Astell&KernとJH Audioのコラボイヤホン(UIEM)、“Michelle Limited”。
UIEMならではの難しさがあって、CIEMと違ってハウジングからノズルが伸びる方向は固定。開発者の耳に合わせているのか、統計でも取っているのかは知らないが、ひとの耳の穴は大きさも深さも向きも千差万別十人十色。さすがに全てのひとに「ジャストフィット」なんてことはなく、それを「滑り止め兼緩衝材」であるイヤーチップで埋めなければならない。
普通はそこまですればソコソコ良い音が得られるはずだが、このUIEMは神経質。ノズルの向きを鼓膜に正対させてやれば、むしろ低域よりもシャリッと立つ高域の方が強く感じられるほどなのだが、そこが少しでもずれると指向性に左右されない低域のみが盛られた低音番長になってしまう。
経験上はこういう高域の指向性が高いイヤホンに関しては、「出口が曲がるイヤーチップ」SpinFit
を使えばだいたい大丈夫。cybercatの細くて曲がった耳道にもきちんと沿って、耳の奥に正対して開口する。白シリコンの滑りにくさも合わせて多くのイヤホンでcybercat的ファイナルアンサーとなっているイヤーチップ。ただこの“Michelle Limited”に関しては、ドライバーユニットから伸びる音導管の長さを細かく調整しバツグンの定位を得る技術=「FreqPhase Waveguide」が入っているからか、ノズル先端から先にあまり「構造物」がない方が音が良いようだ。
そこで純正イヤーチップを、グイッとノズル開口部のツライチになるまで押し込む。それを耳に下側からねじり込み、高音多めの曲をかけたままで、ハウジングが円を描くようにノズルの基部のあたりを支点にしてぐるぐる回して、一番シャリシャリ言ってるボイントで固定する。
この方法が一番イイカンジにガッツリある低音に高音域が負けない良いバランスになることを発見した。
ただその方法だと純正チップの変形が激しい。本来ふんわり丸く膨らんでいるはずのチップの耳穴側のシェイプが火山の噴火口ようにくびれてしまう。
当然耳道への固定も「がっちり」と言うわけではなく、ケーブルに当たったりすると固定のスイートスポットからずれるような場合もあるし、やや遮音性も低い。
そこで「こういうときはアレだよね」と入手してきたのが、一般的なイヤーチップのようにチップのノズル装着側が最大径なのではなく、チップの耳穴側の方に最大径があることで、耳穴奥で固定できるラディウスの「Deep Mount Earpiece」。
この「Deep Mount Earpiece」は「優れたフィット感で高い遮音性と豊かな低音再生を実現」というのがウリのイヤーチップ。これ、シェイプが独特。
“Michelle Limited”に装着しても
これで耳穴側もふんわり膨らんだことにより、耳道への固定力と静寂度がアップ!
このことにより、謳い文句の「低域の増強」も確かにあるのだが、このUIEMの特徴である高音域のピーキーな指向性の狭いスウィートスポットでガッチリ固定できて、かつ、静寂度のアップも寄与して高音が低域以上に持ち上がり、ややドンシャリめの傾向に。
これは“Michelle Limited”の得意とするコンテンポラリー系の楽曲には最適な微チューンで、純正よりIEMの固定も安定すると言うこともあって、外にも持ち出しやすいと言うことなし!
いま一番結構気に入っている「おそとイヤホン」の組み合わせとなってます。
【HP-DME03K仕様】
素材:シリコン
サイズ(外形):約11.5mm(S)
個数:3セット(6個)入り
密着性の良さで上も下も伸びる。
この製品の謳い文句としては「フィットするエリアが広い形状」が「耳にやさしい装着感と豊かな低音再生」をもたらす...というが、奥の方が広めの形状が密着性・密閉性を高め、それがもたらす静寂と鼓膜に正対した角度で固定できる自由度で、上も下も伸びる。
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購入金額
950円
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購入日
2017年12月09日
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購入場所
e☆イヤホン秋葉原店
jive9821さん
2018/01/11
私も今度無印Michelleで試してみることにします。
cybercatさん
2018/01/11
harmankardonさん
2018/01/11
てっきりfinalだと思っていました.
このディープマウントの穴径は,スパイラルドットと較べてどうですか.
cybercatさん
2018/01/11
ちなみにfinalのEも試しましたが、自分には合わなかったです←滑りが良すぎて、IEMが落ちそうになる