■ 1日目
今は空き家になっている実家の整理をしていたところ、懐かしいものを見つけました。
SONYのウォークマン WM-DD9です。
高級ウォークマンといえばWM-D6Cが有名ですが、こちらは再生特化です。
D.D.(ディスクドライブ)
クォーツロックキャプスタンサーボ(ワウフラッター 0.07%)
ダブルガーターファインギャップEXアモルファスヘッド
Dolby B/C対応
といった高音質機能を装備していました。
定価は43000円でした。
弟が使っていて、ものすごく音が良いといって自慢していました。
という思い出の品が思わぬところで出てきてなんだかうれしくなりました。
しかもテープが入ったまま。これは聞いてみよう..とワクワクしたのもつかの間、
電池BOXの蓋が開きません。というかびくともしません。
これは嫌な予感...。
よく見ると電池BOX付近のDCジャックの電極が緑青だらけになっています。
嫌な予感がいよいよ確信へと変わりつつあります。
ボディに貼り付いている電池の蓋にカッターやらドライバーやらを突っ込んでメリメリとはがしてゆき、ようやく蓋が外せました。
思った通り盛大に液漏れしています。
電池ボックスのなかも青い物質とぬるぬるした液体で見れたものではありません。
しかたがないので全分解。
電池ボックスを中心に、コバルトブルーっぽい青いなにかがこびりついています。
『これは動かないな...』と思いつつさらに分解。
ICや部品がいろいろ乗っている側は、被害はすくなそうです。
ただし致命的な状態のものもありました。
上の写真で、接点むき出しのモードスイッチが2か所(S702とS703)ありますが、S703は根元が腐食していて今にも折れそうです(というか触ったら折れました)
本気で直そうと思ったら同年代のウォークマンジャンクでも手に入れて交換するしかないですね。
スルーホールとかも腐食していそうな部分があちこちにあるのですが、ここはUEW線でジャンパとかを考える必要があります。
そして古いウォークマンのあるあるもありました。
ゴムベルト伸びてました。(もう片方は多少ましですが)
というわけで、今回はここまでです。
次回はもう少し修理の検討を行います。
それにしても90年頃の電化製品はいまのと実装方法が全然違うんですね。
タンタルコンデンサ多いし、フレキの接続もパターン間隔広げてはんだ付けなんですね。
■ 2日目
あまり時間が取れませんでしたが、アルカリ電池の電解液でパターンがボロボロになっている部分の清掃をしました。
電池と接触する電極がある部分の裏側です。コバルトブルーっぽいなにかが付着していますが、水に溶けるわけでもなく、結構固く固まっているので絵の具の代わりにはならなさそうです。
このブルーな部分は、ソルダレジスト(基板の緑色に見える塗膜)と基板の銅パターンの隙間に侵入して銅と反応して生成されるようなので、表面のソルダレジストをはがしてから基板を磨きます。
写真では汚い仕上がりですが、これでも結構頑張って除去したほうです。新たにソルダレジストを塗ればもっと良いのでしょうが、持っていないのでとりあえずそのままです。
電解液がどこに付着しているかわからないので、この後思い切って水洗いしました。水洗い後は完全に乾燥するまでは通電しませんが、多少は効果があったと思いたいです。
それから写真にはとっていませんが、フレキのはんだ付けを外すときに、電解液がしみ込んでいる付近はなかなかはんだが乗らなかったです。
はんだごてを当てると『ブシュブシュ...』といったなにか(電解液だと思いますが)が沸騰するような音が発生してなかなかはんだが溶ける温度まであがりませんでした。
予想以上に深刻なダメージがあるようです。
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購入金額
20,000円
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購入日
2000年09月08日
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購入場所
jive9821さん
2021/09/08
もし完動品であれば、今はかなりのプレミア価格になっている製品ですね。
友人がこれを持っていて、私は当時AIWA党だったので、限定モデルの
HS-EX50(金ピカ塗装で有名)を使っていました。ワウ・フラッターの
少なさはWM-DD9が、アンプの強力さはHS-EX50がそれぞれ有利だった
と記憶しています。
aPieceOfSomethingさん
2021/09/09
分解した写真を弟に送ったら、『どうせ動かないならそのままオークションに出せば結構な値段で売れたのに..』とか言われてしまいました。
沈みかけた船に乗りかかってしまったので、せいぜい悪あがきしてみようと思います。
実家にはTC-D5Mのジャンクもあるんですよね...。こちらは動くのですが再生すると盛大なノイズが発生します。トランジスタとかが壊れているかもしれないですね。