「芋づる式洲崎綾 Part10」。Webラジオのキャラクターの面白さと、天使の歌声のギャップ萌えですっかりファンになった洲崎綾（あやちゃん／ぺっちゃん／あやっぺ）関連レビュー。12月といえばあやちゃんのバースデイがあるということで、それに向けてこの1年で増えてきた彼女の参加した作品や楽曲や書籍、イベントグッズなど、幅広く芋づる式におよそ一ヶ月にわたりご紹介するシリーズレビューの10回目。

あやちゃんと言えば、他者の懐に飛び込むのが上手く、経験の引き出しも多く、さらに話の組み立てが上手いので、ラジオパーソナリティもしくはラジオのゲストとして輝く「ラジオモンスター」として界隈では有名。自分でコントロールできる番組のハンドリングももちろん上手いが、サイドに控えて「引っかき回し役」として場をかき混ぜて、話を転がしていく起点となるのも上手い。

現在複数の（Web）ラジオのレギュラーを持っているが、その中でメインではなく、「引っかき回し役」のポジションが得られているのが、「ためらじ」こと「天津向のためになるらじお」。

あやちゃんがメインではない常設番組としては、「RADIO 1000ちゃんねるBoost!」や「デレラジ☆」もあるが、ともにレギュラーではなく時々呼ばれるゲスト枠で、いつも出演しているわけではない（さらに両方とも「キャララジ」ならではの制約もある）。一方「ためらじ」は、アシスタントながらレギュラー。メインパーソナリティは番組名にあるとおり、芸人でアニメ系イベントのMCとしても活躍する天津向（向清太朗）。彼を中心に、天然系の南早紀と、引っかき回し役？のあやちゃんがダブルアシスタントで付く、という感じ。天津向の進行がさすがの上手さなので、話を広げても自分で〆なくて良いのもあって？あやちゃんのかき回し方も、内容が容器からこぼれそうな程ぐるぐるになるときもあり、楽しい。

その番組を配信しているインターネットラジオステーション音泉、「ためらじ」以外にも、複数の声優ラジオを手がけているが、それらの合同イベントを何度か行っている。2021年10月30日に、3つの音泉配信のWebラジオが合同イベントを行ったのに合わせて制作されたDJCDが、「グレパ・ためらじ・ことパン シャッフルDJCD」。

このイベントに参加した3つの番組の相方を変えてトークをするという企画CD。参加したのは

・グレパ：鷲崎健・藤田茜のグレパラジオ（鷲崎健、藤田茜）

・ためらじ：天津向のためになるらじお（天津向、南早紀、あやちゃん）

・ことパン：吉岡茉祐と山下七海のことだま☆パンケーキ（吉岡茉祐、山下七海）

の3番組（ためらじ大人パートの歩サラとイベントゲストの餅月ひまりは、このDJCDには不参加）。

3つの番組で2+3+2の7人しかいないので、完全な「シャッフル」にはならず、唯一3人いるためらじから、南がことパンに合流、残るグレパとためらじのパーソナリティが男性陣と女性陣に分かれて組み直した形。

すなわち、

・鷲崎健・天津向のためパラジオ：鷲崎健、天津向

・洲崎綾・藤田茜のトークバランス：あやちゃん、藤田茜

・吉岡茉祐・山下七海・南早紀の81ラジオ：吉岡茉祐、山下七海、南早紀

という3番組ができたわけ。

アニメイベントMC2大巨頭の鷲崎と天津がバチバチする番組と、二人ともラジオの進行が上手くリリスパ

で師弟関係だったあやちゃんと藤田の番組、3人とも声優事務所81プロデュース所属で仲が良い吉岡と山下、南の番組ということで、それぞれレギュラー番組とは違う面白さがあった。

この中で、あやちゃん関係としては藤田と組んだ「洲崎綾・藤田茜のトークバランス」。番組名の意味としては、ふたりとも天性の「トークの打ち返し能力」があり、パーソナリティとしても、アシスタントとしても、ゲストで行っても、最終的にその番組のバランスをうまくとっていく力があるということらしい。企画は、それをあてにして？「どんな質問にもバランスをとり、その場のニーズに合わせて回答してくれる二人がお題に答えていく」「ただし回答は、くじで引いた指定の塩梅で答えていく」という企画。その指定の塩梅には

・模範的な答え

・話が広がりそうな答え

・少しとがっている答え

・ギリギリセーフな答え

・かわいい答え

・不思議ちゃんの答え

などがあり、お題に対して上記の「塩梅」で、回答を紡ぎ出すという企画。

あやちゃんが最初に今まで一番キレたこと、というお題を選んで塩梅のくじを引くと「話が広がりそうな答え」。そこで答えたのが、いろいろ多方面に差しさわりありまくりだったのか、すべてがピー音で消されており、助詞しか聞き取れないというwそれを受けた藤田が「これはどちらかというとギリギリセーフな答え．．．というかギリギリアウトな答えに乗っかっているんじゃ．．．」と受け、「話が広げられるというか、私が延々管を巻くはなし」とあやちゃん。藤田が「いや、広げられますよー」というものの、「茜に迷惑がかかる話」「．．．．そうですね」⇒ダメじゃん、と、最初のトークは闇に葬られるw

いくつかそのルールでやった後、あやちゃんの提案で、逆に相方が答えたお題に対する回答は「どの塩梅で答えたか」を当てる形式に変化。このあたりのあやちゃんの臨機応変さと、すぐそれについてこられる藤田のレスポンスの良さが、頭の切れが良く話の上手いこのペアの特徴。リリスパ以降、いまでも親交が続いている二人ならではの、いい塩梅のトークが聴くことができ、3番組の中では一番完成度が高かった。

鷲崎と天津のためパは、司会だけ．．．いわば船頭だけのラジオなので、最初のフリートークのあたりは探り探りだったが、音泉で番組を持っている声優たちを組み合わせて、新たな番組を考えるというテーマトーク「音泉Pになってみる男たち」になってからは、ふたりの声優界への知識の深さと、MCやラジオDJで培った人物観察力で、結構名（迷？）番組が出てきた。

81プロデュースの仲良し3人組ラジオは、組み合わせ的にもことパンに南がゲストに行っているような感じで、ほのぼのとしていて聴きやすかった。若干81のうちわネタも入っていたが．．．．

どの番組も「単発」ならではの企画重視の構成で結構面白かった。

音泉は継続的にラジオ合同イベントを企画するので、またこんなDJCDがリリースされればよいな～

このシャッフル企画は結構よかった

【収録内容】

＜DISC1＞

1. 鷲崎健・天津向のためパラジオ

・フリートーク

・企画：音泉Pになってみる男たち
＜DISC2＞

1. 洲崎綾・藤田茜のトークバランス

・フリートーク

・企画：いい塩梅で答えます

2. 吉岡茉祐・山下七海・南早紀の81ラジオ

・フリートーク

・企画：81トーク（テーマトーク）