レコード音源の高音質デジタル化のために導入したオーディオインターフェース、MOTU 1296。実際に高音質盤のレコーディングにも使われる製品であり、FireWireケーブルのアップグレードこそ必須ではあるものの、期待に応えるだけの実力を見せてくれています。
しかし、一般的なオーディオ機器と組み合わせる上では大きな弱点があります。それは、入出力端子の形状がXLRのみということです。
通常オーディオ機器ではRCAピンプラグが用いられます。バランス接続機器ではXLR端子が用いられますが、生憎私の使っている環境でXLR端子に対応するのはCDプレイヤーのNEC CD-10のみであり、レコード音源で使うには役に立ちません。先日導入したTechnics SL-1200Gも、出力端子はRCAピンのみです。Technicsでは最上位の超弩級モデル、SL-1000Rであれば出力がDIN 5PinなのでXLR端子を採用するフォノケーブルを使うことも出来るのですが…。
現在はどのように接続しているのかと言えば、以前使っていたオーディオインターフェース、echo digital audio LAYLA 24/96で使っていたRCA-PHONEのケーブルに、XLR-PHONE変換プラグを組み合わせるという形になっています。
ただ、このケーブルはどちらかといえば楽器用のもので、価格優先で選んだものでお世辞にも高品位という訳ではありません。MOTU 1296を活かすのであればきちんとしたRCA-XLRケーブルを用意するべきなのですが、グレード的に見合うものを用意するのもなかなか難しいところです。自作したところで品質にも限界がありますし…。
そこで考えたのが、XLR-RCA変換アダプターと、オーディオ向けのRCAケーブルを組み合わせるという方法です。もっとも、某所の閉店セールで偶然XLA-RCA変換アダプターの格安品を見つけて思いついたというのが実際ではありますが。
実はMOTU 1296のXLR端子のピンアサインは調べてもよく判らなかったのですが、一般的にここ最近の楽器類では2番HOTだという話はありますので、多分これで大丈夫だろうと思い購入してみることにしました。
さすがにしっかりとした仕上がり
以前購入したXLR-PHONE変換プラグは、ケーブルと同様に価格重視で選んだもので、品質については二の次でした。それと比べると、高品位オーディオ向けに発売されているKRYNAの製品は、さすがにしっかりとした高級感のある仕上がりです。
このシリーズの製品は1個単位で販売されているため、ステレオ接続用には2つ必要となります。しかも、色分けにより型番も別れています。今回購入したのは「XLR(オス)→RCA(メス) 2番HOT」という仕様で、左ch用が黒のX/R-9MF2B、右ch用が赤のX/R-9MF2Rとなります。
ただ、今回はオーディオグレードのケーブルまで予算が回らなかったので、やや半端な形での導入となります。組み合わせたRCAピンケーブルは、実は映像用のコンポーネントケーブル、Tara Labs Prism 203vの6m仕様のものなのです。一応8NのSA-OFC導体ではありますが、あくまで映像用ですので音質についてはそこまで期待できるものでもありません。
Prism 203vはRGBがまとめられて3本1組となっていますので、一応中間のBlueを使わず、Greenを左chに、Redを右chに割り当てています。
元のRCA-PHONEケーブルと両方で同じソースを録音して聴き比べてみましたが、意外と音質の傾向自体は大きくは変わりませんでした。ただ、低域方向の解像度と高域の緻密さがある程度は向上したという印象は受けました。
少なくともオーディオシステムとMOTU 1296を接続するためには5mは必要ですので、この長さで高品位のケーブルというのも限られてくるでしょう。余裕が出来ればきちんとしたケーブルに差し替えるつもりではいますが、現状でも思ったよりはまともな音ですので、当面はこの組み合わせで使って見ようと思います。
KRYNA製の変換プラグは、写真で下に写っている格安なXLR-PHONEプラグとは格の違う仕上がりで、価格なりの品質は感じさせてくれます。もっとも、普通に買えば2つで1万円ですから、ちょっと高いな、とは思いますが…。
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購入金額
2,200円
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購入日
2019年04月14日
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購入場所
ノジマ オーディオスクエア越谷
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