まずはCD収録楽曲の「ZEAL of proud」については、公式のサンプル映像が用意されていますので、そちらをご覧いただくのが手っ取り早いでしょう。

Roseliaらしい構成の楽曲ではあるのですが、ちょっと楽曲としての個性は薄いかなと感じました。ただ、ヴォーカルパートで普段あまりソロで歌う機会が多くないメンバーにもソロパートが割り当てられていて、その意味での新鮮味はあるといえます。

一方、Blu-rayに収録されている「Rausch」ですが、こちらは2020年2月に開催されたライブとなります。つまり、新型コロナウイルスによる大規模公演自粛の直前というタイミングであり、短いインターバルでのライブが続いていたこともあったことから、演奏も割合安定感があった時期のものです。

Roseliaは2020年8月に、大規模公演再開の先陣を切って野外ライブ「Einheit」を開催していますが、このときの模様を配信で観た限りでは、メンバー間の演奏レベルにかなりばらつきがありました。自粛期間中には全体練習等も出来ず、スタジオ等も使えなかったことから自主練習もかなり限定されていたということで、どうしても練習量が不足していたのでしょう。その意味ではこの「Rausch」の方がバランスの良い演奏だったように思います。もっとも、ヘッドフォンで聴いていると露骨に修正の入った場所が判ってしまうので、生で聴いていればそこまで差は無かった可能性はありますが…。

「Rausch」ではアンコールで演奏された楽曲が象徴的でした。アンコールの1曲目は当時の最新シングル「約束」である一方、2曲目は初期の代表曲である「LOUDER」でした。この「LOUDER」はこれまでのライブで欠かさず演奏されたほどお馴染みといえる楽曲でしたが、これ以降のライブでは一切演奏されなくなりました。ゲーム内でのストーリー展開によるものらしいですが、それだけが理由であるかどうかは何ともいえません。

※「LOUDER」はこのライブの最後で演奏されています

生憎「Rausch」のサンプル映像などは公式で用意されておらず、ここで紹介することは残念ながら出来ませんが、前述の通り演奏面でのまとまりは良く、この映像のために入手しても十分納得できるものと思います。