所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。ライヴというものはアーティストにとって生き物です。特に大人数の生バンドの場合は、各プレイヤーの調子も含め、万全のところに持っていかなければなりません。機械を使いこなし、打ち込みのダンサブルな曲をひとつの柱にしながらも、一方では生バンドの人の力を信じたライヴを並行して行うアーティストのライヴ集をご紹介します。
MISIA。識らない人も少ないだろう、日本のソウル系J-POP界を代表する歌姫。シングル曲では打ち込みバリバリのデジタルなダンスミュージックで攻めたりもするが、一方でバラードにも定評があり、それらを再現するため、生バンド、場合によってはオーケストラまで入れたライヴを行っている。
もちろん、普通のライヴも「機械だけ」ということはなく、バンドのメンツはいるのだが、現在の彼女の立ち位置的に、一般のライヴはドームクラスになることも多く、演出上どうしてもコンピュータとのシンクロ演奏も多い。それに対して、生バンドのグルーヴを大切にして開催するバンド主体のライヴが、「星空のライヴ」。
2001年に河口湖畔で実験的に行われた一夜限りのライヴを起点として、毎年ではないもののその後継続して開催され、規模も「ツアー」と呼べる規模に育っている。2020年2月現在は、10シーズンのライヴが開催されている(2018年~2019年にかけてMISIAのデビュー20周年を記念して行われた「20th Anniversary MISIA 星空のライヴⅩ Life is going on and on」が最新)。
そんなライヴの歴代のステージから歌を集め、「ベストライヴ集」のように編まれたのが、“MISIA 星空のライヴ SONG BOOK HISTRY OF HOSHIZORA LIVE”。2001年の「MISIA星空のライヴⅠ CONSTELLATION MISIA 2001」から、リリース時(2016年3月)最新の「MISIA星空のライヴⅧ MOON JOURNEY」までの様々なテイクが収められている。
構成としては最新のモノから遡っていく曲順となっており、出だしは2015年8月の「MISIA星空のライヴⅧ MOON JOURNEY」から「あなたにスマイル:)」。この曲、かなりソウルフルな節回しで、一時期のデジタル化に走る前のデビュー時の薫りがある。そして、齢を経ても相変わらず高いw(何 でも、ラストのフェイクは、今まで積み重ねてきた時間を感じる素晴らしいモノ。
永くMISIAバンドの中核だったドラマー、Alexこと青山純を喪った直後の2014年1月の「THE GLORY DAY」は、想いあふれるMISIAの歌唱に泣かされる。♪It’s the time all over the world/ここから祈ろう/あなたに微笑みがあるように♪と、彼女は誰を想いながら歌ったのだろう?ラストの高音の絶唱は祈りのようにもきこえるのだが。
その「THE GLORY DAY」がチョイスされたツアー「MISIA 星空のライヴⅦ」でも、ツアー出だしの一部公演では青山が演奏していたはずだが、そこからのテイクは選ばれず、青山のプレイはDISC2に固まっている。その中では、アキオチャンこと鈴木明男のフルートと絡み合いながら歌い上げるMISIAを、情緒たっぷりのプレイで支えるAlexのプレイが素晴らしい「眠れぬ夜は君のせい」が沁みる。ほんとイイドラマーだったなぁ...MISIAも最近ではあまり歌わないような、ド直球の男女間ラヴソングで想いたっぷり。♪恋焦がれたなら/想うその人と/夢の中でもし逢えるなら/さみしい夜など/きっとないのにね♪
元曲は打ち込みバリバリでデジタルなダンスチューンである「Escape」は、真逆にアコースティックに仕上げられている。ひずみの少ないギターのカッティング、フルートのオブリ、シンセレスの音造りは意外で、それ故に楽しめる。MISIAの超高域のシャウトとフルートのトリルが溶け合うラス前のフレーズは、背筋が震えるようなものすごさ。
(当時)14年間にわたる同一方向性のライヴを時を遡る形で集めたこの作品。MISIAの巧さが、そして、それを支えるバンドメンバーの巧さがよくわかる。
アーティストの息吹が感じ取りづらいドームクラスのライヴには基本興味はないので、MISIAのライヴは生で観ることはないかな...と思っていたけれど、この内容なら良いカモ...
