2009年9月9日発売『別冊少年マガジン』10月号(創刊号)から連載を開始した「進撃の巨人」は、
2021年4月9日発売の5月号をもって完結。同年6月9日に、コミックス34(最終)巻が発売となりました。その特装版のコンビニ限定発売「Ending」です。
ローソン/ファミマには全く売っておらず。3軒目にダメもとで駆け込んだセブンには山積みになっていました。10時過ぎで20冊はあったんじゃないかなぁ。最初からセブンに来てればよかった……。
第138・最終話のネームブックつき
Beginningの初回ネーム(連載会議版)に比べて、ネームが物凄く粗いです。でもやっぱりこなれてるというか、迷いがないというか、完成している絵が見えてる感じがしましたね。
……ホントかどうかは作者に聞かんと知らん。
後半は回想と現在の行き来が激しいのでシーン割が大変だったろうなと
またもやネタバレ。23~最終巻、マーレ編です。
1~22の巨人編はBeginningから、ネタバレヤダーなら読後感へどうぞ。
超超ネタバレってるので…。
(23~26巻)エルディアはマーレにより統治され、その巨人の力は軍事力として利用されていた。「戦士」として軍功を上げれば、その家族は名誉市民になれるが、エルディア人は収容区からも出る場合はエルディア人であるという腕章をいつも身に着けなくてはならない。4年にわたる連合国との戦いの末、からくも連合国に勝利したマーレ。パラディ島シガンシナ区の戦いからも4年。パラディ島上陸作戦失敗後1年後以降、部隊をパラディ島へ送り込んだが、1隻たりとも戻ってきていない。
始祖ユミルの「九つの巨人」の内、パラディ島は「始祖」「進撃」「女型」「超大型」を保持すると「獣の巨人」ジークは隊長へと話す。一方、ライナーは、戦士と兵士の狭間で自分の本当が解らなくなり、銃で自殺しようとする。が、戦士候補生のファルコのつぶやきを耳にし、思いとどまる。……自分が守りたかったものは?
「戦槌の巨人」を持つタイバー家、その当主ヴィリー・タイバーが、各国にむけパラディ島を攻略すべしと演説を行おうとする頃、ファルコは親しくなっていた負傷兵クルーガーとライナーを会わせる。クルーガーの正体は海を越え単独潜入したエレンだった。エレン・イェーガーにより「地ならし」が発動されてしまえば、世は危機に陥る、そのためにパラディ島の悪魔と戦ってほしい、と訴えるヴィリーの真後ろでエレンは巨人化し、レベリオを襲撃する。調査兵団の援軍を得、「戦槌の巨人」の力を奪ったエレンだが、その単独行動の結果、サシャが死んでしまう。故郷を蹂躙され怒りに燃えた戦士候補生、ガビに腹部を撃たれたのだ。
単独行動の規律違反により地下牢へ入れられるエレン。そんな中、アルミンは、硬質化した水晶体の中に眠るアニに3年前からの出来事を語りかける。ジーク配下の反マーレ義勇兵との出会い。エルディア人を救いたいという人々と技術導入をした。時間をかければ世界と分かり合えるハズだというアルミン、手出しできないようにしてやるんだというエレン。
(27~29巻)エレンがマーレに単独潜入する2年前、港は完成し、密やかにヒィヅル国との交流が始まる。資源を狙うアズマビトは、「地ならし」「軍事力の底上げ」「獣の巨人の力を王家で継承」こそが世界にエルディアを認めさせる3つの秘策だという。50年の間は、王家の血を持つヒストリアの子らに、代々「始祖」「獣」を継承し、「地ならし」を機能させなければならない、と。
その1年後。ヒィヅル国との交渉は難航していた。資源を独占したいヒィヅル国は、他の国との橋渡しはする気がない。ハンジは、マーレに拠点を設けて、潜入などをするべきだという。線路敷作業の間に知らされたエレンらは、そろそろ「巨人の力」を誰が受け継ぐかを決めなければと話し合うが、エレンは、皆が大事だからと継がせる気はないと言い切る。
現在に戻る。そんなエレンが何故こんなことを…、エレンときちんとと話すべきだというアルミン。
一方、捕虜として軟禁されていたガビとファルコは脱走し、かつてサシャが救った少女カヤと出会っていた。カヤとの交流で、自らの思想が揺らぐガビ。サシャの家族を食事へと招待したマーレ人ニコロのレストランで、ガビは自らマーレの戦士候補生だと名乗るが、彼女がサシャを殺した相手だと知ったニコロは、その頭にワイン瓶を振り下ろす。ワイン瓶はかばったファルコに直撃する。サシャの父は「過去の罪や憎しみを背負うのは大人の責任だ、離しなさい」とガビを許す。ワインにはジークの脊髄液が入っているかもしれない…というニコロ。
