク等で販売されている個体のラベルを何種類か確認したところ、CPB09-045EはChicony Power Technology製とHipro Electronics製とが存在しているようです。個人的にはPC-9800時代に意外と優秀だったデルタ電子製が良かったのですが…。ちなみにTX1320の初代モデルとなるM1では形状は近いものの配線に互換性がないCPB09-045Cというユニットが使われていますが、こちらは80PLUS Platinum対応と表記されていて、CPB09-045Eには80PLUSロゴすらないというのもどうかと思います。CPB09-045Cも私が確認した個体はChicony Power Technology製だったのですが…。

 

注)PC-9821系では同一仕様の電源でもデルタ電子製とLITEON製のものとがあり、LITEONの方が故障率が目に見えて高かったのです。

 

もし450W仕様の電源ユニットが入手できればそれに載せ替えれば良いと思うのですが、それが出来ないようであれば壊れたら載せ替えを繰り返すことになりそうです。まあ、極力壊さないように内蔵HDDを減らしたりという対策はすることにしますが。

  • 購入金額

    1,980円

  • 購入日

    2024年11月07日

  • 購入場所

    ヤフオク

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