Advancing Geneという、あんま聞いたこと無いメーカーのM.2用ヒートシンク。
20mm径の側方排気ファンが搭載されており、ヒートシンクを強制空冷する。
こんな小さいファンで差があるのかと思えるが、放熱の効率を上げてやれば、割と素直に温度が下がるM.2-SSD用としては十分。
実際、以前に購入したファン無しヒートシンクであるAWD-MCS01は、現時点でもM.2用としては優秀な性能のヒートシンクだが、本製品はそれを更に超えた冷却性能がある。
こちらが、Crystal Disk Markを9回実行に設定に三回完走させ、その直前で撮った結果がこれ。
同じ条件におけるAWD-MCS01での結果が62℃あたりだったことを考慮すると、その差は歴然。
裏面のサーマルパッド非装着での検証でコレで、装着後は43℃以上を記録していない。
冷却性能という一点だけを評するなら、確実に優秀と言える。
性能は優秀だが、作りが色々と甘い。
冷却性能という『一点だけ』を評するなら、確実に優秀。
ただ、これお勧め出来るかと言うと、確実に「NO」だ。
何故かというと、製品そのまんまで使おうとすると、危険だからである。
まず、このファン裏側に突き出たネジ頭。突出高が0.3mm前後もある。
1.0mm程度の厚みがあるサーマルパッドが付属するので、装着時に埋められるといえば埋められるのだが、クリップ装着時にこちら側だけが高めのリテンションがかかるので、ヒートシンクが微妙に傾いた状態で装着されてしまう。
私はネジのあたる部分をリューターで削り、ネジが完全に沈頭してツライチになるよう加工して回避したが、この程度は生産段階でひと手間かければ回避出来るはずだ。
また、付属クリップが金属製なのはいいが、明らかに「裏面に素子があるタイプのSSD」への装着が考慮されていない設計(裏面がツライチ基板でないと、クリップがひっかからない)のため、NANDチップが裏面まで装着されているタイプのM.2-SSDでは、素子のない部分以外は装着不可。
そのため、MLC採用でNANDチップやらRAMが裏面にも装着されている、AP480GZ280-1なんかだと、チップコンデンサが並ぶ中央部以外でクリップがかからない。
しかも、むき出しの金属製で短絡防止措置が一切されていないため、なんの対策もせずにそのままクリップを装着すれば、M.2SSDはもちろんのこと、最悪はマザーボードまで破損させる事になる。
「加工なり対策なりしないと装着自体が危険」って時点で、人にお勧めなんざ出来るわけがない。
性能は優秀なんだけど、ちょっとした手間と改良でどうとでもなる事だけに、色々と惜しい。
これでも一応Vr-2.0だそうだけど、じゃあ1.0はもっと危ない代物だったんだろうか。
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購入金額
3,899円
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購入日
2018年05月06日
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購入場所
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