テレワークを快適に!シリーズ、今回は宅内LANの高速化、と言うことでギガビット対応 スイッチングハブです。
テレワークでの宅内LANも然ることながら、小規模事務所などにおいても、LAN構築の際に手頃なポート数のスイッチングハブが必要になる機会が間々ある事と思います。
宅内なら5ポートもあれば……そんな風に考えていた頃もありました……
色々と機器が増えてくると宅内でも5ポートでは足りない……
そうだ余ってるHUBがあるから、それ使っとこう!
それが遅さへの第一歩だったとは……
今回もサンワサプライ様からレビュー用に製品提供いただいております。
電源内蔵なのに、この軽さ!
先ずはパッケージ。
今回レビューするギガビット対応 スイッチングハブ(8ポート・マグネット付き)LAN-GIGAP802BK ですが、これ電源内蔵タイプなんですよ。
ACアダプター、コンセント周りで邪魔になるので内蔵タイプが便利です。
内容物。
HUB本体に電源ケーブル、取扱説明書、そして壁掛け用のネジ。
本体正面。
上面および正面からLEDで各ポートの通信状態を確認出来るようになっています。
本体重量は実測で207g。公称値だと本体のみで196gなので若干のズレがありますね。
もしかして底面のマグネット分でズレてる?
流石に8ポートと言う事で、大きさもそれなりですが、手に持った感じでは思った以上に軽いですね。
電源内蔵って事を考えると、かなり軽量な気がします。
本体上面からと正面からの2方向から各ポートの動作状態が確認出来るのは良いですね。
性能は十分、ノンブロッキング仕様
ギガビット対応 スイッチングハブ LAN-GIGAP802BK の仕様は以下の通り。
LAN-GIGAP802BKなので表の右側になります。
スイッチングファブリックと言うのが、スイッチ全体で1秒間に処理できるデータ量を示した物になります。
LAN-GIGAP802BKの場合は16Gbps、8ポートなので1ポート当たり2Gbps。
これは上りと下りの合計値になるので、上りで1Gbps、下りで1Gbps処理が可能と言う事になります。
つまり、各ポートとも1Gbpsフルに活用できる仕様になっていると言う事。
そして、最大パケット転送能力が11.90Mpps(packet per second)。
こちらは1秒間に処理できるパケットの数を示した物になります。
通常イーサネットのパケットの最小サイズは64バイトですが、実際にはその前後に同期用のデータが20バイト程付随するため、1パケット当たり84バイト(672ビット)が最小値になります。
これを基に1Gbpsでの必要能力を計算すると、1ポート当たりで1,000,000,000÷672≒1,488,095(pps)となり、それにポート数を掛けると1,488,095×8≒11.9Mppsとなります。
以上の事から、スイッチングファブリックも最大パケット転送能力も理論上の必要値を満たしており、HUBが原因での速度低下が無い状態、つまりノンブロッキング仕様である事が伺えます。
まぁ、あくまでも理論値最大状態でパケットが送られてきた場合でも問題なく捌き切れる、と言う事であって、実際に使用する際にはそんなに大量のパケットが流れることは先ずありませんので。
とは言え、処理能力が高いに越したことはありませんね。
ファンレス使用で無音、かつ発熱少なめ
では実際に使用してみます。
今回ギガビット対応 スイッチングハブ LAN-GIGAP802BK を使用するにあたり、LANケーブルが速度ネックにならないようにCat.6Aケーブルも併せて用意しました。
つめ折れ防止カテゴリ6A細径メッシュLANケーブル
・KB-T6AME-01BKR(ブラック&レッド・1m)
・KB-T6AME-01BKW(ブラック&ホワイト・1m)
カテゴリ6Aより線LANケーブル
・KB-T6AY-03BK(ブラック・3m)
・KB-T6AY-03W(ホワイト・3m)
・KB-T6AY-03BL(ブルー・3m)
LANケーブル選びで迷ったら、サンワサプライHPに「LANケーブルの選び方」「LANケーブル比較表」があるので、そちらを参考にすると良いかもしれません。
現状、宅内や小規模事務所でLAN構築する場合に、一般的な機器を使うのを前提とするならば、カテゴリー的には6Aが最速です。
と言うのも、一般的に宅内で使用されるLAN関連機器ではRJ-45という形式のコネクタが使用されていますが、Cat.7以上についてはGG-45・TARE・ARJ-45という別形状のコネクタが採用されています。
なのでRJ-45コネクタを採用している物については、厳密に言えば規格に則した物ではなく、例えばCat.7ケーブルであれば、Cat.7相当の通信性能を持つ「Cat.7準拠」として販売されています。
まぁ、そもそもCat.6Aの時点で通信速度10Gbps対応なので、宅内配線として考えると十分過ぎですね。
以下は「カテゴリ6Aより線LANケーブル」ですが、ケーブル自体にCat.6Aとして記されています。
と言う訳で、「このケーブル、カテゴリ何だっけ?」って場合は、ケーブル見ると大抵書いてあります。
さて、宅内LANが遅くなる原因。
接続機器が増えてハブのポート足りなくなったからって、その辺に余って転がってたハブ見つけて喜び勇んでカスケードして繋いじゃうと、そこに罠が……
何でその辺に転がって余ってたのか、って所を考えないと駄目ですね。
ギガビットのネットワークに、100Mのがしれっと混ざり込んだら、そりゃ遅くなるのも当たり前。
筆者がメインで使用しているエリアのLANの機器構成で言うと、
・筆者のメインPC(DELL Vostro 15 7580)
・NAS(TerraMaster F2-220)
・NAS(Synology DiskStation DS216j)
・ファイルサーバー(HP ProLiant MicroServer)
・Nintendo Switch
の5台があります。
まぁ、最後のSwitchは完全に趣味物ですが……
