レビューメディア「ジグソー」

結末は最初からわかっている。それに向かって流れていく過程(と挿絵)を楽しむ物語。

本の蟲。
実は結構読書家で、特に若い頃は乱読しました。
ジャンル的にはSF~ファンタジー~ミステリなどからコミックまでイロイロ。
3桁では収まらない蔵書の中からトピックをご紹介していきます。

 

ラノベは設定で半分決まる(持論。

基本荒唐無稽な設定が多いラノベ、SF系やファンタジー系でなくとも、主人公達の関係が突飛だったり、置かれた立場が特殊だったりする中で、それをスパイスに恋愛や成長などを描いていくものが多い。

 

...が、これは突飛すぎるかもw

 

書いたのは、奴隷少女が実は最強の魔導師で、育ちのコンプレックスから自分の能力をわかっていないが、拾ってくれた貴族令嬢やその友人・ライバルたちと魔法学校に通いながら成長する...というロリ系微百合ラノベ「十歳の最強魔導師」(未完のため未レビュー)の天乃聖樹

 

なろうでも連載されていた「十歳ちゃん」が、ほんわか面白いので、その作者なら...と購入したモノ。

 

学園ものラノベ、「可愛い女の子に攻略されるのは好きですか?」。

 

「十歳ちゃん」は外国っぽい設定で、登場人物の多くが魔導師で学園が舞台ということで、ハリポタをさらに異世界ヴァージョンにしたようなシチュエーションなのだが、政界や財界人の子息などが通う名門校とは言うものの、こちらは日本なので、普通な設定に...なるわけなかったwwww

 


 

主人公は北御門帝(きたみかどみかど)。父は与党の幹事長、母は現首相の実姉、今まで多数の首相を輩出してきた名家にして、日本で五指に入る資産家の後継者。

 

ヒロインは南条姫沙(なじょうきさ)。日本の闇社会を陰謀で牛耳ってきた家系の長女。

 

北御門家と南条家は不倶戴天の敵同士であり、関ヶ原の戦いも本質は両家の抗争だったと言うほど、歴史的に長い間争ってきた。

 

その次代を担う二人が、同級生として通う蒼世学園で対決する!

 

勝負は...恋愛ゲーム??...勝敗はどちらかが相手を惚れ込ますことができるか??

 

頭脳明晰、運動神経バツグン、さらに財力や様々な権力を持つと、目的のためには手段を問わず、悪知恵と南条家の持つ裏コネクションも使う姫沙の対決。それは凄惨な力と力のぶつかり合いに...ならなかったw

 

清廉潔白を旨とするは女性と付き合ったこともないDT、対する姫沙もお色気戦法で来るわりには最後の最後はビビってしまう初心な娘。互いに憎からず想っていながら、は家を背負った体面上、姫沙は冷酷になりきれない乙女心で自らは好きと言えず、なんとか相手に言わせようと奮闘する。

姫沙は攻撃力は結構高いが、防御力はほぼ、紙。
姫沙の色仕掛けは、攻撃力は結構高いが、防御力はほぼ、紙。

 

この二人の勝負に絡むのがまたスゴイメンツ。

 

中学二年の姫沙の妹、くん好き好きオーラ出まくりで、すーぐ躰の関係に持ち込もうとする無邪気な大胆さを備え、姫沙のスマホの待ち受けがであることなど姉の弱みも握る?カワイイ策謀家南条美月(なんじょうみづき)。
 

稀代のトラブルメーカーで、歴史的にも織田信長の居場所を「ついうっかり」明智光秀に漏らしたことで本能寺の変のきっかけを作ったという祖先を持つお騒がせ家系の末裔、「混沌の召喚者」の異名と、たわわなワガママボディを持つ同級生、瓦屋木影(かわらやこかげ)。

 

親の決めた許嫁ながら、幼いころから一筋、常軌を逸し常識をかなぐり捨てた、かなり度を超した愛の重さを持つ、財界の巨人静川財閥のご令嬢、静川凜花(しずかわりんか)。

終盤には、美月、木影、凜花の共同戦線も...?
終盤には、美月、木影、凜花の共同戦線も...?

 

姉のものが欲しくなる美月は、姫沙と違って素直に好き好きアピールしてくるし、をパパラッチしようと追いかけているうちに好きになってしまった木影の引き寄せるインシデントは襲ってくるし、世間知らずで一筋な凜花ヤンデレ気味の突き抜けた一途さが迫ってくるし...と数多くのトラブル・障壁に見舞われつつ、ゲームを続行する二人。

 

「好きなのに好きと言ったら負け」のゲームを、自分の将来を、ついでに日本の将来を決めるゲームを、至って真面目に?する二人...

ゲームの結果は...>
ゲームの結果は...?

 

勝者は、どっちだ...?

 


 

というようなラブコメディ。

 

ま、ある程度結末は「読めて」いるストーリーなので、そこまでの道程を楽しむというか、ハチャメチャな展開と、「好き」が漏れ出しているのにそれを認めず、相手に屁理屈で説明する二人のあたふた具合(特に姫沙の防御力のなさ)を楽しむモノ。

 

あと、美月はストレートで無邪気な色仕掛け、姫沙は「策略」と言いながら防御力ゼロの羞恥心溢れる誘惑、凜花は思い込んだら一直線の捨て身の行動、木影のトラブルではお約束のエ○シチュエーションなどが随所に盛り込まれ、それを再現するkakao画伯の挿絵が....ネ申!!

 

なんも考えずに物語の中にダイヴするのが吉。

 

設定に疑問を持ってはいけない、感じるんだ!w←そこをどーこー言う人はラノベ脳が形成できていないかと。

 

※このラノベの最終巻(5巻)には面白い試みが。同じ天乃聖樹×kakao画伯による新シリーズ、「ノラネコ彼女を餌付けしたい」のプロローグ~第一章が30ページにわたって先行掲載されている。これ、イイ宣伝だよな~←まんまとハマったラシイwww

ちなみに5巻の有償特典、5巻収納ケースも入手してゐる。
ちなみに5巻の有償特典、5巻収納ケース(右上)も入手してゐる。

更新: 2020/05/18
萌え度

意外性はないので、急にキュンとはしない

全て不意打ちではなく、必然というか、確信犯というか。

わかっていても萌えるんですがw

  • 購入金額

    4,719円

  • 購入日

    2019年頃

  • 購入場所

18人がこのレビューをCOOLしました!

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