「芋づる式洲崎綾 Part9」。Webラジオのキャラクターの面白さと天使の歌声のギャップ萌えですっかりファンになった洲崎綾(あやちゃん/ぺっちゃん/あやっぺ)関連レビュー。年末(12月)といえばあやちゃんのバースデイがあるということで、それに向けてこの1年で増えてきた彼女の参加した作品や楽曲や書籍、イベントグッズなど、幅広く芋づる式におよそ一ヶ月にわたりご紹介するシリーズレビューの9回目はまだまだ続く。
そして、所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。キャラクターソング。その劇中のキャラクターになり切って、そのキャラクターや物語の世界観を表現するものです。異能を持つ姉妹とその友人たちの織りなすドタバタ劇のキャラクターソングをご紹介します。
「ひもてはうす」。中野を舞台とした物語で、モテない女子たちがひとつ屋根の下で暮らしながら、なぜモテないのか考えつつも、日常を送る日常系物語....にならないのは、制作は「てさぐれ部活もの」などで、今までにないテイストのアニメを打ち立てたダテコーこと、石ダテコー太郎監督作品だから?登場人物全員が異能持ちという特殊な設定で、ナンセンスギャグたっぷりのドタバタ劇になっている。
あやちゃんは、それまでダテコー組には入っていなかったはずだが、すでにダテコー組だった西明日香とWebラジオをやっているため、素性がばれ才能を買われて、この「ひもてはうす」では主役抜擢されている。
ただ、音楽は話の内容とは180°違って、主題歌
も含めムダに質が良く、力を入れていたようで、その流れで?キャラクターソング集が発売された。
劇中キャラクターが、新曲の3曲のキャラクターソングと、エンディングテーマをデュエットで歌うという企画。ただ、その組み合わせは劇中ではあまり絡みが多いキャラクター同士ではないので、なぜこの組み合わせなのかはイマイチ不明。
まず、あやちゃんのかかわったキャラソン、「8cmの想い」。あやちゃんが演じる、主人公である本郷たえは、紐手三姉妹の中では、三女の紐手こころの友人であるが、今回組んだのはなぜか次女の紐手きなみ。きなみは、三森すずこが演じる。二人とも歌ウマイ声優で、歌う曲もちょっと昔のアイドルユニットの曲という感じの曲調。ただ女子力を高めたいのに、♪月に一度のマツエクにネイルサロン/寝る前に顔パックして潤い補充/足のむくみ対策にもばっちり気を使ってるのに/着圧ソックスの痕がはっきり残っちゃってヤバ…/生足が出せないじゃん♪といった赤裸々な歌詞でダイナシだがw。二人ともかなり「演技」が入っていて、世界観はバッチリ描き出している。声質としては「あーあ」という感じのすねたような雰囲気を出しているので、若干「本気歌唱」ではないが。
ドラマチックで、どこか歌謡演歌のような導入で始まる「一輪」は、1980年代の歌謡曲テイストがある懐かしい曲。歌うのは紐手こころの友人で、紐手家(通称ひもてハウス)に居候する新井みなもと桃園しばり。クレジットには「紐手ときよ(桃園しばり)」となっていて、途中で紐手家姉妹の長女ときよと入れ替わる、紐手三姉妹の父の助手桃園しばりが併記されている。そして歌は「CV木野日菜」となっているので、実際にはCVが水原薫であった紐手ときよではなく、桃園しばりが歌っている(ここらあたりのからくりは、ストーリーの大きな仕掛けの一つなので詳説しない)。組み合わせ的には、接点が少ない二人でチョイス的にはナゾだが(ときよとみなもには接点があるが、しばりとは??)、曲そのものはドラマチックで良い。木野に関してはほとんど識らなかったが、みなもを演じる上坂すみれは歌ウマイ声優の一人。ふたりがちょっとナツメロっぽい切ない歌を歌う。♪もしも願い/叶うなら/一輪ずつ寄り添って/冷たい土の中で手を繋いでいたい/身代わりと知っていてもただそばにいてくれたら/二人/強く生きてゆける♪この歌詞のあたりに、ストーリーの重要なヒントが隠されている...
3曲のオリジナルキャラクターソングのほかに、番組のエンディングテーマ「おうちに帰ろう」のデュエットヴァージョンが、この盤に収められた3組のデュエットによって歌われる。ただ元曲の「おうちに帰ろう」に比べると、歌唱担当部分も違うし、より「キャラクターで歌っている」ので、結構印象が異なる。「おうちに帰ろう(Duet ver.1)」は、「8cmの想い」と同じく、あやちゃんと三森のペアが歌うが、より「役を感じる」声造り。元曲も歌唱は「ひもてはうす住人一同」となっていて、声優の名が入ってはいなかったのだが、あちらの方が「中の人比率」が高い。そのせいか、表現力としては元曲の方が上で、ブレイク後のあやちゃんの切ない感じの声音が、こちらでは若干「造った」感じに聴こえてしまう。声の「洲崎綾比率」としてはこちらのデュエットヴァージョンの方がはるかに高いのだが、曲そのものの完成度としては元曲を推したい。
このアニメ「ひもてはうす」は、いろんな面で型破りで、資金調達を投資型クラウドファンディングで行ったり、30分番組の後半半分がストーリーと関係ないアドリブパートだったり、CDの販路をAmazonに限ることで、制作費を抑えたりとイロイロ規格外の作品だったが、キャラソンの歌詞にいくつかストーリーのネタバレが入っているのも斬新。
この盤には特別なタイトルがついてはおらず、「キャラソン集」とだけ呼ばれる
そういう意味では、手に入れておくべき作品です。
【収録曲】
1. 8cmの想い 本郷たえ(CV洲崎綾)/紐手きなみ(CV三森すずこ)
2. なまえ 紐手こころ(CV明坂聡美)/えにし(CV西明日香)
3. 一輪 紐手ときよ(桃園しばり)(CV木野日菜)/新井みなも(CV上坂すみれ)
4. おうちに帰ろう(Duet ver.1) 本郷たえ(CV洲崎綾)/紐手きなみ(CV三森すずこ)
5. おうちに帰ろう(Duet ver.2) 紐手こころ(CV明坂聡美)/えにし(CV西明日香)
6. おうちに帰ろう(Duet ver.3) 紐手ときよ[桃園しばり](CV木野日菜)/新井みなも(CV上坂すみれ)
7. 8cmの想い(instrumental)
8. なまえ(instrumental)
9. 一輪(instrumental)
「8cmの想い」
親作品を深く理解するには知っておくべき
いろいろと伏線があったり、種明かしがあったりする歌詞を追って、あやちゃん主演の「ひもてはうす」を見返すと、理解が深まる。単なる「イメージ」ソングではない。
曲は良いが「ど」キャラ声なので....
あやちゃんが担当した「8cmの想い」は、三森すずこという声優ユニットミルキィホームズおよびμ'sのメンバーとのコンビで、歌達者同士。曲も若干古めテイストではあるが良曲。しかし二人ともかなりキャラに寄せて「造った」声なので、「歌声や曲の鑑賞」<「世界観の表現の鑑賞」という感じ。
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購入金額
1,300円
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購入日
2018年頃
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購入場所
Amazon
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