これらはあくまでも筆者がメインで使用しているPCの近隣で同一HUBの配下にある機器と言うだけで、HGWの直下に設置したNETGEAR Orbi RBK50配下には他にも色々と繋がっています。
それでは順に接続してきましょう。
カテゴリ6Aより線LANケーブル(ホワイト・3m) KB-T6AY-03W を、Synology DiskStation DS216j へ。
カテゴリ6Aより線LANケーブル(ブルー・3m) KB-T6AY-03BL を、TerraMaster F2-220 へ。
カテゴリ6Aより線LANケーブル(ブラック・3m) KB-T6AY-03BK を、HP ProLiant MicroServer へ。
つめ折れ防止カテゴリ6A細径メッシュLANケーブル(ブラック&ホワイト・1m) KB-T6AME-01BKW を、DELL Vostro 15 7580 へ。
なお、DELL Vostro 15 7580 へは、サンワサプライ USB Type-C ドッキングハブ USB-3TCH14S2 を用いての接続になります。
最後に、つめ折れ防止カテゴリ6A細径メッシュLANケーブル(ブラック&レッド・1m) KB-T6AME-01BKR を、Nintendo Switch へ。
こちらは Switchにドック代わりの サイバーガジェット CYBER ・ TV出力変換アダプター を接続した上で、さらに サンワサプライ USB3.2-LAN変換アダプタ USB-CVLAN1BKN を接続して有線LANでつかえるようにしてあります。
ギガビット対応 スイッチングハブ LAN-GIGAP802BK の設置場所は、マグネット付きなのを生かしてメタルラックの天板の裏に。
まぁ、天板って言ってもルミナスのレギュラーシェルフなので穴あきまくりですが……
シェルフの細いバーにくっついただけでも本体支えられるだけの力はあるようです。
本体背面のポート側。
8ポートあるうちの6ポートが塞がっています。
接続機器が5台に、WAN側になるOrbiとの接続用ケーブルが1本。
そうなんですよね、HUBってカスケード元との接続用にポート1つ使われるんですよ。
なので、全8ポートと言っても実際に接続できる機器は7台になるんです。
5ポートなら4台まで。
そう考えると、やはり5ポートだと心もとないですよね。
下から見上げた所。
写真では判りませんが、実際には通信中のポートは点灯ではなく高速点滅しています。
テレワークと言う事もあって、朝から晩までずっと稼働しているわけですが、LAN-GIGAP802BK本体を触っても特に熱さを感じる事はありません。
まぁ、周囲が全部開放されているので放熱が上手くいってるのも影響しているかもしれませんが、ファンレスで全く問題無い感じです。
NASの読み書きが内蔵HDDを超えた!
では、実際にどのくらいの速度なのか。
通信速度を計測にするにあたり、DELL Vostro 15 7580からNASやファイルサーバーのディスクに対して「CrystalDiskMark 8 Shizuku Edition (64bit)」を用いてみました。
先ずは参考値としてDELL Vostro 15 7580 内蔵SSD(WesternDigital WD Blue M.2-2280 SATA3.0 SSD 500GB / WDS500G2B0B)の計測値。
そして同Vostro 内蔵HDD(SEAGATE BarraCuda 2.5 HDD 1TB / ST1000LM035)の計測値。
こうしてみるとSSDとHDDの速度差が凄いですね……
SSDの方は速度よりも発熱しない事を優先してSATAのものに換装してあるので、NVMeのものよりも遅い訳ですが、それでもこの速度差ですからね。
そして今更、元々付いてきたHDDがBarraCudaな事に気がついたりして(w
使いだして2年目も終わろうかって頃に初めて気がつくってどうなのよ……(^^;
まぁ、HDDの方は全然気にしてませんでしたからね……
さて、それでは肝心のネットワーク越しの計測。
先ずはファイルサーバー HP ProLiant MicroServer。
こちらWesternDigital WD Blue 3.5 HDD 6TB / WD60EZRZ-RTでの計測値。
そしてNAS TerraMaster F2-220。
こちらWesternDigital WD Red 3.5 HDD 6TB / WD60EFRX(RAID1構成)での計測値。
SEQ1M Q8T1 のRead116.79MB/sをMbpsに変換してみると、116.79×8=934.32Mbpsって事で、ギガビット(1Gbps=1,000Mbps)のほぼ上限近くまで使っている事が判ります。
なお、参考までにSwitchによる有線接続測定。
DL 149.9Mbps、UP 44.6Mbps という結果に。
これでソフトのDLや、アップデートパッチのDLも速くなりますね!
今回、実際にNASやファイルサーバーに大小様々なファイルをコピーしたり、取り出したりしましたが……
本気でローカルのHDDより読み書き速いって言う……(^^;
体感では前述の測定結果の数値ほどの差を感じるわけではないけど、それでも体感で判るレベルでネットワーク越しのNASやファイルサーバーとやり取りする方が速く感じます。
(いずれも内蔵SSDとのやり取りなので条件は同じ。)
現状、PCにしろ、NASやファイルサーバーにしろ、それぞれの物理実装がギガビットイーサネットなので1Gbps上限なんですよね。
そういう意味ではギガビット対応でノンブロッキング仕様なスイッチングハブであれば、普通に使う分には最良って事になります。
ここまで来ると、本当に転送待ちみたいな感じは無くなって、ローカルのHDDに保存するくらいの感じで気軽にNASやファイルサーバーが利用できますね。
-
購入金額
0円
-
購入日
2021年11月20日
-
購入場所
サンワサプライ
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。