レビューメディア「ジグソー」

戦争に翻弄された悲運の高速機関車は東ドイツで転生ライフ

って転生モノっぽい。

 

自作PCをやっていた時から自分は「一度ハマると色々買いまくってしまうが一番欲しいものを買っておけば少し落ち着く」傾向があるのは判っていた。
という訳でNゲージ熱が再燃した今年、早いうちに一番欲しいものを手に入れとこう。

はい、正直お高いというかもう1両の機関車としてはアカンお値段ですが買ってしまった、ドイツ国営鉄道(東ドイツ)DR 18.201蒸気機関車(この模型は改名時のBR 02.201名時代)。ヤフオク経由なので還元キャンペーンとか吟味しても3万円オーバー。海外型の車両は元から高い上に並行輸入品になるので更にお高い。3万円あれば寝台特急のフル編成いけるぞこれ。


まあ実際コレ買った後熱が落ち着いたので間違ってなかったし満足したんだがお高いですわぁ…

とにかくこの蒸気機関車はカッコイイ。個人的にツボすぎるデザイン。流線形蒸気機関車の1種といえるデザインなのだが、全体をカバーで覆ったタイプと比べると控えめだがモダンな感じがする。
そうまるで蒸気機関車がもう少し長く使われた時に産まれていそうなデザイン…それもそのはず。この機関車がこのカタチで出来上がったの1961年と蒸気機関車としてはかなり新しい(古いけど)。

更新: 2021/06/19
満足度

ほしいものはほしいしかっこいいものはかっこいい

※しばらく実車のハナシ

元々は戦前のドイツ帝国で「ヘンシェルヴェーグマン」という高速急行列車牽引用に作られた61型蒸気機関車で、その2号機。
当時は全体をカバー覆う(これはこれでステキデザインな)タンク型機関車だった。予備機が居なかった1号機の増備というカタチで若干の設計変更が入っている。スペック的にはドイツ最速蒸気機関車候補の1つだったとか。
しかし出来上がった直後に第二次大戦に突入してしまい、1号機と異なりヘンシェルヴェーグマンの運用には入れず、なんとか戦争を生き延び、戦後東ドイツ国鉄に継承された。1号機は西ドイツ国鉄に継承されてしまったためそれぞれで予備機の居ない存在となり1号機は後に解体されている。


で、この2号機はそのままじゃ扱いにくかったのか高速列車試験用として改造されることになり、世界でも最大クラスの動輪等はそのまま、他の機関車の部品やらテンダーやらを組み合わせて大改造というか半分作り替えみたいな形でこうなったのが1961年。その時名前が18.201となった。
なので当時最新の技術が盛り込まれていて、流線形機関車としてはモダンなスタイルを得たという訳。

流線形は伊達ではなく速度試験では180km/hオーバーの記録を叩き出したとか。ストライプもカッコイイ。パッケージもそれをアッピルするデザイン。


高速度試験はもちろんテンダー機関車化で扱いやすくなったのか営業運転もこなし、ちゃっかり東西統一後のドイツでも走っている(途中でこの模型の名前である02.201になっているがその後戻る)。戦争で活躍の場を奪われた機関車が(姿はまるで変わったとはいえ)東西統一まで生き残ったのはなかなかステキエピソード。

 

実質ワンオフの高速度試験機、戦争に翻弄された生い立ち、何より程よい流線形と大変好きな機関車なのだがまあーNゲージ模型だと当然海外製で入手性は悪いわ高いわ。自分にとってはその価値があったけどオススメデキナイお値段。

しかしNゲージでも圧倒的存在感の巨大スポーク動輪を動かして走る姿はたいへんまんぞく。

更新: 2021/06/19
使用感

TOMIX常点灯コントローラと相性アリ(コンデンサ撤去で対応可)

模型はArnold(アーノルド、アーノルト カプラーで有名)ブランド。Hornbyによる買収後の製品なのでモノは最近なのだけど、Arnold独立時代から同じ見た目で製造されている…らしい(購入したショップの説明から)。

 

ボイラー近辺は金属で作られずしりと重い。モーターはテンダーに入っているのでテンダーも重い。モーターは説明書の図から察するにフライホイール付きらしい。

ライトは機関車・テンダー共に前進方向のみ点灯。それぞれ白いライトが3か所。たぶんLED。
いわゆるアナログ仕様でDCCではないので国内向けの一般的コントローラで走行可能。テンダー部にDCCデコーダー用のコネクタも装備しているが自分には無縁の世界。
…と思ったら結局そのあたり触るハメになる。

 

自宅はTOMIX製のコントローラとレールを使っていて、コントローラはN-1000-CL(N-1001-CLの旧型)。これを使うとスロー走行ができなかったり走行中に途中で止まったり走れない訳じゃないがなんかスッキリしない感じ。
こんなもんかと思ったらKATOのTGVとかで起きてる現象にソックリだ。それと原因が同じだと仮定すれば車両に搭載されたコンデンサが相性問題を出すらしいので、それを取り除けばN-1000-CLでもスムーズに動くハズ。

…なんかDCCコネクタ用ダミープラグ(テンダー上部を外すとでてくる)にコンデンサありますね。KATOのTGVもモデルによってはここにコンデンサあるらしいしビンゴでは?でもダミープラグも簡単に入手できるわけじゃないし…うーん…えーい!バキ

 やったぜ。スムーズに走るぜ。バキってやるとき心臓バクバクだったけど。同じプラグついてる車両なら応用できるかもしれないが絶対に責任はとれない。

 

集電も本体とテンダー両方からやっているのかうちの車両全体を見ても安定感のある走り。ただ重さとビジュアルの割に牽引力はあまりなくスリップしやすい。転がりのいいKATO製の客車でも自宅の平坦ループで問題なく走るのは8両程度まで。それより長いとカーブの抵抗でスリップして速度が落ちだすので、高低差のあるレイアウトだと更にキツいだろう。

まあ18.201型になってからは知らないが61型時代は機関車+4両の客車急行に特化した設計だったのだからあまり長編成は似合わないが。

 

カプラーはアーノルドカプラーでフロント用のカプラーも付属。カプラーポケットは小さいが試しにかもめナックルをつけてみたらギリギリ入って使えた。まあ試しただけでアーノルドに戻したけど。

 

ちなみに構造上当然テンダーと本体との間に配線があるのだが、自分が入手した個体はそこのはんだ付けが弱かったのか、一度テンダーと本体の接合部を外した時に負荷がかかったのか(たぶん両方)あっさり配線が外れてしまった。必死こいてはんだ付けしなおしたが治せなかったら悲しみの向こうへ行ってるとこだった。

 

あとこれは他の海外型機関車にも言える事だがひっぱる客車も真面目に入手しようとするとお高い。

実は去年辺りからポポンデッタがArnoldの正規輸入を始めたのでモデルによっては並行輸入よりは少し安く入手できるようになっているがそれでも高い事に変わりはない。一応正規輸入予定のラインゴルト客車(保存後に牽引歴アリ)を予約しているが、それも安くはない。

ジャンクで買ったぼろっちいドイツ型客車をテキトーに繋げても(実車が保存車両なのもあり)違和感ないし、案外家にあった日本国鉄20系客車でもわりとそれっぽいのでそこは自分のテキトーな性格に助けられた感。

これ買って満足したおかげでこの後Nゲージはジャンク客車とパノラマカーくらいしか買ってない…買ってるじゃねえか。

  • 購入金額

    34,000円

  • 購入日

    2021年頃

  • 購入場所

    ヤフオク

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