2009年9月9日発売『別冊少年マガジン』10月号(創刊号)から連載を開始した「進撃の巨人」は、
2021年4月9日発売の5月号をもって完結。同年6月9日に、コミックス34(最終)巻が発売となりました。その特装版の書店限定発売「Beginning」です。
連載時とラスト数ページがちょっと違うらしいですが、雑誌は買っていないので比較はできず。
連載開始時のネームブック付
「Beginning」はその名の通り、連載1~2話目の初期ネームです。連載会議用らしいですね。
読んでみた感じ、エレンが最初から、父親関連の記憶をしっかり持ってそうでした(ネタバレなのでボカシますが)。
絶望しかない(と思われる)辛い物語がようやく終わりを迎えた
全く読んだことない人にさっくりと説明をすると、「進撃の巨人」は長い戦記物語とも、ダークファンタジーとも、少年たちが巨大な敵に立ち向かうヒーローものともいえるストーリーとなっています。
1~22巻までは巨人編、23~34巻はマーレ編です。巨人編をWikiなどからざっくりまとめます。
多少ネタバレOKならば以下、ネタバレヤダーならこの項目を飛ばして読後感へどうぞ~。
Beginningは1~22の巨人編まとめをば。
(1巻)人類が突如出現した「巨人」により滅亡の淵に立たされ、生き残った人類は3つの壁を築き、その内側に生きることで100年、ようやく生き長らえてきた。
一番外側の壁、「ウォール・マリア」の南端より突出したシガンシナ区に住む少年エレン・イェーガーは、父母と、幼馴染ミカサ・アッカーマンと暮らしている。壁の外に憧れをもつエレンは、壁外調査を行う調査兵団への入団を希望し、幼馴染アルミンとその夢を語り合っていた。
エレンが10歳のある日、現れた「超大型巨人」によりシガンシナ区の扉は破壊され、巨人の群れが壁内に侵入、エレンの母はエレンの目の前で捕食される。「ウォール・マリア」は放棄され、人類の活動領域は「ウォール・ローゼ」まで後退することになった。
第104期訓練兵団に入団したエレン、ミカサとアルミン。全課程を修了したエレンの前に「超大型巨人」が再び現れ、トルスト区の扉を破壊した。またも巨人の群れがトルスト区を襲う。アルミンをかばったエレンは、巨人に捕食される…。
(2~4巻)エレンが捕食されたと聞いたミカサは冷静さを欠き、窮地に陥る。そんなミカサの前に現れたのは「巨人を殺す巨人」。「巨人を殺す巨人」が戦いの末力尽き倒れると、蒸発していくうなじの中からエレンが現れた。
エレンが巨人?と恐怖する駐屯兵団により、エレン・アルミン・ミカサは処刑されようとするが、アルミンの機転により、「エレンの力で大岩を運び、破壊された扉を防ぐ」という案が採用され、処刑は免れる。しかし、作戦を決行するも巨人化したエレンは暴走し、意識を失い倒れこむ。
アルミンの呼びかけで意識を取り戻したエレンは、兵団に多大な犠牲を払いながらも扉をふさぎ、人類は初めて巨人の侵入を阻止、ウォール・ローゼは死守された。
104期訓練兵時代の回想。
(5~10巻)エレンは監視と警護のために調査兵団へ編入され、同期の配属も決定。ミカサ、アルミン、ライナー、ベルトルト、ジャン、コニー、サシャ、クリスタ、ユミルらが調査兵団に入団する。
第57回壁外調査。エレンの巨人化の秘密を探るため、「自宅の地下室」を目指す調査兵団だが、「女型の巨人」の出現により壁外調査は失敗に終わる。調査兵団長エルヴィンは査問を受け、エレンの身柄は憲兵団へ引き渡されることとなる。
調査兵団は、秘密裏にエレンを護送馬車から脱出させ、間者を捕縛しようとする。アルミンの作戦であぶりだされたアニが、脱出するため「女型の巨人」へと姿を変えたが、巨人化したエレンにより阻まれ、自らを水晶化してしまった。女型が破壊した壁の中には、巨人がいた。壁とは…?
104期調査兵団は、女型との共謀の疑いで、軟禁状態にあった。だが壁内なのに突如巨人が現れ、装備のないまま住民たちを避難誘導することになる。「獣の巨人」の出現。コニーの故郷に取り残された母に似た巨人。…巨人?
