最近、PC周りのサウンドに凝る人が増えてきているように思う。以前は音楽の供給源がCDやDVDなど物理メディアがメインで、PCのゲームなどもFM音源8音ポリなど元々PCから発する音がしょぼかった事もあり、音楽を聴くのはコンポやスピーカー付きのポータブルCDシステム、PCは単体でゲームや作業を行うだけ...という感じに分業できていたが、音楽の供給元がダウンロード販売やネットからのサブスクリプションとなってくると、コンポをネットに繋ぐというよりは、元々ネットに繋がっているPCの音質を上げる方が簡単。さらにネット通信速度やPCのサウンドスペックが上がってきたことで、ゲームでも音が重要になってきた。シミュレーションゲームの雰囲気を盛り上げるBGMはCDレベルの音質になってきたし、シューティングゲームやホラーゲームをするときに、音の方向や種類が判ると、プレイ効率や没入感が上がるので、よりリアルな出音が必要になった。
ま、自身がゲームを集中してプレイするときは、雑音をシャットアウトして、物音を聞き漏らさずに...ということになるので、ヘッドホンやヘッドセットの方が没入感は高いが、そこまでの集中をしないときや、体の自由度が欲しいとき、音楽系の配信を聴くときなどは、スピーカーの方が良い。
で、こういうときはモノラルのスマートスピーカーではなく、ステレオスピーカーで聴きたいもの。そういったPC用ステレオスピーカーには、一般的な左右に分かれているもの
と、サウンドバーと呼ばれる、ディスプレイの下部に設置する左右一体型のものがある。左右に分かれているものは、当然スピーカー間の距離が離れているので、ステレオ感が強く出るし、設置次第では耳の高さに合わせることも可能。一方左右一体型のサウンドバータイプは、左右の距離が離れていない(事が多く)、スペース的にディスプレイの下という限られた部分を使うため容量が稼げないので大口径ユニットを積みにくい、ディスプレイ下方に設置されるため、音が下に集まりがち、という点はデメリットだが、圧倒的にスペース効率が良く、上手くデザインできれば、画面から音が聴こえているようにも感じられる音場形成も可能と言う利点もあり、とくにディスプレイのワイド化が進み、左右に余裕がなくなってきた近年注目されている。
RAZERは、ゲーミングライフスタイルブランドを標榜するブランドで、トリプルヘッド・スネークと呼ばれる三匹の蛇が三角形に配置されたマークをロゴとしている。アメリカとシンガポールを拠点とし活動を開始するが、創成期に造ったキーボードとマウスが大きな話題となり、その後、PC用スピーカー、ヘッドセット、コントローラー、ゲーミングPC等を手がけ、その中でも特にマウスとヘッドセットでは絶大な支持を受けている。
RAZERのスピーカーは初期からサブウーファーを持つ2.1タイプが多いが、2023年初夏現在のラインアップは、
・左右スピーカー形式のRAZER NOMMO V2シリーズ
・サウンドバー形式のRAZER LEVIATHAN V2シリーズ
の二つ。サウンドバー形式のLEVIATHANは、2015年に初号機のRAZER LEVIATHANがリリースされていたが、現在はV2になっている。
以前の無印のLEVIATHANは、入力が光デジタルと3.5㎜ミニジャック、Bluetoothの3系統で、光デジタルで入力すると疑似サラウンド効果(5.1ch)も選択可能というもので、PCのディスクドライヴを使って映画を観たり、サウンドボードからの入力を考慮したりという感じの、ややオーディオ機器寄りの立ち位置だった。一方V2では、この数年で端子類の標準化や無線技術の低遅延化が進んだので?、思い切って入力を絞り、有線はUSB入力、無線はBluetoothとして、アナログ入力を廃した。その代わり、「ゲーミング」界隈に求められることが多いライティングには注力し、RGBのライティングバーを装備し、PCやスマホからコントロールしたり、Razer Chroma RGBに対応し、他のPCパーツ・周辺器具と連動してライティングできるようになった。