そんな中、イェーガー派は総統を爆破し、革命を起こしす。地下牢より逃亡したエレンと合流すると、ハンジが訪れているニコロのレストランへと詰めかけ、ジークの居場所を教えろと迫る。エレンはアルミンとミカサ、ガビをテーブルへ招き、対話する。ミカサを嫌いだと拒絶するエレン。ミカサを傷つけるなとエレンに殴りかかるが、返り討ちに合い殴られるアルミン。
マーレ襲撃時に調査兵団と合流し、巨大樹の森へ軟禁されていたジークは、ワインを口にした兵たちを巨人に変え、リヴァイを襲わせる。だがリヴァイは「獣の巨人」と化したジークをも返り討ちにし、巨大樹の森を抜けた。ジークの過去。エルディア人の唯一の救いは、「安楽死」であるとつぶやくジーク。リヴァイもろとも自爆し、真二つとなったその体を、巨人がそっと腹に収める。リヴァイは瀕死となるが、始祖ユミルの力によりジークは復活した。
パラディ島へ潜入し、エレンに接触する「車力の巨人」ピーク。イェーガー派に地下牢に軟禁されるアルミン達。エレンに協力するから仲間の居場所を教える…と、ある場所を指さすピーク。が、エレンの真下から「顎の巨人」が現れ、マーレの奇襲作戦が始まった。
(30~34巻)エレンと合流を果たそうとするジーク。ジークの叫びにより、シガンシナの兵団も巨人となった。ワイン瓶で殴られ、口にワインが入ってしまったファルコもまた巨人となり、ジークの命令によりライナーを襲った。瀕死の「顎の巨人」ガリアードが身を差し出し、ファルコは「顎の巨人」を継承する。いくつもの屍を超え、エレンとジークが出会う…瞬間、ガビの銃がエレンを襲う。
首を吹っ飛ばされたエレンは「道」でジークと再会する。「道」には始祖ユミルがいた。すべてのエルディア人に安楽死を、というジーク。拒絶するエレン。エレンの記憶。「進撃の巨人」は時を超える能力があり、未来をも見られるという。ユミルに「エルディア人の生殖能力を奪え」と命じるジーク。エレンは、ユミルを抱きしめ、「永久にここにいるか、終わらせるかをお前が選べ」とユミルに言う。「二千年前から、誰かを待っていたんだろう?」と。
ユミルが涙を流し、エレンを受け入れた瞬間、「地ならし」は始まった。すべての硬質化が解かれ、パラディ島の三つの壁となっていた巨人は、世界へと歩み始める。「そこにある命を この世から 駆逐するまで」巨人により世界は崩壊へと向かう。
そんなエレンを止めるべく、アルミン、ミカサ、ジャン、コニーらは、硬質化から戻ったアニや、ライナー、生き残ったマーレの面々、ハンジ、まだ動けないリヴァイと共に立ち上がる。イェーガー派のパラディ島の仲間を倒し、屍も乗り越え、進む。
イェーガー派に撃たれたアルミンは、「道」でエレンと邂逅する。アニはもう戦えないと船を降りる。ハンジを犠牲にアズマビトの飛行艇は何とか飛び、一路「進撃の巨人」エレンの元へと向かう。そして最後の戦いは始まった。ガビ、ファルコ、アニはアズマビトの船に残るが、「後悔をこれ以上増やさないよう」というキヨミの言葉に、援軍に向かうことにした。ファルコが「顎の巨人」を鳥型へと変化させ、アニとガビを乗せ、「地ならし」の最先端へと…。
勝ち目が見えない戦いの中、アルミンは巨人に喰われる。が、意識は「道」へとつながっていた。そこにとどまるジークに出会い、語り掛けるアルミン。二千年もの間、死の存在しない世界=「道」でとどまりフリッツ王に従い続けた始祖ユミル。それは何故だ? それがわかったエレンに、ユミルはついたのだ、というジーク。それでも、僕は諦めません。増えるために必要でもなんでもないけど…すごく大切なものなんですよ。と。思い出に残る落ち葉見つけ、ジークに差し出すアルミン。その落ち葉は、ジークには野球のボールに見えていた。「…俺は、ずっとキャッチボールしてるだけでよかったよ」ジークが、何故人が生きるのか腑に落ちた瞬間、かつての、歴代の「九つの巨人」たちが続々と「道」に現れた。アルミンとジークの説得で、彼らは全て味方となった。
「おーい!」と「進撃の巨人」の中から顕現したジークを、その首を、リヴァイは一刀のもとに切り落とす。「進撃の巨人」のうなじは、ジャンが爆破した。「鎧の巨人」ライナーが、光るムカデのような本体を抑え、アルミンが「超大型巨人」となり、本体を吹き飛ばす。……「地ならし」は止まった。
