自作 NON-RIAA EQ AMP FOR TRS1007 / JAS AD-1
今回のは、はやく言えば...テストレコード周波数特性を計測するアダプター....
フォノカートリッジの周波数特性を計測するにはヤフオクでJVC TRS-1007というレコードを入手するか(時々出品されます)、或いは日本オーディオ協会から販売されている JAS AD-1と言うレコードを入手します ですがAUDIO-SPECTRA(使用は無料)というソフトで測っても変則的なRIAA?カーブなので補正しないと正常な状態に計測されません そのときに、このアダプターを使ってノーマルモードに変換するわけです。
フォノカートリッジ周波数特性を測定するテストレコードは、RIAA周波数特性ではカッティング時に高域が上がりすぎ、レコード作成時のカッターマシンを破損したりします なので高域レベルを落とした測定レコードが一般的です(高域が-20dBdown 倍率1/10)
今回のアダプターはそのテストレコードは普通のアンプでは正常にレベル再生できないので特殊EQ回路で変換します。(一般的にRIAA回路は再生時は高域を下げ、低音は上げます)私は今までソフトで疑似変換?してましたが正確かどうか疑問でした で、今回のアダプターはどうなった?
↓前面パネル: 左からPOWER SW 赤LED点灯します TRS1007/JAS AD-1測定レコード切換スイッチ MC/MM カートリッジの切替です
カートリッジ周波数特性測定はテストレコードを再生して計測します 従来、企業は業務用オーディオ用ペンレコーダーで測定していましたし、測定レコードで使うペンレコーダーも有りました。
↓後部パネル : MC/MMカートリッジの入力端子(前面のスイッチでモード切換)
この端子はレコードプレーヤーに接続します
右側端子 : 出力の再生周波数帯域は、①3Hz~20KHz 、②20Hz~20KHz 2種類が可能です
3Hz~はレコード反りが再生されレベルが上下し不安定です 20Hzは安定です 他DC24V入力
アース端子は今のところ必要ないようです 後部左側はプレーヤーに接続してカートリッジ信号入力端子です MC~MM信号レベル 前面のスイッチでMM,MC型のカートリッジ切り替えが可能です 後部右側はEQ変換済み信号出力です 3Hz~20KHz、20Hz~20KHzが同時に出力されます LINE-OUTレベルの信号出力
オーディオ製品を開発されているフィデリックスさんの回路図を参考にさせていただきました
ありがとう御座います。
回路図は此方を参考にして作成しました http://www.fidelix.jp/technology/cartridge3.html
時定数のR1,C1,C2 はイコライザー?のカーブを決めます C,R誤差は1%が推奨ですが抵抗は1%が
通販で見つかりますが、コンデンサーは殆どありません 5%程度が良いところです。
現在は抵抗1% , コンデンサーは5%のが付いています。(現在は1%が付いています)R1は値が5kΩ位で(実際は48kΩ) 低いと1KHz以下の低周波レベルが下がります(ー10dB位)
L , R 2CH分の回路を搭載してます
FET1 , OP AMP 2 , 定数のコンデンサーは1%が推奨ですが現時点で入手出来なかったので
ソケット方式にして交換を容易にしました
最終版 : コンデンサーを東信工業製UPZコンデンサーに変更 1%誤差ですが苦労の産物...w
基板を裏返して点検できるように配線は多少の余裕を採っています
L-CHの配線 1CH分だけでもOKですけど... この基板(片面ガラスコンポジット・ユニバーサル基板 Bタイプ めっき仕上げ(95x72mm)日本製)はランドがハンダメッキされていて使いやすいけど、光って視認性が悪いです...微妙 剥がれることはないですしスルーホールでも無いです。
実体配線図は作りましたが、その通りに行かなくて適当なんです...それが後で困ることに..
↓下画像 上側がR-CH , 下側がL-CH 此処まではルンルンでしたが...
配線リード線に接続先を記載 リード線は最終的に短くカットしてます
間違い箇所...
①配線間違い1カ所、②47KΩ+1KΩを勘違い、パラ接続してました(本来はシリーズ)、低域周波数が10dB位下がって左右チャンネルで理由が判らず悩みました その他は③コンデンサーをソケット方式にしたのですが、裏側の回路で繋がっていなかったと言うのもあります バラック配線なので間違いを見つけるのは困難です 自分で作った間違いはなかなか発見が難しい。
紆余曲折有りましたが、完成しました。
検証・測定編
水色のEQアンプはMC:60dB MM:40dB の利得があります 60dB 1000倍 / 40dB 100倍
→ PC上、WaveSpectraでSWEEP波形を表示させます
(PC-AUDIO チップは Realtek® ALC892 8-Channel High Definition Audio CODEC
マザーボード P8Z68-VPRO GEN3)
DENON DL-103Ⅱは私の経験上近似的にSWEEP波形がフラットだったので実験に使ってみました
カートリッジDENON D301ⅡはMC型なのでMC入力で受けて、20-20KHz端子へ出力します アンプのTUNER端子に入力(AUXなど何処でも良いのですが)して、その結果をPCへ出力します PC側でWaveSpectraでスペアナ画像を観察、或いはCaptureします (MCカートリッジは0.3mV位なので1000倍で300mVとなりLINE-IN , AUX,TUNERなどに出力できます MMカートリッジも同様です)
カートリッジ DENON DL-301Ⅱ JVC TRS-1007 TRACK3 L-CH 信号は赤い線 緑はノイズ分です
カートリッジ同上 JAS AD-1 高域が上がっています R-CHは正常ですが。
回路図でスイッチ切り替えで、TRS-1007はEQ回路に48KΩ抵抗が入りますが、AD-1はコンデンサー2個(0.056μF+0.0052μF パラ接続)が入ります F特の違いはこの辺りかなとも思えています。
AD-1のフィルムコンデンサーは誤差5% , TRS-1007の抵抗は誤差1%です。 1%に入れ替えても直線にならなかった。
CDを作成してNON-RIAA EQ AMPが正常か確認します
