所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。今更...という感じの定番品も目先を変えるとオッと人目を惹きます。そんな化粧直しで購入に至った定番品をご紹介します。
“自己ベスト”。このアルバムの中身を聴いたことがなくても、このアルバムの記事には接したことがある人は多いかも知れない。この作品は小田和正がオフコース時代の作品とソロになってからの作品からの代表曲を多くの新録音を入れつつ編んだベスト。2002年4月のリリースだが、今年(2013年)6月3日付オリコン週間アルバムランキングでランクイン(300位以内)し、足掛け11年1ヶ月で通算500週目のランクインを果たした怪物アルバム。
自分にとっては小田和正と言えばオフコース時代で、特に3人のメンバー(松尾一彦、清水仁、大間ジロー)が加わってバンドサウンドになった1979年以降で、オリジナルメンバー鈴木康博脱退(1982年)以前の3年間、作品としては頂点を極めた“Three and Two”~“We are”~“over”~“I LOVE YOU”の4枚、The BeatlesをオマージュしたようなTVスペシャル“NEXT”あたりで燃え尽きた感がある。
彼等がその後一時活動を休止したこともあいまって、自分の中で「懐メロ」になっていた。時々TVから歳を取っても衰えない透明感のある小田の声が聞こえて、あぁ、と思うことはあっても新たに購入することはなかった。
本アルバム“自己ベスト”のことは当然知っていたが、そういうわけで10年間スルー。それを改めて買う気になったのはジャケット。決して「完全限定生産」ではないのだが、遠くに水平線が見え、夏らしい雲にカモメが戯れるバックに東京タワー(もちろん!2002年発売なので)が音符をながしていて、周りの商店の看板や吹き出しが曲名、という装丁の爽やかなジャケットが、この時期だけ冬の装いになる。
デコレーション&ライトアップされた東京タワーが雪降る夜の街に映える冬季限定ジャケット。一部の曲名(吹き出しであったもの)の位置も変えてあるという芸の細かさ。
ちょうど平積みされていて、CD店内に自分がオフコースを聴き始めるきっかけとなった曲=「愛を止めないで」が流れていたので、懐かしくて購入する気になった。
オフコースの頃の名曲も新アレンジで蘇る。
その「愛を止めないで」。なんと言ってもPRISM
の木村万作のエネルギッシュなドラムスがグイグイ引っぱる。導入部の転調も小粋。オーソドックスな8ビートだったものが喰うリズムになって、スピード感が出た感じが曲の内容に合ってる。これは1996年のセルフカバー作“LOOKING BACK”から。
一方オリジナルの良さが改めて沁みたのは「言葉にできない」。鈴木が離脱するラストコンサートで文字通り「言葉にできな」かった小田の映像が心に焼き付いている名曲。本バージョンはピアノの弾き語りではじまるライヴ音源にストリングスをオーバーダビングしたドラマチックな造りだが、バスドラムの淡々としたリズムにベースでメロディがなぞられるオリジナルバージョン(↓)がやはり良い。♪あなたに会えて/ほんとうによかった/嬉しくて/嬉しくて/言葉にできない♪と歌う小田が最後に感極まってシャウトする♪今、あなたに会えて!♪というくだりと、それに寄り添う松尾のハーモニカ、イントロのト長調から曲中の変ホ長調への転調が自然で良かったな。
ソロになってからの曲としてはやはり「ラブ・ストーリーは突然に」か。新録らしいがオリジナルのメンツで演られるこの曲はなんと言っても名手佐橋佳幸のキレるギターのカッティングと、これも名手Sing Like Talkingの佐藤竹善
のコーラス。改めて聴くとイイ曲だな。ドラムスは打ち込みなのに、グルーヴィーなのはNathan Eastのベースの躍動感かな。
セルフカバーながら、時が経って円熟したプレイで曲の新たな局面が見えたり、改めてオリジナルが聴きたくなったりした「きっかけ」になった作品でした。
切ない小田の声にはやはり冬が合うね!
【収録曲】<>内オリジナルリリース年
1. キラキラ <2002>
2. 秋の気配 <1977>
3. 愛を止めないで <1979>
4. さよなら <1979>
5. Yes-No <1980>
6. 言葉にできない <1982>
7. 緑の日々 <1984>
8. Oh! Yeah! <1991>
9. ラブ・ストーリーは突然に <1991>
10. my home town <1993>
11. 風の坂道 <1993>
12. 伝えたいことがあるんだ <1997>
13. 緑の街 <1997>
14. 風のように <1997>
15. woh woh <2000>
mora 該当アルバムページ(試聴ファイルあり)
歌詞がスッと入ってくる
特に「言葉にできない」は、オリジナルも含めて「詞を聴く」曲。
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購入金額
3,059円
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購入日
2013年12月15日
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購入場所
山野楽器
れいんさん
2013/12/30
。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン
北のラブリエさん
2013/12/30
でも聴いてみたくなりました。
ひさびさの小田和正。
cybercatさん
2013/12/30
cybercatさん
2013/12/30
ぜひ!ww
しばさん
2013/12/30
みっちゃんさん
2013/12/30
これは良いですね~~~(╹◡╹)
cybercatさん
2013/12/30
cybercatさん
2013/12/30
>さよなら・・・青春だったなぁ
どぞ。
しばさん
2016/03/07
しばさん
2016/03/07
cybercatさん
2016/03/07
というか、自分としては小田と鈴木康博の2人時代~松尾、清水、大間の3人が加わった5人時代が印象が強かったですね。小田のソロ楽曲自体がなんか、「バンドを離れたソロ活動」という印象。
かなり作風が変わったのでちょっと別のバンド、という感じですが。
2人時代は「秋の気配」、5人時代は「愛を止めないで」が好きですね。
cybercatさん
2016/03/07
atsuo@tokyoさん
2016/03/07
ちょうど脳みそ疲れすぎていて、まったり聴けて良いです。
cybercatさん
2016/03/07
古いレビューも時々修正(新規情報追加、誤字・脱字・誤情報訂正、リンク切れ修正)するで、その時にコメントいただくこともありますね。
>久しぶりに聴きたくなって
皆さんの音楽との出逢い・再会を仲立ちすることができれば、これに勝る幸せはありません。