自分が使うことはまずないと思いつつ、ポータブルオーディオの世界では割合活発なのがドングル型DACという分野です。
以前値段だけに釣られて、若干恥ずかしいデザインのAstell&Kern AK HC2を買ったことはあります。
値段を考えればこんなものだろうとは思うのですが、普段からバッグの中にDAPが当たり前に入っている私のような人間に使う機会はまず無く、数回使った後は箱にしまわれたままとなっています。
しかし、先日HiBy製DAPの革ケースを買っておこうと旧代理店である飯田ピアノの直販を見ていると、デモ機上がりのHidizs製品などが一部激安販売されていることに気付きました。そんな中でも一際安さが目立っていた、Hidizs製ドングルDAC、S8 DAC/AMPをついでに買ってみましたので、今回はそれを紹介します。
デモ機の処分ということで付属品無しで届くかと思っていたのですが、外箱にきちんと入った状態で届きました。
本体も一応ビニールの袋にきちんと入っています。
有難いことにOTGケーブルも欠品無く揃っていました。S8 DAC/AMPは本体側の端子がUSB micro Bメス端子ですので、添付のOTGケーブルも
・USB Type A - micro B
・USB micro B - micro B
・USB Type C - micro B
・Apple Lightning - micro B
と、全てmicro B形状と接続するためのものとなります。OTGケーブル4種類が入っている時点で、S8 DAC/AMPの購入価格の元は十分取れたと感じられますね。
仕様的にはハイレゾWAVは32bit/384KHz、DSDは11.2MHzまでをサポートしていて概ね大体のファイルが再生可能といえます。D/Aコンバーターはアンプ内蔵型であるCirrus Logic CS43131を2基搭載しているようです。
スマホで聴くよりは良い…と思う
本体にはボリューム以外のスイッチは全く存在していません。USBで機器との接続が確立すると自動的に電源がONとなります。
まずは基本的な実力を把握するため、送り出しの品質を一定水準に保つためCayin N6ii/E02に接続してみます。
ちょっと厳しいかもとは思いましたが、イヤフォンはqdc製ハイブリッドモデル、TrESを接続します。
写真にある通り「Night And Day ~Big Band / Chicago」などを聴きます。
第一印象としては取り敢えず聴けるということです。スマホ直挿しでは聴くに堪えないというレベルの音が出てくることもありますが、S8 DAC/AMP経由では音楽として成立する程度には聴けます。
とはいえオーディオ的に見れば、色々と気になる点も出てきます。まずは何といっても低域方向の質・量が共に不足しているということです。結構深い低音が入っているような楽曲を聴いても、取り敢えず低音が出ているということは判るのですが、重量感や深みのようなものは全くありません。Cirrus Logic製DACらしく高域方向はややソフトめながら割合細かく出てきます。ヴォーカルの実在感が不足する点や、シカゴのホーンセクションが全体的に安っぽいということは、そもそもDAC内蔵のヘッドフォンアンプを使っていて電流制限も厳しいと思われる状態で指摘しても仕方ないでしょう。CS43131自体は電流を大量に流してやれば600Ωのヘッドフォンでも音量が取れる程度には鳴るそうですが。
続いてLightningケーブルを使ってiPhone 14 Proに接続してみます。
さすがにこの組み合わせでは「Viva La Vida / David Garrett」を聴いてもヴァイオリンがヴァイオリンの音にちょっと聞こえません。レンジもCayin N6ii/E02接続時より更に狭まります。
もっとも、既にイヤフォン端子がiPhoneから消えてから久しいわけですが、有線のイヤフォンをiPhoneに接続したいと思った時に、それを一定のクオリティで実現できる製品としては、現在のS8 DAC/AMPはかなり安価です。音に多くを求めないのであれば充実した添付OTGケーブルの存在だけでも極めてお買い得であることは間違いないと思います。
取り敢えずドングルDACを使ってみたいという方も含めて、この価格であれば買って損は無いはずです。
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購入金額
1,210円
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購入日
2024年10月20日
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購入場所
飯田ピアノ
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