レビューメディア「ジグソー」

スタンディングでいこう。

電動で天板の高さが調整できるデスクです。イスに座ったときの高さから立った姿勢で使用する高さまでそれぞれの身長と好みにあわせて無段階に調整できます。

当面、プリンタ上の作業台として使用します。

 

 

さすがのSteelcase製

構造、質感ともに期待通りのしっかりした頼もしい造りです。

快適なデスク/使いやすい作業台として安定感があります。

よほどの重量物を扱うのでなければ、用途に制約はおよそなさそうです。

 

天板を最も高い位置に(デスクの重心を高く)してもグラつく感じはありません。少し力を込めて押すと揺れますが、ふだん使う高さの範囲で通常のタイピング、筆記作業を行なう程度では置いたコップの水の水面で揺れがわかる程度です。2人で同時にこのデスクに向かっているとき、隣の人が消しゴムを使っても気にならないくらいと言ってよいかもしれません。

構造上、横荷重の影響を受けやすいので力のかかり方によっては揺れを感じますが、通常の作業には影響のない程度です。
下地がフェルトのカーペット床に12mmのタイル式フローリングを敷いた上に置いてこの状態なので、もっとしっかりした床ならさらに安定するはずです。

 

脚部の下側(台座側)が重たくなっているので、地震の際も倒れにくいとは思います。デスクを高くしていたり、天板にディスプレイがあって重心が高い状態での使用中に激しい揺れが来た時に倒れたり滑って動き出さないよう何かストッパーを設置するとか、脚部に重しまたは床・壁にビス止めをするとか、何らか予め対策しておくことは必要かなと思っています。

 

デスク上のディスプレイはアームを使う方のが良さそうです。
据え置きにするとディスプレイの転倒リスクがあるし、壁付けにすると 机面 - ディスプレイ - 使用者の目の関係を一定に保てなくなるからです。

 

天板は硬質で金属製かと思われるほどですが、仕様情報によるとパーティクルボード(木材の小片を接着剤と混合し熱圧成型した木質ボード)です。表面はキズが付きにくそうな硬い塗装(または貼り付け)です。

天板のコーナーが角ばっていたり、使用者が肘に当たる天板手前の部分もやはり曲面や面取り形状になっていないので、使用する場面によっては人にやさしくないかもしれません。

 

脚部の垂直部分(伸縮する柱の部分の上から下まで、ビームといいます)と左右の脚部をつなぐ桟の部分は、磁石がくっつきません。塗装されているためわからなかったのですが、調べるとこの部分はアルミの押し出し成形品とわかりました。

アルミ材を使うとスチールに比べて同じ強度でも軽量に作れますが、コスト高になります。他の部分とはボルトで接合することになるのですが、設計上、製造からリサイクルまでの過程や機能を考慮してベストな選択だったのでしょう。

 

 

昇降機能

よく使う高さとして、75cmから105cmくらいまで30cmほど動かすのに、上げるにも下げるにも約17秒かかります。動作音は、わりと静かで音の質も嫌な感じはありません。

動作中は、ボタンを押し続けなければなりません。ボタンを押すのを止めるとピタっと止まります(惰性で動くことはないです)。
高さのメモリー機能があれば、ボタンを1回押すだけで済みます。しかし、手動で手回しハンドルを何十回も回すよりずっと簡単だし、ガススプリング式のようにレバーを操作しつつ天板を上にものが載ったまま手で持ち上げるような動作も必要ありません。

 

操作スイッチ(操作するとき引き出します。ふだんは中にしまってあります。しっかりしたシンプルなボタンなので、表面が破れてみすぼらしくなる心配がありません。)

 

 

脚部の桟を外してプリンタを壁に近づけて置きたいと考えていたのですが、外せていません。

外すと剛性が低下する構造だとわかったことと、外し方がわからないためです。(外さないとしても、ボルトを増し締めしたいこともあるので、構造は把握しておきたいです。)

なので、プリンタは壁から約20cm離れて置くことになり、デスクの手前からも約10cmはみ出すことになりました。

ただ、スタンディングで使用する作業台なので、イスに座ったときのようなスペースは天板の下に不要だし、作業時にデスクに密着して立つこともないので、思ったほど気になりません。

どうしてもイスに座ってこのデスクを使いたい場合は、プリンタを他へ移動してそれと交代に着席することになりますが、そのような機会は当面なさそうです。

 