そのRAZER LEVIATHAN V2は、無印のRAZER LEVIATHAN同様、サウンドバー+サブウーファーの構成だったのだが、あとからLEVIATHAN V2シリーズに追加されたRAZER LEVIATHAN V2 Xは、サブウーファー抜きのサウンドバーだけとなっていて、より接続が簡単になっている。
RAZER LEVIATHAN V2 Xは、LEVIATHAN V2世代のサブウーファー抜きのゲーミングスピーカー。
RAZER LEVIATHAN V2 Xは、サブウーファーレスなので、製品は長細い梱包一つだけ。
これは左右別体型のRAZER NOMMO V2シリーズの、RAZER NOMMO V2(PRO)とRAZER NOMMO V2 Xの関係に近い。ただNOMMOはサブウーファー抜きのXはライティングが削られ、Bluetoothのヴァージョンが5.3から5.0に下げられたが、左右のフルレンジスピーカー自体は、同じ(と思われる)3インチドライバーが採用されていた。一方、LEVIATHANの方は、LEVIATHAN V2 XはLEVIATHAN V2からライティング機能は削られなかった一方(大きさの問題か、ゾーン数は18⇒14へ削減)、Bluetoothのヴァージョンが5.2から5.0に下げられた他に、そもそもサウンドバーの筐体や構成が違う。LEVIATHAN V2の方がより大きく、フルレンジドライバーの他にツイータードライバーも備え、サブウーファーと合わせて疑似7.1cjサラウンドを得ることが出来る。LEVIATHAN V2 Xは、別体サブウーファーがないほかに、サウンドバー内にツイーターユニットもなく、後ろ側にある低音増強のパッシブラジエターの径もやや小ぶりなため、けっこう出音も違うと思われる(直接比較したことはないが)。
【RAZER LEVIATHAN V2シリーズ比較】
Xつきの方はサブウーファーがないだけではなく、サイズも電源周りも機能も異なる
サブウーファーを備えるか否かと言うことに加え、Bluetoothのヴァージョンやツイーターの有無、ライティングのゾーン数などは、LEVIATHAN V2 Xの方が「廉価版」という感じも取れるが、たぶんこの2機種、コンセプトというか想定対象ユーザーが異なる。それが入力電力に明確に表れている。
サブウーファーを持つLEVIATHAN V2が、通常の外部電源アダプターなのに対して、LEVIATHAN V2 Xは、USB給電。USB PD対応で、PCのType-C端子と付属のUSBケーブルで繋ぐと、それ一本で給電と有線入力が完結する。一方X無しの方は、入力用USB(Type-C)とは別に電源アダプター端子がある。サブウーファーを有線で繋ぐ必要があるのもあり、システムが大がかり。
なので、X無しの方は、据え置きのデスクトップPC(もしくは動かさないデスクノートPC)用で、毎回片付けたり動かしたりすることはあまり考慮されておらず、重い(3kg)サブウーファーを設置することにより、音質を追求した感じ。一方LEVIATHAN V2 Xは、ノートPCとUSB一本で繋いで使用できるよう、可搬性も追求した設計か。そのため、一回り小さく(幅10cm減、バーの太さ?も1辺1cm以上細い)、重さも6割くらいで、USB一本の給電でドライヴ出来るよう、ツイーターレスなのかと。
ただ、このType-C USBケーブル一本で接続できるというのは一長一短で、DAPなどの出力として使おうとすると、コンセントからUSB AC アダプタなどからとる給電ラインでUSB入力を潰されてしまうので、音声入力がBluetooth一択になってしまう欠点がある。そのため、一般的な外部入力を備えたBluetoothスピーカー
に比べると、若干使い勝手が限定される面も....
