大容量のストレージの確保が必要になり、昨年購入したまま使用していなかった HDD エンクロージャー(HDDケース)を引っ張り出してきました。Yottamaster の「PS4RU3」です。公式にも型番は発表されていないので分かりにくいですが、Amazon などの流通経路では「PS400RU3」として販売されています。
購入してなぜ1年間寝かしておいたかというと、大容量バックアップ用途に使用しようと考えていたのですが、自宅に配送されるまでの間に容量の圧縮のアイデア(重複除去)を思いついて、実際に必要なくなったからです。
Yottamaster PS4RU3は、USB 3.0接続に対応した外付けRAID対応の4ベイHDDケースです。
主に次のような用途を想定して設計されているようです。
- 中小規模のNAS代替(動画編集データの保存、データアーカイブ)
- クラウド同期前提のローカルバックアップ
- RAIDによる冗長性確保が必要なユーザー向け(RAID 1/5/10)
本体はアルミ製の筐体で、放熱と堅牢性を両立。RAID構成もハードウェア側で完結するため、PC側の負荷が軽く、プラットフォームを選ばずに利用できる点が特徴です。
外箱。購入した時期ではこれが段ボールに入って送られてきました。
少し箱が色あせているのは、めちゃくちゃ西日が当たるサンルームに放置していたからだと思います。
本体の他の付属品のケーブルやネジは、この箱の中に入っていました。
電源アダプタは、PCで良く見る大型のタイプの「さらに一回り大きい」と思った方がイメージが湧くかと思います。とても大きいです。端子が小さく見えるのですが普通です。
付属のマニュアルは英語でした。
公式サイトが Google にひっかからないこともあり、情報提供が限定的です。
RAID設定も直感的ではないので、初心者には敷居が高いかもしれません。
ちなみに公式の製品ページは下記。
https://yottamaster.com/products/yottamaster-4-bay-hard-drive-enclosure-with-cooling-fan
最新のドライバやファームウェアがあったりするのかなと覗いてみたのですが、特になかったです。
スリープ時間を設定できる MP ツールのダウンロードはありました。
かるく実行してみましたが、すごく中国製でした。言語という意味ではなく、UI が。
筐体は厚みのあるアルミニウム製で、剛性は高いです。この外観はスタイリッシュで素直に格好良いと思います。金属の質感で高級感があります。
ベイが4つあるので4台の HDD が入ります。8TB のRAID 5 だと 24TB 計算になるので、まぁまぁの容量を確保できますね。ただしホットスワップ非対応なので、障害時には電源を落として HDD 交換する必要があります。ビジネス用途では全然使い勝手が悪いのですが、個人ユースでは許容範囲。
このクラスの製品としてはしっかりした作りで、長期間の稼働にも耐える信頼性を感じます。
ただやっぱり、HDDの交換頻度が高いユーザーにはホットスワップ非対応はネックです。
80mmファン1基による排熱機構は、日常的な使用では十分な冷却性能を発揮します。
ただし、4ベイすべてにHDDを搭載し、かつRAID 5や10で常時動作させる構成では、筐体内部温度が40℃ 近くになることがありました。温度管理されたサーバルームなどでは問題ないですが、自分の部屋では空気の流れるところに配置するなど、少し気にする必要があるなと思いました。
背面には大型の冷却ファンが搭載されており、HDDの温度管理をしっかりとサポートします。ただし、このファンはPCの電源を切っても回り続ける仕様になっているため、完全に停止させたい場合はケースの電源をオフにする必要があります。
ファンの回転音はデフォルトでやや大きめ(約35〜40dB)。
ファンの交換は可能(3ピン標準コネクタ)であり、市販の静音高性能ファンに付け替えることで、冷却性能と静音性を両立できると思います。
RAIDの構成は背面のディップスイッチで行い、ソフトウェア不要で完結する設計。これは一長一短で、慣れていないユーザーにとってはやや敷居が高い一方、OSに依存せず、トラブル時にも他環境ですぐに復旧可能というメリットがあります。
ハッチは前面で、プラスチック製。柔らかくて軽量ですが、少し頼りないです。
HDDトレイはネジ固定式で、前述したとおりホットスワップ非対応。
凹凸などが無いため、HDD固定器具の着脱時のスライド感はひっかりがなくスムーズです。
ただし、やっぱり頼りない感じ。
HDD を固定する器具はプラスチック製。これにネジで固定します。
ネジで固定するだけなので、3.5インチの他にも固定できます。
ネジで固定する構造のため、HDDのシーク音もほぼ気にならないレベルです。
