先日HIDIZS製の同種製品(HIDIZS S8)を紹介しましたが、実は同時にこちらも購入していました。
最近所謂ドングルDACも高価格製品が増えてきまして、高音質で人気のiBasso DC EliteやLUXURY&PRECISION W4などは単体DAPが買えてしまうほどの価格帯でありながら一定の人気を博しています。
しかし個人的にドングルDACにそこまでを求めてもという感覚があり、実売価格3万円台のCayin RU7が実質的な上限かなと考えていますし、実際に自分が買うのであればもっと安い品だけだろうなと思うわけです。何しろ私の鞄には何かしらの単体型DAPが入っていて、ドングルDACが使われるのはかなり限られた機会となると予想できますので…。
先日のHIDIZS S8はその観点でいえば1,210円でケーブルまで全て付いているという意味では文句ない製品でした。ただドングルDACを敢えて使おうと思える音質に達していないことが残念でしたが…。
そこで実売価格約2.5倍となるこちらも試してみようと思ったわけです。低~中価格帯のDAPでコストパフォーマンスに定評あるHiBy製のFC3です。私自身今までにHiBy製品は何度か取り上げていますが、いずれもその価格帯ではトップレベルの音を持つ製品ばかりで、特に10万円以下での完成度は抜群といえるメーカーです。
現在HiByの日本における正規代理店はMixWaveとなっていますが、今回の購入品は旧代理店の飯田ピアノが直販で処分しているデモ機上がりのものを購入しています。
普通に音楽を楽しめる水準
デモ機上がりではありますが、外箱を含めて完品で届きました。
本体は上の写真で見えている一見型番のプレートにしか見えないコンパクトなものです。
本体で操作できるのは音量のみです。USB端子はtype C、音声出力は3.5mmシングルエンドのみとなります。
同梱品は保証書と説明書、そしてUSB type A - type Cケーブル、USB type C - type Cケーブルとなります。HIDIZS S8とは異なりApple Lightningのケーブルは添付されません。
送り出しのDAPはCayin N6ii/E02、イヤフォンはqdc TrESを組み合わせて試聴してみました。ソースは「TOTO IV / TOTO」や「Abbey Road / The Beatles」などを適当に聴きました。
意外だったのは、このクラスの製品でありながら「普通に音楽を聴ける」ということです。勿論よく聴けばレンジが低域方向に浅く高域方向にも頭打ち感があったり、音場も最低限しか展開されないなど限界はあるのですが、大事なのは普段私が使っている、より高度な機器で聴いている音と本質的な傾向に大きな違いが無いということです。
以前のHIDIZS S8は「スマホで直接聴くよりは幾分マシかな」という程度の音にとどまっていたのですが、HiBy FC3はそれこそHiBy R2辺りのローエンドクラスの単体DAPと同じ土俵で勝負できる音に到達しています。まあスマホで送り出した時にはもう少しオーディオ的な水準は落ちると思いますが…。
最初に「Golden Slumbers / The Beatles」を再生した(アルバム名が「Abbey Road」のため最初に表示されたというだけの理由です)のですが、冒頭のポール・マッカートニーのヴォーカルが普段聴いているイメージに近いものだったのです。正直実売価格が1万円に満たない機材から出てくる音とは思えませんでした。
その後しっかりと「TOTO IV」を聴いてみるとオーディオ的に評価した時の弱点は確認できたわけですが、ごく普通に音楽を聴くのに不足のない音が出ているということには素直に驚かされます。しかもイヤフォンがqdc TrESということで、決してどんな機器でも鳴らせるほどの楽なものではありません。
ある程度USBからの送り出し品質が高い機器と組み合わせるという前提は必要ですが、FC3があれば2~3万円クラスの単体DAPは必要ないと思います。HiByのドングルDACとしては最廉価モデルですが、これで上位モデルを聴いたらどうなるのかという興味を持たされるには十分な実力を示してくれました。
ちなみに現時点ではまだ飯田ピアノの直販に残っていて、私が購入した時よりも更に少し安価なデモ機上がりもあるようですので、取り敢えずこの類の品を使ってみたいという方にお薦めです。
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購入金額
2,640円
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購入日
2024年10月20日
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購入場所
飯田ピアノ
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