そういうケーブル一本で接続完了!というシンプルさを活かして?ボタンもシンプル...つか、製品に入っているものは、スピーカー本体とUSBケーブル、多言語(14言語)マニュアルとステッカーだけ。
内容物は本体+ケーブル+多国語説明書と、他にステッカー程度でシンプル
多国語説明書とは言っても、全言語で書かれているのはこの内容物の部分だけ(他は図解)
そのマニュアルの絵を見て、PCのType-Cポートと付属のUSBケーブルで接続し、中央の一番大きな電源ボタンを押すと、「ヒュィィン↑」と言う音ともに起動し、PCの中にある音源ファイルや動画配信サイトを立ち上げると音が流れ出す...という簡単さ(ちなみに電源オフ時には「ドゥゥゥゥン↓」というサウンドが流れる)。
【パワーオン/オフサウンド】※コンデジのマイク収録なので、低音が拾えてない(もっと迫力ある)
音量は右側の二つの音量コントロールボタン(-、+)で調整。デフォルトでは、Razer Chroma RGBのライティングがオンになっていて、ピカピカ光る。
サイズ感はこのくらい(対照?は、23型16:9ディスプレイと109フルキーボード)
ボタンは5つだけ。詳細なコントロールはPCもしくはスマホから。
初回接続時には、自動的にRAZER ゲーミングソフトウェアのインストールモードになり、PCをゲームに最適化するRazer Cortexと、スピーカーだけに限らず、RAZERのデバイスをコントロールするRazer Synapseがインストールされる(しない選択もでき、それでも一応使えるが、特にRazer SynapseはLEVIATHAN V2 Xの機能が圧倒的に便利になるので、インストール推奨)。
ケーブルを接続すると最初にRAZER ゲーミングソフトウェアのインストールに進む
...Razer Synapseを起動すると「デバイス」にLEVIATHAN V2 Xの登録が
このRazer Synapseで、イコライザーの調整や入力切替ボタンを押したときの動作、ライティングのパターン選択や色調整、オートパワーオフの設定などが出来る。さらに追い込めばAlexaとの統合なども出来るようだ。
EQ切り替えボタン。フラット+3プリセット+ユーザーカスタムの5つがすぐ呼び出せる。
ライティングの調整ページでは、輝度調整やOFFにする設定も可
【Razer Synapseによるライティングパターン変更】
一方、スマホ用にはRazer Audioというものが用意されている。
Razer アプリ、と呼ばれているものは、このRazer Audio
LEVIATHAN V2 Xのボタンを5秒以上長押しして、Razer Audioから探す
入力の切替の他にEQも(フラット+3プリセット+ユーザーカスタム)
Razer Synapseで行うような設定の一部が出来る上、スマホをLEVIATHAN V2 X、およびそれに繋いで音楽を再生しているアプリのコントローラー(ワイヤレスリモコン)として使うことが出来るようになる。LEVIATHAN V2 Xそのもののコントロールとしては音量コントロールはもちろん、入力切替やEQ調整、ライティングの変更などが出来る。使用アプリのコントロールは、再生⇔停止や、一曲送りや巻き戻しが出来るので(FireFox上のYoutubeやPCのfoobar200、Bluetooth接続したDAPで検証)、曲の選択や一次停止にいちいちPC上のRazer Synapseを開かなくて良いので、メチャクチャ便利。
【Razer Audioで入力切替と再生開始、音量調整】
【Razer Audioによるイコライザー切替】
では肝心の音はどんな感じなのか。
PCのType-C USBポートから繋いだ有線接続と、Shanlingのエントリー+クラスのDAP、M3X Limited Edition
をBluetooth接続して評価した。
PCの再生環境は、ハードはAMD Ryzen Threadripper 2990WX
を積んだ現メインPCのM/B=のASUS ROG ZENITH EXTREME
の一つだけあるType-C USBポート(USB 3.1 Gen2)出力で、再生ソフトはfoobar2000。
まずいつもの音色評価の定番曲、吉田賢一ピアノトリオの「Never Let Me Go(わたしを離さないで)」をハイレゾ録音(24bit/96kHz FLAC)の“STARDUST”から。