エレンを殺せば全て終わる、とリヴァイが言うが、ミカサは判断できない。すると、光るムカデは、全ての「ユミルの民」を巨人に変えてしまう。再びの地獄。超大型巨人サイズの「進撃の巨人」エレンと、「超大型巨人」アルミン、光るムカデと、「鎧の巨人」ライナー、「女型の巨人」アニ、「車力の巨人」ピークが対峙する中、リヴァイは再びミカサに言う。「もうエレンを殺せるのは、俺たちだけだ!」
目を閉じたミカサのひと時の白昼夢。エレンとミカサがすべてを放り出して逃げた…という幸せな生活がよぎる。エレンが言う。「オレが死んだらこのマフラーを捨ててくれ」「オレのことは忘れて 自由になってくれ」
ミカサは目を開く。心は決まった。忘れることも、捨てることもできない。「エレンは 口の中にいる 私がやる みんな協力して」
エレンの首を落とすとき、目が合い、ふと微笑んだミカサ。エレンもまた、微笑した気がした。二人を見守る始祖ユミルは、暖かに満足そうに、そこに立っていた。
全てが終わり、アルミンは「道」での出来事を全て思い出す。エレンが忘れさせていたのだ。ミカサが選んだから、始祖ユミルは巨人の力を手放し、全ての巨人の力は消え去った。「道」もまた消えていく。死んだ仲間たちに「見ていてくれたか?」と語りかけるリヴァイ。ジャンとコニーにニッコリ微笑むサシャ。ミカサは、エレンを葬るため、未だ残る巨人の蒸気の中、そっと姿を消した。
そして…巨人は消えた。しかし、戦争は続く。…エレンはいない。木の下皆を待つミカサ。「また、あなたに会いたい…」
和平大使としてパラディ島へ向かうアルミンらの上を飛ぶ一羽の鳥。そっと羽根を落としていったそれは、ミカサのマフラーをそっと巻きなおし、また自由の空へと飛び立っていった。
数年後。エレンの墓標の前に、参る人たち。そしてまた数年後の訪問者。どんどん木は大きくなっている。しわがれた手。そして、マフラーを付けた人物の棺が映る。
木は巨大になっていて、戦争は続いている。すべての建物は破壊しつくされた。巨大な木だけが、そこに残る。何年も、何年も。廃墟は飲みつくすまで巨大となり……そして。
始祖ユミルが逃げこみ、足を滑らせた大樹にも似た、その木だけが森の中にある。
犬を連れた子供が、訪れる―――。
情報量が多く一度ではさばききれないお話
始祖ユミルとフリッツ王。ミカサとエレン。その対比の物語でもあるなぁ、と、あらすじまとめ用に読み返して思いました。いろんな解釈ができるからこそ、各々の心に残りやすいのかもしれませんね。
「よくわからん」と言われるのは、飲み込み切れてないのだろうなと。
結論がしっかり書かれていて、勧善懲悪な物語が好きな人には合わないかもしれません。
心がざわついたり、しめ付けられたり、誰か一人でも「救われて良かった」と思える人がいるなら、この物語はちゃんと成功で、ちゃんと完結しています。
皆、選択して前にすすんでいる。選んだ結果が良かったかどうかは、死んでからでもわからないものですが。
エレン、ミカサ、アルミンが出会い、3人の時間を過ごし、そして他の皆にも出会い……
死と別れを繰り返し、虐殺と殺戮を越え、そしてまた3人へと戻っていく物語。
エレンは二人と仲間の自由のために最後まで戦った。
ミカサは、エレンの自由を受容し選択した。
アルミンもまた、それでもエレンを止めないとと動いた。
一番大事な部分を、どんな状況でも選ばせられるのは、残酷な物語だなと思います。
毎度トロッコ問題を分岐させられてる感じですね。見てるだけの傍観者の立場なら、どんなに楽でしょうね。それでも選ぶキャラクターたちは、自分の進むべき道をしっかりと判断するからこそ進める。……その分岐に後悔しないわけではありませんが。
こういう危機に合わないのが一番ですが、私も選べるようにはなりたいと思いました。
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購入金額
1,100円
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購入日
2021年06月09日
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購入場所
セブンイレブン
aoidiskさん
2021/09/12
今でも 時々読み返しています。
惹かれる漫画ですね。
ふじしろ♪さん
2021/09/12
コメントありがとうございますー!
読みだすとずっと読んでしまいますね。
ギリギリの展開なのにオカピをぶっ込んでくるとか、ユミルの民が全部巨人化とか、色々衝撃でした。