シングルプレイのアイソメトリックCRPGです。
Steamのセール時にDLC2本がセットになったDefinitive Editionを購入しました。
クラウドファンディングで開発資金を調達したということだけあって、細部までよく練り込んで作られたマニア向けの尖ったタイトルです。
世界観は、神、宗教、戦争、権力闘争、魔法、災厄といった単語から連想される伝統的な中世ファンタジーです。
ストーリーは、世界で問題になっている「魂のない赤子」が生まれるという災厄の謎を追うというもので、ある出来事をきっかけに魂に触れる力を得た主人公は、その力の源を探すうちに「魂のない赤子」の謎に深く関わっていくようになります。
とにかく文章量が多く、固有名詞が前触れなくたくさん出てくるので、用語を理解しながら文章をしっかり読み込んでいかないとストーリー展開についていけなくなります。
そのため、ストーリーに対する評価は、プレイヤーによって大きく分かれそうです。
奥深いストーリーだと感じることもあれば、難解で分かりにくいと感じることもあるでしょう。
私自身は、話の繋がりが十分に理解できずにクリアしてしまったので、ストーリー展開に丁寧さが欲しかったなと感じました。
ゲームシステムはかなり独特です。
まず、耐久力と生命力、パーレストとパーエンカウンターという馴染みのない仕組みに戸惑いました。
また、キャラクターのステータス周りの仕組みが複雑です。
ステータスの種類が細分化されているため、ステータス間の相関関係が複雑になっていて、強化した時の効果が見えにくいです。
他にも、個々の防具装備に付されているステータスアップ値は単純に累積せず、各ステータス項目の最大値のみが加算される(※)など、癖のある仕様が多いです。
(※ 「防具A:気力+2」と「防具B:気力+1、意思+1」を同時装備する場合→「気力+2、意思+1」が加算)
これらの仕様は、本作の特長でもあるので、ゲーム序盤でいかに早く慣れることができるか。
そこが本作を楽しむ上でのポイントになると思います。
クエストは、やりきれない程にたくさんある訳ではありませんが、選択肢によって結末や報酬、派閥との関係性が変化する分岐型のものも多く、やりごたえがあるものが多かったです。
ストーリー中に下した選択は、各クエストの結末のみではなく、エンディングにも影響を与えます。
パーティの基本形は、主人公+仲間5人(最大)です。
仲間ごとに専用クエストが用意されていて、クエストの進行度に応じて人物像に厚みが出てくる点が秀逸です。
1人1人に性格や生き方などの人物設定がされていて、キャラ立ちしています。
また、職種ごとに技能(呪文・技)に特色があり、覚えきれないくらいの数があるので、パーティメンバーの組み合わせ次第で戦略に幅を持たせることができます。
戦闘形式は、一言でいえば、一時停止可能なRTSです。
ポーズを活用して、パーティメンバー1人ずつに指示を出します。
操作感は、ドラゴンエイジに似ているので、同シリーズをプレイしていれば取っ付きやすいと思います。
また、キャラクターごとにAI設定があります。
設定をしておくことで、ある程度自動で攻撃や回復を行ってくれます。
弱い敵と戦闘する時は、AIに任せておけば十分です。
戦闘攻略のコツは、クラウドコントロールとデバフにあります。
本作では、ステータス異常を与える呪文が非常に強力で、それらの使用を前提とした難易度設定がされています。
強力な敵を相手にする時には、力押しするのではなく、スタンや混乱などで無力化する、盲目などのステータス異常を与えて弱体化し、同時に命中力アップなどのバフで味方戦力を底上げするのが定石です。
初見で全く歯の立たなかった相手であっても、弱点を突いた戦略をもって臨めば、意外に容易く倒せたりします。
総合評価としては、これまでにプレイした海外RPGの中でも名作に位置付けることができますが、本作の特長でもある緻密に作り込まれたゲームシステムに慣れ、重厚なストーリーを理解するには根気さも必要ですから、マニア志向の敷居の高いタイトルではあると思います。
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購入金額
1,990円
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購入日
2021年06月27日
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購入場所
Steam
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