プリンタのメンテナンスにも支障なさそうです。少しプリンタを手前に引き出す必要はあります。(プリンタ台にはキャスターを付けてあります。) 

 

作業時には、天板にカッティングマット、ベニヤ板などを敷こうと思います。

 

天板の裏と、桟の部分にケーブルをさばくための長い箱状のものがついています(イケア風に言うと、ケーブルオーガナイザー?)。自席で使用するケーブルだけでなく、デスクを並べて島を形成したとき他のケーブルを通す場合にも対応できそうです。

 

 

 

サイズなど 

天板: 幅1377mm x 奥行き700mm x 厚さ25mm(実測)

パーティクル合板、塗装の種類は不明

高さ調整:705mm〜1155mm(カタログ値)

1モーター駆動、メモリー機能なし

耐荷重: 公表なし

重量: 公表なし

リサイクル認証書面の素材表によると31.2kg(うち脚部 21.2kg、天板 10kg)だがこれは、リサイクル用の換算値の可能性があり、実物は40kg以上ありそう(計測の手段がないので、片脚を体重計に載せたところ、22.6kgありました)。

2016年、マレーシア製

 

 

電源部、モーター部

 

 

このあと、できるだけ早く照明を準備しようと思います(天板の下のプリンタ用、天板全体を自然に照らす何か)。

 

昇降のスイッチ部からケーブルを引き出してマイコンをつないでスマホから操作できるようにできたらいいかなと考えています。

 

 

まとめ

昇降式デスクを使用したスタンディングスタイルは、単に新しモノ好きの楽しみということではなく、様々なことが多様化するなかで 誰もが選択できる作業スタイルの一つとして確立していると感じます。スタンディングスタイルと昇降デスクについて、現在の私見を書き留めておきます。

  • できればメモリー付きの電動タイプにする
    --> 作業や思考を妨げないために必要
    --> メモリー機能付きの機種ならたいてい高さ表示機能もあるのでなにかと便利
  • できるだけ頑丈な造りで良い仕上げの製品を選択する
    --> 初期の投資額が安かったとしても、毎日長時間 グラグラな脚部、ヤワな天板の製品を使用し続ければ、結局、カラダに悪いし効率も上がらない
    --> 一方、使用機会が限定的なら、使用感が良くないことは受容するとして、品質にさほどこだわらなくても問題は少ない
    --> 頑丈かどうかは現物を確認するのがベストだが、カタログだけでも、脚部の重量、耐荷重、天板の厚さ・材質、写真から見える構造で見当が付くし、公開されている動画やブログ記事もいくらかは参考になる
  • スタンディングスタイルだからといって、無理に立ち続けなくてよい
    --> 固まった姿勢で長時間いることが良くないのであって、立つことが健康によいという意味ではない。立ったり座ったり適当にカラダを動かすのがよいし、立つにしても座るにしてもそのときの理想的な姿勢を意識したほうがいい


ともあれ、スタンディングスタイルは、製品の品質と価格、バリエーションしだいで今後さらに普及するのではないかと感じているところです。

 

 

 

以下、入手までの記述です。

 


 

 

入手までにわかったこと・考えたこと

かなり以前からスタンディングデスクには関心を持っていて、いつ買おうかと長いこと機をうかがっていました。

もし頻繁に高さの変更をするのなら、手回し式でなく電動のしかも高さメモリーのついているのがよいかな、だけど、ちょっと高いなと思っていました。

 

同じくらいの大きさの電動タイプは、国内各社から発売されていて、たとえばオカムラのSwiftで15万円前後(ITOKI、内田洋行、くろがね、コクヨなどだいたい横並び)、生産現場で使用されるようなもの(サカエの作業台)だと20万円近くします。

原産国不明の無名品もあって楽天・Amazonで5~6万円です。実際に触って見ることができないので、どれくらいの品質かわかりませんが、重量は参考になるかもしれません(素材が同じなら重いほど頑丈?)。

その他、ニトリの事業者向け製品やサンワダイレクト(サンワサプライ)にもありました。

これは、説明や写真で見る限り上記無名品と同程度の仕様で、多少割高な価格設定になっています。


手動ならイケアのSKARSTAが120cm幅ですが19,900円で予算面から妥協的な候補だったのですが、今回調べたところおそらく仕様変更などなく24,990円になっていました。

イケア製(と 一部の上記無名品も?)は、天板を高くしたとき天板の揺れが気になるとか、使い方が悪かったのか昇降させるためにくるくる回す軸がねじ切れたとか、天板が薄く制限重量を超えていない使い方なのにたわむとか、ネットでちょっと気になる記事や動画が目につきました。

