実は結構読書家で、特に若い頃は乱読しました。
ジャンル的にはSF~ファンタジー~ミステリなどからコミックまでイロイロ。
3桁では収まらない蔵書の中からトピックをご紹介していきます。
イラストレーターカシワイ。淡い色合いと、シンプルな線、余白で語る画を描く。空気感があって、蒼がきれいで、幻想的な絵は、小浦昇
に通じる部分もあるが、緻密な書き込みと、深みとにじみのある色で世界観を創る小浦に比べると、比較的シンプルな線と淡泊な彩色の印象で、「シンプルさの中の美」という感じ。
そのカシワイ、イラストや挿絵も描くが漫画も描く。漫画の内容は込み入った設定や長いセリフなどはなく、ストーリーの骨組みだけ提示して、あとは読者の想像力・洞察力に任せるタイプ。
カシワイの2023年7月の最新漫画が、「風街のふたり」。
連れ合いを失くし、海辺の町に住む年老いた画家と、親の仕事(灯台守)で海辺の街を転々とする少女。
老人のテリトリーに、ズカズカと(物理※)、でも優しく入り込んできた少女によって、止まっていた老画家の時間が流れ始める。
※二人の出会いは、少女が落としたリンゴを老画家が拾い、それを題材に絵を描いていたときに、少女が窓からリンゴを「見つけた」と入ってきた。
ふたりの出逢いのシーン。少女が老画家のスペースに入ってくる(物理)
その少女との会話で、かつて恋人と二人過ごした刻や、仲間と観た星空の想い出が蘇る...
最終2話前で、また親の担当が別の灯台へ変わり、引っ越すことになった少女に、老画家は絵を贈る。
「君が窓を開けてから」「わたしの時間はまた動き出した」
最終14話は少女の視点で語られるが、余韻を残す終わり方で味がある。
この「風街のふたり」、2023年1月に青山ブックセンター本店で開催された「“風街のふたり”展」で購入。2巻表紙裏にはカシワイ師のサイン(ミニイラスト付き)が入ったものも購入できるキャンペーンを実施していた(イラストの内容はサイン済みの本をブラインドで渡されるので選べない)。
カシワイ師のサイン?と直筆ミニイラスト。イラストは「風街のふたり」の少女だった。
この展示会、東京に別所用で行く前日に知り、ちょうど所用も渋谷だったので、運良く寄れたモノ。書店内のミニ展覧会とは言え、原画展示もあり、カシワイ師の世界を堪能できた。
こういった余韻のあるストーリーの漫画に出会えて感謝。
Web-action:「風街のふたり」カシワイ
※Amazonは1巻に繋いでいるが、レビュー内容と購入価は全2巻分
読む世代にとって受け止め方が違うかもしれないストーリー
老画家の気持ちがわかる世代が読むのが一番「響く」かもしれない
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購入金額
2,310円
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購入日
2023年01月20日
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購入場所
青山ブックセンター
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