そう感じたライヴ作品でした。
初回仕様限定盤は見開きジャケットとアナザージャケットステッカーつき
【収録曲】
<DISC1>
1. あなたにスマイル:)
・MISIA星空のライヴⅧ MOON JOURNEY(2015/8/16)
2. 真夜中のHIDE-AND-SEEK
・MISIA星空のライヴⅧ MOON JOURNEY(2015/8/16)
3. 白い季節
・MISIA星空のライヴⅧ MOON JOURNEY(2015/8/15)
4. Color of Life〜Re-Brain
・MISIA星空のライヴⅧ MOON JOURNEY(2015/7/8)
5. 桜ひとひら
・MISIA星空のライヴⅧ MOON JOURNEY(2015/7/8)
6. 流れ星
・MISIA星空のライヴⅧ MOON JOURNEY(2015/7/7)
7. 僕はペガサス 君はポラリス
・MISIA 星空のライヴⅦ 〜15th Celebration Thank you 15, Happy 16〜(2014/4/2)
8. 明日へ
・MISIA 星空のライヴⅦ 〜15th Celebration Thank you 15, Happy 16〜(2014/4/2)
9. 幸せをフォーエバー
・MISIA 星空のライヴⅦ -15th Celebration- Hoshizora Symphony Orchestra(2014/2/16)
10. DEEPNESS
・MISIA 星空のライヴⅦ -15th Celebration- Hoshizora Symphony Orchestra(2014/1/18)
11. 恋は終わらないずっと
・MISIA 星空のライヴⅦ -15th Celebration- Hoshizora Symphony Orchestra(2014/1/18)
12. THE GLORY DAY
・MISIA 星空のライヴⅦ -15th Celebration- Hoshizora Symphony Orchestra(2014/1/18)
<DISC2>
1. 陽のあたる場所〜KEY OF LOVE 〜愛の行方〜
・MISIA星空のライヴⅥ ENCORE 2010 International Year of Biodiversity(2010/7/31)
2. 地平線の向こう側へ
・MISIA星空のライヴⅤ Just Ballade MISIA with 星空のオーケストラ2010(2010/2/14)
3. 逢いたくていま
・MISIA星空のライヴⅤ Just Ballade MISIA with 星空のオーケストラ2010(2010/2/14)
4. そばにいて...
・MISIA星空のライヴⅣ CLASSICS(2007/9/15)
5. 月
・MISIA星空のライヴⅣ CLASSICS(2007/9/15)
6. つつみ込むように…
・MISIA星空のライヴⅢ 〜Music is a joy forever〜(2006/8/27)
7. Everything
・MISIA星空のライヴⅢ 〜Music is a joy forever〜(2006/8/27)
8. 眠れぬ夜は君のせい
・MISIA星空のライヴⅡ CONSTELLATION MISIA 2003(2003/8/15)
9. あの夏のままで
・MISIA星空のライヴⅡ CONSTELLATION MISIA 2003(2003/8/2)
10. Escape
・MISIA星空のライヴⅡ CONSTELLATION MISIA 2003(2003/7/19)
11. Nocturne
・MISIA星空のライヴⅠ CONSTELLATION MISIA 2001(2001/10/7)
12. BELIEVE
・MISIA星空のライヴⅠ CONSTELLATION MISIA 2001(2001/10/7)
「眠れぬ夜は君のせい」MISIA星空のライヴⅡ
「MISIA 星空のライヴ SONG BOOK HISTORY OF HOSHIZORA LIVE 楽曲視聴トレーラー」
MISIA 星空のライヴ SONG BOOK HISTRY OF HOSHIZORA LIVE SPECIAL SITE
生バンド中心のライヴで、彼女の良さが堪能できる
ドンカマに引っ張られた正確無比なリズムは踊るには良いかも知れないが、歌を堪能するには活きたビートがホシイ
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購入金額
3,996円
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購入日
2016年03月29日
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購入場所
ビックカメラ
mickeyさん
2020/02/06
聞いたりしています(^^)
良いですね。
cybercatさん
2020/02/06
くーねるさん
2020/02/06
カラオケ行くとどっかで必ず歌ってしまうんですよね(*・ω・)ノ
cybercatさん
2020/02/07