もちろん、トラブルはごく一部のことなのだろうし、使用に耐えないほど華奢で不安定だったり壊れやすかったり安全性に問題があるというわけではないとは思いますが、なんとなく入手を見送っていました。

 

また、上記無名品は、脚部、天板、電動/手動を選択して組み合わせできたりするものもあります。脚部だけを購入できる製品もあるので、別の好みの天板を組み合わせることができます。天板をDIYする人もいて楽しそうです。

さらに、天板だけでなく電動装置を組み込んだ脚部までも自作する製作動画がいくつかありました。リニアアクチュエーターという部材(Amazonで6,000円くらいのを2本)とベアリングレールを使用して電動昇降を実現するようです。マイコンを利用して制御をしようとしている人もありました。

 

立ってデスクワークをすることの効用は数年前にブームのように語られはじめて、効果の有無にちょっとした論争なども見られました。そのあとの動向は個人的に関心が薄れていたこともありよく把握していませんでした。

 

ところが、最近になって安価・高品質を標榜しかつ積極的に設計製造の事情を公開し改良を重ねる製品が見られたり、上のDIYの例を見たりすると、スタンディングの作業スタイルは国内外で根強く実践されていることがわかります。企業もIT大手を中心に職場環境の向上の一環として導入を進めたり、普及に積極的なメーカーがヨーロッパ・アメリカには多くあります。

 

特に、FlexiSpot社(ブランド:Loctek、本社はアメリカ(?)の日本法人)は、2018年夏~秋に日本で多数のユーチューバーに機材を提供し彼らのレビュー動画によって露出を高めたり、クラウドファンディングの枠組みで受注を創出して製品を一般より安価に供給したりしています。

 

知っていれば参加したかった、クラウドファンディング(Makuake)

https://www.makuake.com/project/flexispot/

 

国内でも情報が徐々に増えてきて、「昇降デスク」「スタンディングデスク」などで検索するとまとめサイトや動画がいくつもヒットします。実機に触れずに書いていたり、アフェリエイトのリンクがあったり、企業の提供で製作されていたり、知見に乏しい いいかげんな内容も混在するので、事情を考慮して見る必要はありますが、参考にならないこともありません。

 

欧米が先んじているのは 彼らの骨格がスタンディングに合っているからからなのか、日本で普及が鈍いのは官公庁やレガシーな大企業で導入していないからなのか、それはイスの肘掛けの有無と席次を関連付ける慣例さえある日本の役所や企業で机の高さが横並びでないのは文化に合わないのか、よくわかりません。日本の有名(と言われる)事務機メーカーの関心が低いことは、商品構成や価格設定からうかがえます。彼らも国内のニーズを察知してもっと機動的にその技術力や営業力を活かすとか、カタログ価格と実売価格の乖離など是正すればよいのにと思うのですが、このあたりもこの国の産業の衰退の原因なのかもしれません。

 

 


 

 

そんななか、よさげな中古品が今回たまたま納得できる価格で入手できることになりました。 

Steelcase社製のしかも電動タイプです。年式は不明ですが、そう古くはなさそうです(カタログの発行が2015年なので、そのカタログが第1版だとすれば それ以前の製造ということはない)。

Steelcase といえば、昨年から中古ながら同社のちょっといいイスを使用し始めて、これがご機嫌な使用感なのです。

 

だから、今回のデスクがもしこのイスと方向性を一にする製品なら、やたらに重くて、けれどしっかりと作られていると期待されました。

中古品ゆえの傷や汚れがあっても、作業場用なのでさほど気にならなそうです。
用途を変えることがあれば、天板を交換したり脚部に好きに塗装をしたりできるかもしれません。

壊れたときのことはあまり考えていなかったのですが、もし電動の昇降機構が使えなくなったら、がんばって部品を探して修理するとか、高さ固定の机として使えばいいかなと思ったりします。保証などはなくても個人の使用でもあるのであきらめを付けることにします。廃棄するとなると、なにがしかのコストがかかるはずですからできるだけ長く使いたいのですが。

 

 

なぜスタンディングなのか

当所でも過去に一時期、台に箱と板を重ねてスタンディングを試したことがありました。たしかに立ったりすわったりすると気分が変わるし、眠くなりにくいということはありましたが、足が疲れてその分注意が分散するというのが実感でした。そのときよく言われるように、作業効率があがったのかとか、健康状態が改善したのかとか 実際のところはよくわかりませんでした。いずれ模様替えの折に箱と板は台から降ろしてしまいました。

