レビューメディア「ジグソー」

タイトルの回収の仕方が上手い。あと、涙腺に来ます、洗面器用意して!

  • by
    L2さん
  • 2020/05/04
  • (更新: 2020/05/06)

Twitterでリツイートされてきた中の、ふとしたタイミングで出会った、とても好みなキャラを描かれる作者さん。

タイトルの「きるは 夫婦のつとめ」の通り?

主人公と奥様は、高校生です。

幼馴染や親友、父、弟、愉快なクラスメイトと楽しく過ごすコメディコミック。

 

何度も書いちゃうんですけれども。

シリアス、通常モードの切れ長の目の描き方。

頬から顎にかけての輪郭とバランス。

鼻筋の描き方。

黒髪ロングの表現。

好きです。

ツボです。

困る(困らない)

 

という事で、第三巻。

最終巻です。

えーと、このレビューを読んでいるという事は、まあ、一巻と二巻のレビューも読んで頂いているという事で。

更新: 2020/05/04

シリーズ感想。ネタバレ有るので、読みたくない方は、そっとブラウザかタブを閉じて、どうぞ。

念の為。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この位、開けまして。

 

このシリーズは、基本的にコメディなんですけれども。

テーマは、かなり重い、かな。

主人公は癌との闘病からの復活、から物語スタート。

そして、父は出るけど、母は?を持ちつつも、明るく素敵な家族で和み読了する、一巻。

 

で、二巻での冒頭、子供あるあるなやんちゃなファンタジーの駄菓子で回復薬ネタからの、母も同じ病気だったから、

今は良く分かる、父の何気ない一言と、その瞬間までずっと笑顔で接してくれた母の強さ。

二巻巻末の、母の愛は、涙腺が壊れそうな位に心に刺さります。

 

三巻では、主人公の癌が再発。

言わなくても、分かる、双子の姉と、嫁。

奥様と、本当は主人公と結婚したかった幼馴染の会話の深さ。

検査に行く主人公に、母の為に神社で見つけた双子なりのパワーストーンを投げる姉。

主人公「これは、母さんが願いを叶えているから、お守りには、ちと弱いじゃろ」

姉「母さんなら、私たちの健康を願うはずだから、ご利益は十分だろ」

お姉ちゃん、ここぞという時に格好良い!

 

幸せなエンディングは、時折、リアリティとか、ドラマの作り方の好みで、「この流れなら、若干BAD気味になるでしょうよ」とひねくれがちな、L2さんですが、今作品のオチは、良かったなあ。

としみじみと涙が出てきます。

 

主人公以外の想いでも、

父の「本を作りたかったけど、出版社に入れなかった

   でも、書店員になって、本との出会いを作れる仕事になれたよ」

 

漫画を描いているものの、プロにはなれない、と思っていたクラスメイトに対する、

一巻での奥様の「描いている限り、ずっと漫画家なんだもん」で吹っ切れた顔と、

三巻の「私が面白いと思ったものは、たいてい来る

    が

    私が面白くないと思ったものでも、売れているものはたくさんある」

   「私が今まで目指していた漫画の大きな一つの山は、

    近づくにつれ、それがたくさんの山の集合体だと分かった

    (中略)

    私に刺さらなくても、それは私が住んでいない山を彩るステキな作品ということなのだ

    (中略)

    ゆえにブレることなく粛々と

    私はわたしのやまを目いっぱいに彩りましょう」

という名言が格好良いですね。

 

そして、今のご時世で響くのが、主人公の母の友人で、且つ母と主人公の主治医でも先生が、

三巻での奥様の、

「先生がいれば安心だネー」

に対して、

「医者になって分かった事は、どんなに頑張ろうと苦心しようと、結局人はいつか死ぬ

 それを遅らせるのが医者の仕事で、決して勝利する事のない負け続けの仕事だってことだ」

と主人公が癌の再発したかもしれない事を伏せつつ、様子を見に来た自分を卑下したセリフに、

「そうでもないヨ」

「オトくん(主人公)が元気なのは病気が治ったからだけじゃなくてネ

 病気になっても、最後まで全力で戦っている人がいるからだヨ

 だから、頼りにしているネ!

 先生!!」

と返すシーン。

 

今、こうやって、確かに静かなGWを過ごしていますが、それは、ずっと患者さんの為に、寄り添い、戦い続けてくれている人達がいるからこそ、なんですよね。

本当に頭の下がる思いです。

全ての医療関係者の方々に感謝を。

 

あれ?

ちょっと脱線しましたねw(照れくさい。)

 

部屋の中で閉じこもって、TVやネットばかりでドライアイ気味の皆さま、この作品で涙腺を決壊させて目を潤しましょう!

  • 購入金額

    748円

  • 購入日

    2020年03月頃

  • 購入場所

    楽天ブックス電子書籍

9人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • L2さん

    2020/05/06

    北のラブリエさん、ありがとうございます。

    4コマの割合が多めでサクサク進みますし、キリッとした時の目の感じが好きなんです。
    若干、アワアワしている系のパニック顔が、私の好きのゾーン的にはアウトコースに外れていくボールっぽい感覚だったので、買うのが遅れましたが、もう少し早く買っても良かったなあ。
    と思います。

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