レビューメディア「ジグソー」

「アニソン界の大型新人」目当てで

アニメ音楽最大規模のライブイベントである「Animelo Summer Live」。

 

音楽好きとしてアニソン分野も一応チェックするものの、直接ライブに行ったり、パッケージ化されたソフトを買うというほどでは無く、毎年TV放映される短縮編集版を録画しておいてみるという程度の楽しみ方でした。NHKで放映されるときには、アナウンサー、アニサマの斉藤プロデューサー、当該日の出演者による副音声のコメンタリーも用意されていて、意外と面白いというのもあります。

 

今年は「アニソン界の大型新人」と銘打って、ラブソングの帝王とも称される大物シンガー、鈴木雅之が出演するということで、NHK BS PREMIUMで放映されたものをまずは視てみました。

 

アニソン中心のイベントということで、当然ではあるのですが放送で紹介されたのはアニメ主題歌となった「ラブ・ドラマティック」でした。これは声優ユニット「スフィア」をバックに従えてのパフォーマンスで、普段とは違う客層を相手にしながらも、結構本人も楽しんでいるように見えました。

 

そうなると残りのパフォーマンスも見てみたいと思うようになり、思い切ってBlu-rayディスクを入手してみることにしたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これはあくまで「Animelo Summer Live 2019 -STORY- DAY 1」だけのディスクなのですが、計48曲でBlu-ray2枚組となるほどの量です。ただ、ここ数年はどうもレコード会社間の関係性に左右されているのか、キングレコードやUNIVERSAL等のレーベルに所属するアーティストが異様に少ないように思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブックレットは最低限の造りとなっています。本来は次年度の「Animelo Summer Live」最速応募券も添付されるのですが、私の場合はそれを抜き取られた中古品で入手していますので、当然ありません。

 

更新: 2020/06/06
総評

目当て以外にも楽しめる部分が見つかることが収穫

まずは収録内容を確認しておきましょう。

 

 

Disk 1


01. ようこそジャパリパークへ / けものフレンズ×i☆RiSphere
02. 乗ってけ!ジャパリビート~け・も・の・だ・も・の / けものフレンズ with オーイシマサヨシ
03. Shocking Blue / 伊藤美来
04. 閃きハートビート / 伊藤美来 feat. 佐藤純一(fhána)
05. Ray Rule / 石原夏織
06. TEMPEST / 石原夏織
07. Grand symphony / 佐咲紗花
08. あんこう音頭~High-Flying Future!! / 佐咲紗花
09. Enter Enter MISSION! / 佐咲紗花×渕上 舞
10. BLACK CAT / 渕上 舞
11. Lost Princess / アニメロサマープリンセス from プリンセスコネクト!Re:Dive
12. Connecting Happy!! / アニメロサマープリンセス from プリンセスコネクト!Re:Dive
13. 限界突破×サバイバー / 氷川きよし
14. TOUGH BOY / 氷川きよし
15. TRY UNITE! / 中島 愛×石原夏織
16. ORDINARY LOVE / 逢田梨香子
17. 蒼い鳥(M@STER VERSION) / 如月千早 feat. ピアニート公爵
18. グローリー! / 三森すずこ×オーイシマサヨシ
19. ファッとして桃源郷 / 三森すずこ×石原夏織
20. ドキドキトキドキトキメキス♡ / 芹澤優♡→三森すずこ←♡大坪由佳
21. ユニバーページ / 三森すずこ×渕上 舞
22. 会いたいよ...会いたいよ! / 三森すずこ


Disk 2


23. 楽園都市 / オーイシマサヨシ
24. オトモダチフィルム / オーイシマサヨシ×オーハシアヤカ
25. forget-me-not / ReoNa
26. 虹の彼方に / ReoNa
27. 幻想曲WONDERLAND / i☆Ris
28. Endless Notes / i☆Ris
29. アルティメット☆MAGIC / i☆Ris
30. ワタシノセカイ / 中島 愛
31. Bitter Sweet Harmony / 中島 愛
32. ラブ・ドラマティック / 鈴木雅之 feat. スフィア
33. 違う、そうじゃない~め組のひと / 鈴木雅之 feat. スフィア
34. LOUDER~BLACK SHOUT / Roselia
35. BRAVE JEWEL / Roselia
36. This game / Roselia feat. Konomi Suzuki
37. 真理の鏡、剣乃ように / 鈴木このみ
38. 蒼の彼方 / 鈴木このみ
39. DAYS of DASH / 鈴木このみ
40. divine intervention / fhána
41. 青空のラプソディ / fhána with あにさまフレンズ
42. きみは帰る場所 / fhána feat. Gothic×Luck
43. 僕を見つけて / fhána
44. MOON SIGNAL / スフィア
45. Music Power→!!!! / スフィア
46. Now loading...SKY!! / スフィア
47. LET・ME・DO!! / スフィア
48. CROSSING STORIES / アニサマ2019出演アーティスト