 

今回入手したのは、そのスタンディングへの回帰(?)というわけではないのですが、最近、プリントアウトの仕分けとか、大判の紙を切ったり貼ったりなど広いスペースを確保する必要がでてきたのと、ちまちまと何かを作るにしても立っておこないときもあるし、PC作業や読書などもたまにはスタンディングでしてみたくなったこと、なにより、2台のレーザープリンタの上の空間を有効に活用したいという課題が重なったからです。来訪者との打ち合わせもスタンディングでできて新鮮かもしれません(落ち着かなくて結局デスクを普通の高さに戻してなにかに腰掛けることになるのかもしれませんが)。

というわけで、この机はメインのデスクとしてではなく、作業台+なんでも机 として使用します。ふだんは机上に何も置かないことを目標としますが、はなはだ自信がありません。

 

 

選定のポイント

  • 幅は140cmタイプにする
    ---- 机下にプリンタを2台置くスペースを確保するため、120cmタイプではちょっと狭い、160、180cmタイプでは部屋に対して大きすぎる。

  • プリンタをまたぐ形に設置することになるので、脚部や桟(横棒)の付き方に注意する
    ---- この机には、横向き材が1本入っているが、抜いても大丈夫そうなら抜く(Seelcaseならではの強い構造を期待)。抜いてもしグラつくようなら桟以外に安定させる方法を考える。
    ---- ちなみに、脚部の縦のパーツが側面から見たとき使用者から遠めにある機種(デスクとして1方向からのみの使用を想定)と中央にある機種(ミーティングテーブルとしても使用する想定)がある。今回はどちらでもよい。

  • 昇降操作は手動(手回し式)でよい
    ---- 高さ記憶機能はないが、電動タイプが選択できた
    ※ スタンディングデスクは高さの調節ができないと、大変使いにくい。
    理由:適切な作業姿勢は、 肘と机面の高さをだいたい同じくらいにするのが目安とされるが、座位の場合は机面の高さが固定されていてもイスの昇降装置のおかげで調整が可能となる。これに対して、立位の場合はデスクだけで体格差に対応するしかなく、したがってデスクの昇降(調節)機構が必要となる。
    (本来なら座位の場合でも、デスクの高さ調整があった方がよい。座位の場合のよい(疲れにくい)作業姿勢は、まずかかとが床につくように座面を調節して、そのとき机面が肘の高さにあるのが理想とされる。イスの高さとともにデスクの高さも調整できると、体格によりフィットした作業環境となる。)


    https://www.thehumansolution.com/ergonomic-office-desk-chair-and-keyboard-height-calculator/
     より

    そして、想定した用途では、高さの変更はそう頻繁に行なわないはずなので、手動タイプで十分と考えていたところ、たまたま電動タイプが入手できることとなった。
    ちなみに、メインのデスクにするのなら、日に何度も高さの変更を行なう可能性があるので、電動タイプでかつ高さメモリー機能があるタイプが理想的。高さ変更の行為が本来の作業を妨げないよう、操作はできるだけ短時間で簡単にできる方がよい(手動タイプでは、ハンドルを回わす操作が煩わしそう)。

  • 広い天板ごと上下するタイプ
    ---- 通常の高さの机の上に載せて使用するタイプは、ディスプレイとキーボード または ノートPC以外に置けなさそう。いつか実験したとき、台+箱+板ではちょっとした作業にも狭いと感じた。そもそも今回はプリンタ上の作業台が必要だったので選択肢になかった。

 

なお、文化の違いでしょうか、カタログに寸法図が載っていません。Autocadのデータらしきファイルはダウンロードできるのですが、開けませんでした(開く方法が間違ってる?)。PDFも併せて提供されていたらいいのにと思います。

 

 


 

【オークション情報】

  

 

 

コンディション:中古のため写真のように傷、汚れなどありますがその他は全体的に美品です。

サイズ横138センチ奥行き70センチ高さ71-114センチです。

発送方法 :ヤマトらくらく家財便: D

 

ヤマトさん、いつもありがとう。搬入の手際がすごくいい!

 

16,000円(税込17,280円)+送料10,746円

  • 購入金額

    28,026円

  • 購入日

    2019年01月17日

  • 購入場所

    ヤフオク・gracica_jp

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