ウトガルド城の廃墟で休息をとるも、そこにも巨人が現れ、全員の命が危機に。ユミルはクリスタを励まし、巨人化して、巨人の群れに立ち向かった。ハンジたちが駆け付け、九死に一生を得る104期生。クリスタは、ユミルに「ヒストリア」という本名を打ち明けた。
ウォール・ローゼに巨人の侵入できる穴は見つからなかった。壁上で104期生が待機している時に、ライナーが突如「自分が鎧の巨人で、ベルトルトが超大型巨人だ」とエレンに告白、自分たちの故郷へ同行して欲しいという。
(11~17巻)ライナーに激昂したエレンは巨人化して立ち向かうが、敗北しユミルと共に連れ去られる。「戦士」と「兵士」の二重生活で、精神に異常をきたしているライナー。巨大樹の森で調査兵団はからくもエレンを奪還する。
新生リヴァイ班となったミカサ、アルミン、ジャン、コニー、サシャ、クリスタらは山奥へ身を隠し、エレンの巨人化実験を進める。クリスタは、真の王家レイス家の末裔「ヒストリア」としての過去を語った。
ハンジは壁内に出現した巨人を、ラガコ村住人が変化したものと推定。隠された謎に近づくほど、中央からの圧力がかかり、調査兵団はついには、偽りの王家を擁する現政権によるプロパガンダや、ケニー・アッカーマンの一派により追い詰められ、次々命を落としていく。
ケニーと対峙するリヴァイ。父、ロッドレイスと対峙するヒストリア。重傷を負ったケニーは、巨人化の薬と注射器が入った箱をリヴァイに託して死亡。父たる巨人を倒したヒストリアもまた、自らの身分を公表した。調査兵団は彼女を真の王として擁立、偽王朝とその政権中枢は粛清されることとなる。
(18~22巻)ヒストリアが女王となり、兵団の改革も進んだ。エレンの硬質化能力でウォール・マリアの壁をふさぎ、また生家の地下室を目指すための計画が立てられ、調査兵団はシガンシナ区へ進撃する。シガンシナ区では「獣の巨人」ジークが、ライナーとベルトルトを従え待ち構えていた。
「獣の巨人」はリヴァイによって打ち取られ、「鎧の巨人」は新兵器「雷装」で倒されたが、本体のジークとライナーは「車力の巨人」によって救出される。「超大型巨人」はアルミンの捨て身の陽動作戦によって、エレンにより倒される。どちらも瀕死な団長エルヴィンとアルミン、巨人化薬で救出できるのは一人のみ。リヴァイの判断により、アルミンに注射が打たれ、巨人化したアルミンはベルトルトを捕食。超大型巨人の能力を継承する。
調査兵団はようやくシガンシナ区のエレンの生家へ到達し、地下室で父グリシャの手記を手に入れる。その中には、「壁外にも人類が存在し、より進んだ文明が繁栄していること」「巨人の正体は、始祖ユミルから始まる『ユミルの民』であること」「他の人類からは悪魔の民族と呼ばれていること」「100年前にパラディ島に逃れ、壁を築いた王により記憶が改ざんされていること」などが書かれていた。それらは壁内人類へ公表される。パラディ島からは、巨人がほぼ一掃され、調査兵団たちはついに海へと到達する。
ショックな表現が多いが、それでも…
こうしたかった、でも、罪を背負ってしまった。
それを無視して、幸せになることは、許されない。
そういう分岐がいくつも、いくつも、あります。
どうしてこんなことが起きてしまったんだろう
どうして、死ななくちゃいけなかったんだ
どうして、戦うのか?
色々考え、そして決着する物語だと思います。
選んだことがミカサにとって最良でなくとも、でも世界には最善であった。
その道しか選ぶことができなかったのかもしれない。
昔へ、もっと昔へと思考すればするほど、どん詰まりにハマってしまう。
先へ、先へと見えてしまっても、変えられなければ絶望しかない。
起きてしまったことはもう戻せないからこそ、前へ進めるのだし、
先が見えないからこそ、道を、未知を選べる。
そんなことをつらつらと思えてくるお話でした。
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購入金額
1,100円
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購入日
2021年06月09日
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購入場所
らくだ書店
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