この3ピースのアコースティックジャズはこのLEVIATHAN V2 Xに非常に合っている。元々ドラムスが右chにあり、小口径バスドラのため低域が少なく、シンバルレガートとスネアのブラシが強めに入っているので、高域の味付けによっては左右バランスが崩れてしまうのだが、左右40cmの小さなサウンドバーではほとんど気にならない。シンバルは綺麗に広がっているし、ピアノの粒立ちもよい。一方ウッドベースはやや存在感がない。ソロの部分も、音域が上がるので聞こえはするが...という感じ。なおUSB有線とBluetoothの差は小さいが、Bluetoothの方が高域寄り..というか低域が薄い感じで、腰高感が増す感じ。
当時十代の宇多田ヒカルの震える声が愛おしい「First Love」はUSBメモリが販売メディアだった“Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.1+2 HD”のハイレゾファイル(PCM24bit/96kHz ⇒ FLAC変換)で評価。
これは、ヒカルの声とアコースティックギター、ピアノがいい。ヒカルの声がフワッと浮き立ちフォーカスが合う。小音量でも聴き取りやすく、ヒカルが近い。一方2nd Verseから大きく入るベースは、パッシブラジエターのおかげか、一応追えるが、ちょうど周波数特性的にピーク目のポイントなのか、バスドラのアタックがペタペタ入り、あまり感動的ではなくなる。これは特にBluetooth接続のときに顕著。
USB接続と、Bluetooth接続の差は、後者が低域が薄く、相対的に高域が(曲によっては)やや過剰となり腰高感があるというのが共通だったので、ここから評価はUSB接続のみ。
あやちゃんこと、女性声優洲崎綾のメモリアルファンブック“Campus”から、
バラードの「空」。これもヴォーカルが近いな。あと、ストリングスの広がりが良くて気持ちよい。元々音源的に、「First Love」と比べると下が薄いが、逆にギターが目立って、存在感を増したヴォーカルと合わさって弾き語り感?が増して良い感じ。あやちゃんの声の色・艶と言うあたりまでの描き出しはキビシイが、充分「音楽」してる。
同じあやちゃんが歌う曲ながら、ゆったりとした「空」とは180度違う、打ち込み系ディスコチューン、アイドルカードゲーム由来の「ヴィーナスシンドローム」は“THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 019 新田美波”から。
この曲、バックが塗り壁的に緻密でラウドなので、ともすればヴォーカルが埋もれがちになるのだが、これはいいな。きちんとメロディーラインが芯に来て、周りをゴージャスなストレングスが取り囲む。能力の低いイヤホンなどではクリップしてしまう、打ち込みで連打されるバスドラは存在感を薄めて、中域の邪魔にはならない。一方高域で左右にパンしながら入る装飾音の動きは明確で定位感の良さを感じさせる。
テクニカルかつタイトなジャパニーズフュージョン、T-SQUAREの「RADIO STAR」は、ベーシスト兼ラッパーのJINOこと日野賢二がゲストプレイヤーとして加わった、セルフカバーアルバム“虹曲~T-SQUARE plays T&THE SQUARE SPECIAL~”から。
これは聴き込むというより、BGM的になってしまうなー...EWIのメロディラインやピアノソロの部分、ベースもソロ前半の高音域使ったスラッププレイの部分は、きちんと浮き立つように中心にあるのだが、一番の聴き所のベースとバスドラの複雑なリズムの絡みや、ベースソロ後半のラップのとのシンクロの部分のように低音弦を使うところはベースが軽くて....
いにしえのロック、Eaglesの「Hotel California」は、24k蒸着の同名アルバム
から起こしたFLACで。ヴォーカルは他の曲に比べると沈むが、スネアやギターは結構いい感じ。特に、アコースティック、エレキ、6弦、12弦とダビング含めものすごい数が入っているギターは左右幅は狭いものの、分離良く目の前に一列に並び、定位感が良い。一方低域は、元々高めのベースラインの曲で、バスドラはミュートしまくりの時代背景的に、なくてもあまり気にならないが、バスドラのアタックの音は紙みたいだな...