①レコードの特性と同一になるようにテストレコード説明書のカーブと同じように、20-20KHz周波 数別WAVEファイルを作成しCDRに焼いて、そのCDRをCDプレーヤーで再生し、MC or MM入力して実際にフラットかどうかを確認します (CDプレーヤ出力から-40dB ATT通してMC INへ入れてま す) CD出力はフラットであることを以前確認してます。
https://blog.goo.ne.jp/musica-corporation/e/dd0c0cc429be2e07eacc858b258fb8d3
TRS1007 グラフでは若干レベル差がありますが実際は0.5dBに入っています
(参考として) 上で使ったCD作成
WAVEファイル群 CD作成
WAVEファイルを作成します(20-20KHz) レコードに付いている説明書のグラフを見て周波数に対するdB値を調べます その値でWaveGeneというefuさん作成のソフトでwaveファイルを作成しますこれらのファイルをCD-Rに焼きます 私は再生時間は1ファイル5秒のファイルとしました グラフはTRS-1007とAD-1で違うので下のファイル群を2群作ります。
http://efu.jp.net/soft/wg/wg.html
②TRS-1007、AD-1取説カーブからCD作成 → WaveSpectraで再生レベル確認 カーブ読み取り 誤差が有るかも...20~19KHz 迄は良いようです
テストレコードのグラフからCDを作成して、今回のNON-RIAAアンプを通して測定した場合は
20KHzを除けば数値的には良いようです F得が低周波と高周波で持ち上がっているので再生レベルが上がり誤差が拡がります...多分。
最終結果 EQ素子を1%誤差パーツに交換しました
TRS-1007 SWEEP波形
AD-1 SWEEP波形 20KHz付近でやや上昇
SOFT EQ(AUDACITYで変換)
ソフト測定でも良かったんですが...何か? L-CHのみ載せます。
「総括」
1%のコンデンサーの入手が困難です そのコンデンサーはEQ素子になるわけで通販購入は中々厳しいです TRS-1007とAD-1ではAD-1がSWEEP波形がカーブします 原因は不明ですがEQ素子の
コンデンサー素子を換えても変化無しでした もともとDISC側でずれているのか、回路の誤差なのか
これ以上の追求は私には無理です TRS-1007で測定すればフラットになるので使用できると思います TEST・DISCの入手はAD-1が購入しやすいですが....。
TRS-1007とAD-1の回路の差異は、スイッチ切り替えでTRS-1007 R1(48KΩ) とAD-1 C2 (0.056μF+0.0056μF)を切り換えます 回路の違いか、レコードの違いしかないようです。
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色々チェックしたのですが、カートリッジが原因とも思えず、断定はしませんが、AD-1のディスクかなあとも思えてきました(AUDACITYを使ってのSOFT EQ でも同様でした)TRS-1007レコードを
使えば良いだけの話ですからね。
追記 2019-12-8(SUN)
AD-1 DISCの高域の上昇に摩訶不思議と思っていました ある日、某ブログを見ていたらAD-1の周波数特性を扱ったページがありました なあんと...20KHz付近が上昇してます レコードの信号精度?のバンド帯域が±1dBには入っていないと思うんですが、これまた不思議、と言うことでAD-1というDISCは20KHz付近の高域上昇傾向があるんでしょう でも日本オーディオ協会がAD-1用SWEEP波形再生ソフトをフラットにするコンバーターを付属しないと使えませんけどね。
AD-1へ
https://www.jas-audio.or.jp/softs/post1200
追記 2019-12-16(MON)
MCカートリッジの測定でR-CHが左に比較してレベルが低いので(2dB位)原因を探ってみました
MMカートリッジは正常なのでMC/MM切り換えスイッチ以前と言うことで2SK117ではないかと
交換してみました 元々付いていた2SK117GR21は2個しかないので、手持ちの2SK117GRJXに
交換して直りました 2SK117GR21はIDssは4mAですが、GRJXも同じランクなので同じくらいか
「追記」2021-3-16
MM,MCカートリッジの負荷抵抗、負荷容量を変更できるようにしました 結果としてはMCカートリッジではほとんど変化ないです MM型でもそれほどでもなかった。MC型は負荷に対しては変動がないようです コイルの巻き数が少ないためなのかも知れません MM型はコイル巻き数が多いのですが此方も変化は少ない 高域でピークが出るかなとは思っていましたがほとんど変わらない 何度も内部を開けて配線チェックしましたが間違ってはいませんでした パーツを入れる場所が違うのか メーカー製の様にはいかないものです。
※補足
購入金額は 大凡の部品代、送料、振込料 ALL込み
部品は殆ど秋月電子通販で購入 1%コンデンサー類は若松通商で購入
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購入金額
12,000円
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購入日
2019年08月頃
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購入場所
秋月電子&若松通商
いぐなっちさん
2019/09/03
RSは法人オンリーですが、マウザー・デジキーは個人でも購入できます。
上記のサイトならVisheyやWIMAの1%品も扱ってます。
いぐなっちさん
2019/09/03
10%品ですが。
50個くらい買って選別もありかなと。。。
タコシーさん
2019/09/03
ありがとう御座います。
秋葉原は最近縁がなくて殆ど行っていませんので
助かります
今回も数個のコンデンサーで数字に合わせているし...
秋葉原を足で回れば勘が付くんでしょうが
たまに使うネットは無理ですね
タコシーさん
2019/09/03
コンデンサーは測ってみると全部値が違うんですね
こりゃ大変だと思いましたわ
共立はネットで見ましたが...再確認してみます