 

 

それぞれのディスクには、特典映像としてバックステージの様子なども含まれます。

 

 

目的の部分の関係から、まずはDisk 2から見始めました。

 

2枚目のトップとなるオーイシマサヨシですが、率直に言ってしまえば普段それほど聴くものではないのですが、ライブパフォーマンスを見るとやはり実力はあるなと感じさせられました。フェス形式だとこういった発見が面白いわけです。

 

 

 

 

(注.Blu-rayは原則スクリーンショットを撮れないため、画面表示を撮影しています)

 

 

 

数組後に、本命の鈴木雅之が登場します。写真はTVで見られなかった「違う、そうじゃない~め組のひと」のメドレーですが、さすがに若手の歌手とは存在感が全く違いますね。会場の雰囲気を完全に支配する貫禄を見せていました。

 

客席に「鈴木雅之のファン」という層はほとんどいなかったと思うのですが、大抵の人が知っているような有名な持ち歌が何曲もあり、また誰もが納得できるだけの歌唱力も持ち合わせていますので、客席もしっかりと自分の土俵に引きずり込んでしまったような印象です。

 

次に登場したのは「バンドリ!」から生まれた、声優で組むリアルバンド「Roselia」でした。声優のリアルバンドというと、かつて「けいおん!」から生まれた「放課後ティータイム」が元祖といえる存在ですが、以前見たときからRoseliaはそれよりも遙かに高い次元の演奏だとは思っていました。本物のロックバンドと比べると、と思っている部分はありましたが…。

 

しかし、ここでの演奏には正直驚かされました、以前見たときよりも遙かに上手くなっていますし、何よりも音の勢いや力強さが完全に本物のロックバンドの域に達しています。当然プロ集団である「アニサマバンド」と比べれば正確さやテクニックでは及んでいませんが、ステージングなども場数を踏んだバンドのような余裕が感じられましたし、アニメを背負わないごく普通のロックバンドとして聴いても通用する音だと思いました。他の日に登場している、同じ作品からのバンドである「Poppin' Party」ではこのような感覚はありませんでしたので、良い意味での意外性を感じました。

 

 

 

 

▲鈴木このみとのコラボ。これが形になっていることに感心
▲鈴木このみとのコラボ。これがきちんと形になっていることに感心

 

 

 

 

Disk 1の方は、個人的にやや聴き所は少なかったのですが、佐咲紗花などはさすがの実力だと思いました。実はこの人のアルバムは1枚だけですが持っていたりします…。

 

ライブイベントであるだけに、出演者の実力がさらけ出される部分がありますので、好みは別にして力はあるなと感じさせられるアーティストが何組かは見つかるのが、この長いライブを見る醍醐味ではないかと思います。

更新: 2020/06/06
音質

音圧を高くすれば良いというものでは無い

収録されているパフォーマンスそのものには十分満足できましたが、オーディオ好きとしてどうしても触れなければならないと思ったのが、オーディオ的な品質の低さです。

 

これはこのディスクだけでは無く最近のJ-POP・アニソン全体にいえることなのですが、とにかく激しくコンプレッションをかけて、ピークレベルが0dBに貼り付いているような録音となっています。どうも分解能が妙に低い音であることが気になり、波形を確認してみたところ常時0dB付近まで音が記録されているようなひどさでした。

 

このような録音は一見音が派手に聞こえ、迫力が出て分かりやすく音が良いように感じられます。しかし、実はダイナミックレンジが極端に狭くなっていて、演奏のニュアンスや空気感などは表現されなくなってしまうのです。最近の、特にポータブル系のオーディオ機器では、このような音源を想定して音作りをしてしまっているものも少なからずあり、逆に録音の良いソースが聴くに堪えないものになってしまうこともあるわけです。

 

試しにBSで放送されていた、別のアニソン系ライブイベントを録画して聴き比べてみましたが、何とBS放送の方がまだ分解能が確保されていました。

 

このような音は、一聴しただけの時点でのインパクトだけを狙った、いわば店頭効果だけを狙ったものであり、本格的に高品位な環境で鑑賞することを忘れてしまっているとしか思えません。音楽をリスナーに伝えるために本当にこの音で良いのか、エンジニアの皆さんにはもう一度考えて欲しいと思います。

  • 購入金額

    4,600円

  • 購入日

    2020年04月06日

  • 購入場所

    ヤフオク!

13人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • 北のラブリエさん

    2020/06/06

    鈴木雅之とスフィアがでるならカップリングの「渋谷で5時」も欲しかったかなあ。
    参加している菊池桃子の声が可愛いんですよねw

  • jive9821さん

    2020/06/06

    > 北のラブリエ さん

    この曲が出た時に「何故菊池桃子?」と思ったのが記憶に残っています。確か「恋人」がヒットした後くらいでしたね。

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