「艦これ」BGMをオーケストラアレンジした“艦隊フィルハーモニー交響楽団”(交響アクティブNEETs)から、
戦闘シーンのBGM、勇壮かつドラマチックな「鉄底海峡の死闘」。ラッパ系の音の「迫ってくる感」やストリングスの広がり、途中和笛のような音色で入るフルートなどのキレは良く、BGM的に流して聴くなら大きな破綻はない一方、本来迫力あるティンパニの響きや下を埋める弦の低音部隊の存在感はほぼなく、小型テレビで観る(聴く)映画のTV放映のサントラ...という感じ。
最近YOASOBIのサポートで頻繁に目にするベーシスト、やまもとひかるちゃんの2nd配信シングル「NOISE」は、
配信でよくつかわれる比較的高ビットレート(269kbps)のmp3で。元々ベーシストのソロ活動の曲なので、本来ベースが主役の曲だが、今まで聴いたことないバランスで、ピアノ主体の曲になってるな。ひかるちゃんのベースプレイは、スラップの一部以外堪能は出来ないが、他の試聴絵環境では、若干沈みがちなことが多いヴォーカルが、すごく前に出ていて、曲としてはこれはこれでアリ。
元々RAZERがゲーミングブランドなので、ゲーム音も評価しようかと...ただゲームそのものはやらないので、YouTubeを中心に、ゲーム配信を 中心に配信をいくつか観てみた。
Apex Legendsのように、銃声、足音、効果音、ゲームのナレーションなど大小のサウンドとノイズが入り乱れる中、実況者のしゃべりが入るゲーム実況配信は、LEVIATHAN V2 Xの得意分野。サブウーファーがないので、爆発音などの迫力はさほどにはないが、スピーカーでもきちんと敵の立てる物音や、効果音が分離が良く把握できる。例に挙げた配信は、2~3人のコラボ配信なので、背景?のゲーム音はきちんと表現できつつ、複数の配信者の声もよく聴き分けられる。
一方、歌みた枠や演奏枠も結構いい感じ。ヴォーカルや主旋律楽器を中心に目立たせるチューニングなので、メロディを追いやすいし、声フォーカスの音造りなので、演奏としゃべりで違うマイクを使うことも多い演奏配信のマイクの差を覆い隠し、声を聴きとりやすくしている。例に挙げた配信では、デジタルサックスなので、楽器はマイク生録ではないが、中域がしっかりとしているため、主役(デジタルサックス)が一番立っている(ヘッドホンで全ての音を余さず聴くより、LEVIATHAN V2 Xで聴いた方が主旋律が立つ)。
脚色はあるが、楽曲にせよ、ゲームにせよ、配信にせよ、聴かせなければならない中域の表現力と分離が良く、聴きやすいスピーカーと言えるだろう。
ゲーミングブランドRAZERのサウンドバー型スピーカーLEVIATHAN V2 X。コンパクトなボディに、楕円形のフルレンジドライバーとその裏側にパッシブラジエーターを備え、USBケーブル一本で給電とサウンド接続が終了、さらにカラフルなライティング機能を持つゲーミングスピーカー。
そのメリットは
○なんと言っても一本のUSBケーブルでPCと繋ぐだけで、接続完了の簡単さ
○ヴォーカルやメロディ楽器、人声にフォーカスした、中域重視の音造り
○ゲーム配信のような多数の音と人声が入り乱れるソースでも目的の音を聴き分けることが出来る
○約7cm▢×横幅40cm、850g程度しかないコンパクトボディ
○それに反して?定位はシャープで左右の多少の角度の差も判る
○ストリングスのように面の広がりがある音源はきちんと包み込むように広がる
○Razer Synapseによるライティングや電源管理も含めたきめ細やかな設定
○スマホに仕込んだRazer Audioで、スマホをリモコンとして使うことが出来る
○目にも楽しいライティング効果
一方、
■元々サブウーファーを持つシリーズの派生品だからか、それがない本品は低域が不足している
■USBポートが電源・入力共用なので、PCのように給電できるデバイス以外だと有線入力がなくなる
■LEVIATHAN V2と違って、スピーカーの角度が固定なので、環境によっては音が上がってこない
■Razer SynapseかRazer Audioがないとフル機能は使えない
■Bluetooth⇔USBと何度か切り換えていると、Bluetoothのリンクが外れてしまうことがある
と、「コンパクトにまとめた故の問題」もある。
ただスペース効率が良いスピーカーなのに、ゲームに特に必要な分離感や定位という「聴きわけ」に重要な要素がきっちりと実現出来ているのはさすが。
あとは、LEVIATHAN V2 Xには有線の入力が、電源供給を兼ねるUSB Type-Cが1ポートのみ、というのが、Type-Cが今ほど普及する前のPCを使っている場合悩ましい。自分のメインPC(のM/B=ASUS ROG ZENITH EXTREME)にはType-Cポートがひとつしかないので、スピーカー音出しと給電という、「速さ」をまったく必要としない接続で、たった2ボートしかないそのM/B上で一番速いUSB 3.1 Gen2ポートのひとつをふさいでしまうことになる(残るひとつはType-A形状なので、ひとつだけのType-C ポートが本スピーカーで占有されてしまうともいえる)。そういう意味では、Type-Cが普及してからの世代のPCを母艦にしているか否かで、本スピーカーの使い勝手の評価は異なるかもしれない。