両脇にアクリルの部品がはめこまれているのですが、これはケース奥にある LED の光を前面に届かせるための導管の役割を果たしています。
けっこう面白い仕組みですね。
ただし、この仕組みのせいで光も弱く、前面ハッチの穴も小さいので通電してるかあどうかなどはとても分かりにくいです。
ミニドライバーも付いてくるので、慣れていない人でも HDD を簡単にセットアップできるかと思います。
8TB×4台 を RAID 5 の構成で構築したところ、初期化からストライピング開始までに要した時間は約1時間くらいでした。
8TBx2台をスパンボリュームで構築してみたところ、約30分くらいだったと思います。
USB3.0経由でのシーケンシャル転送速度も特に遅くなるようなことはなかったです。
- 読み込み:210〜230MB/s
- 書き込み:190〜210MB/s(※CrystalDiskMark実測値)
大容量のデータ転送には十分な速度で、編集用の素材保存にも対応可能です。
Yottamaster PS4RU3は、「玄人向けの堅実なストレージソリューション」と言える製品です。
高級感ある筐体とハードウェアRAIDを備えながらも、コストを抑えた構成が魅力。
一方で、ノイズ対策やホットスワップ非対応など、明確に運用方針を決めた上での導入が求められます。RAIDの基本を理解し、自分で運用管理できるユーザーにとっては、高耐久・高拡張性を持つ信頼できる製品となると思います。
おすすめのユーザー:
- ハードウェアRAIDによる簡易NASを構築したい中上級者
- USB接続で大容量のデータを高速転送したい映像・写真ユーザー
- 信頼性と容量を両立したローカルバックアップを求めるビジネス用途
おすすめしないユーザー:
- RAIDに不慣れで、GUIでのセットアップを希望する初心者
- HDDを頻繁に入れ替えるテスト・検証用途
- 極端な静音性を求める作業環境(要カスタム)
洗練されたアルミボディ・スタイル
このHDDケースは、アルミ製の筐体を採用しており、シンプルながらも洗練されたデザインが特徴です。シルバーのカラーリングは、Macなどのスタイリッシュなデバイスとも調和しやすく、デスク周りに置いても違和感がありません。サイズは比較的コンパクトで、4台のHDDを収納できるにもかかわらず、スペースを取りすぎない設計になっています。ケース自体の共振対策は甘く、防振ゴムなどは非搭載。HDDをフル装備するとかなり重いので、安定感はあります。
前面にはメッシュ加工が施されており、通気性が確保されているため、長時間の使用でも熱がこもりにくい構造です。
HDDの装着は前面の扉を開けることで簡単に行えます。トレイ式の設計になっており、3.5インチだけでなく2.5インチのHDDやSSDにも対応している点は便利です。
静音環境での利用には、ファンの交換+防振マットの活用が必須といえます。
全体的に、Yottamaster PS4RU3は堅牢な作りでありながら、デザイン性にも配慮された製品です。アルミ素材の質感や冷却性能を考慮すると、長期間の使用にも耐えうる設計になっていると言えるでしょう。
アルミボディなのは外装だけで中身はプラなので、わりと見掛け倒しともいえます。
快適な運用への鍵
比較的メンテナンスがしやすい設計になっています。
前面の扉を開けることでHDDの交換が可能で、トレイ式のため取り付けや取り外しがスムーズです。
アルミ製の筐体は放熱性に優れているものの、ホコリが付着しやすいため、定期的な拭き掃除を推奨します。USBや電源ポート周りもホコリが溜まりやすいので、エアダスターなどを使って清掃すると良いです。
メンテナンスが比較的容易な設計ですが、ホットスワップ非対応やファンの交換の難しさなど、注意点もあります。長期間快適に使用するためには、定期的な清掃と適切な管理が重要ですね。
スタイリッシュさと相反する個性
RAID付き4ベイとしては優秀だと思います。
購入を検討される際は、使用環境や求める機能に応じて、他の製品と比較検討されることをおすすめします。特に、電源連動やホットスワップ機能が必要な場合は、他のモデルも視野に入れると良いでしょう。
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購入金額
11,922円
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購入日
2024年10月20日
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購入場所
Amazon











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