ケーブル一本で接続できるのに十分な音量を持ち、定位感が抜群で中域が聴きとりやすく、EQやライティングの変更も出来て「自分好みに」育てることが出来るゲーミングサウンドバーは(特にType-Cポートが充実している新世代PCとの相性は)悪くないチョイス。あとは本体とケーブルをまとめる巾着袋なんかあれば、母艦がノートPCが最適、という商品設計からはより良かったかな。
チョコチョコ気になる点はあるものの、LEVIATHAN V2 X、ゲーム音や音声が聴き取りやすく、アガる事間違い無しの煌びやかなライティングも備えた、使いやすいサウンドバー型PCスピーカー。ゲーミングノートPCと一緒に使うなら、最強の組み合わせだと思います。
【RAZER LEVIATHAN V2 X 仕様】
ドライバーサイズ:フルレンジ 楕円形ドライバー 2 x 48 x 95 mm
パッシブラジエーター:2 x 48 x 105 mm
入力電力:Type-C(USB Power Delivery対応)
周波数特性:85 Hz ~ 20 kHz
概算重量:845g
ドライバーの種類:フルレンジドライバー、パッシブラジエーター
互換性: Bluetooth 5.0 接続:PC への USB Type-C 接続
その他:
Razer Chroma RGB:14ゾーン
USB オーディオ入力
Razer Audio アプリ対応
カスタム 10 バンド EQ
最大音圧レベル(SPL):90dB
PC オーディオデバイスの切り替え(Razer Synapse でサポート)
サイズ(幅×高さ× 奥行き):400 x 77 x 71 mm
付属品:USBケーブル、マニュアル、ステッカー
接続が簡単で、音量調整・入力切替が本体でもスマホでも出来る
母艦PCとの接続はUSB Type-Cケーブル一本。音量調整と入力切替が本体でもリモコンでも出来るのは◎。初代(V2とXなしのLEVIATHAN)にあった本体ミュートボタンがあると、さらに便利だったが...
母艦PCがType-C時代の機器なら+★1だが...
入力が電源供給を兼ねるUSB(Type-C)とBluetoothだけなので、USBをコンセントに繋いで電源専用線にしてしまうとBluetoothしか残らない。あと1系統有線USB入力か3.5mmステレオオーディオ入力などがあれば良かったが....
中高音域まではきちんとあり、籠もった感じはしない
超高音域は流石にないが、シンバルの煌びやかさなどもきちんと表現し、天井が狭い感じはない。
非常に聴きとりやすい、ヴォーカルのみならずアナウンスなども◎
歌枠や演奏枠のヴォーカルやサックスなどは机上設置なのにフワッと浮き上がり、非常に明瞭。
流石に「迫力」はなく、軽い。
ただパッシブラジエーターの音が足されるので、腰高ながらベースラインは追える。
左右位置の正確さとニアフィールドでの音の造りの上手さは流石ゲーミングサウンドバー
とにかくFPS等のゲーム配信や、ホラー系配信の臨場感や、音の移動や位置の正確さは上手い。机上のLEVIATHAN V2 Xから60~80cm離れた位置で聴くと「音源のマッピング」が出来る。
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購入金額
0円
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購入日
2023年05月29日
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購入場所
ZIGSOWレビューを読もうキャンペーン
jive9821さん
2023/06/06
以前使っていたキーボード、BlackWidow Ultimate Stealth 2016
でも、キーボードの機能を使うためにRazer Synapseを入れる必要が
あり、これが結構不便でした。クラウド同期していないといちいち
エラーメッセージが出てきて、設定値を読み出せないことなどが
ありましたので…。
RAZERはこのソフト的な縛りがなければ、もっと魅力が増すと
思うんですけどね。
cybercatさん
2023/06/06
PCにLEVIATHAN V2 Xを接続すると、まずRAZER ゲーミングソフトウェアのインスール手順となるので、導入するのが自然ですが、キャンセルボタンもあるので、インストール回避して、スマホアプリのRazer Audioだけで運用...というのも、Razer Synapse忌避勢には手かも知れませんね。