レビューメディア「ジグソー」

中身はLinux・・・ハックするよね?

microSD→SDカードのアダプタにWi-Fi機能が入っています。microSDカード 32GB とのセットです。Wi-Fi機能はLinuxで動作しています。

 

SDカードにWi-Fi機能を含めた製品もありますが、この製品はメモリーがmicroSDになっていて交換できるようになっています。

 

便利なようで不便

カメラやカードリーダーに挿してこのアダプタに通電すると、Wi-Fi機能が自動的に開始します。

デフォルトでは、このWi-Fiは、APモードで(Wi-Fi親機として)起動します。

192.168.1.1 で起動するこのアダプタのwebサーバに他機(子機)のブラウザからアクセスするか、子機側で専用スマホアプリ(iOS、Android)を起動すると、microSD内のファイルをダウンロードできます。

このとき、アクセスする子機のWi-Fi の接続先を「PQI Air Card」(192.168.1.1)へ変更する必要があります。

これが想定された標準的な使用方法です。このカードアダプタが親機となり、PCやスマホが子機として接続が完結するのでルータが不要なので簡単といえばそうかもしれませんが、転送のたびに接続を切り替えるのは面倒だし 192.168.1.1 から先はインターネットへの接続がないのでクラウドストレージに転送したりSNSに投稿する際には不便です。

 

アプリに「ホットスポットに接続」という機能があって、このカードアダプタをWi-Fi子機として使用することもできるのですが、いったん親機として起動した後、切り替え操作と再起動をしないといけないのでこれまた不便です。ちなみに、「ホットスポットに接続」を試しましたが、なぜか子機に切り替えることができませんでした。おそらく設定変更の書き込みや再起動のタイミングが微妙なんだと思います。

 

起動時に子機として起動するように設定する

それで、製品として想定された使用方法から逸れますが、電源投入時にはじめから子機として起動してWi-Fiルーターやスマホのテザリングに接続してそのDHCPからIPアドレスが付与されるようにします。設定の手順は、

  1. スマホアプリでホットスポット名(ルーターのSSID)とそのパスワードを設定します。
  2. microSDのルートにautorun.sh を新規編集します。

    #!/bin/sh

    sleep 5
    /usr/bin/w2

    このファイルは、カートアダプタのLinuxの起動シーケンスの最後に機能するスクリプトで、Wi-Fiを子機として起動するコマンドを含みます。(改行は LF)

この設定をして、再起動(電源のOFF-ON)をすると、子機として起動するので、ルーターの設定画面などでIPアドレスを確認して、LAN内のどのPCやスマホからでもブラウザでそのIPアドレスを開くと、microSD内のファイルにアクセスすることができます。

 

子機として 192.168.0.106 でブラウザから開くことができました。 

専用アプリからは、IPがわからなくてもLAN内のこのアダプタを自動検索するようですが、このカードが子機としてLAN内に複数枚存在するときにどれに接続するのか今のところ不明です。

 

アダプタ内で生成されるwebページもアプリも、機能的にかなり不満です。
たとえばwebページでは、ファイルへのアクションは1つずつ行う仕様で、複数選択などできませんアプリでは操作がわかりにくいものの複数を選択してダウンロードする操作は一応できます。

スライドショー的なビューはできません。

この部分を改善すれば格段に使いやすくなるのにと残念です。

 

 

telnet接続など

上記IPアドレス(またはAPモード(親機)で起動した場合には192.168.1.1 )でtelnet接続ができます。

 

 

FTP接続は、ユーザ名 Anonymous でできました。

セキュアかというとはなはだ疑問ではありますが、PCからまとめでダウンロードするのには使えそうです。

 

そのほか、SSHなども使えるようになったりするようですが、まだ試していません。

また、元々このカードアダプタに含まれてている電源管理やカメラに挿したときの省電力設定などのために接続が切れたりするので、いま少し工夫する必要があります。

sambaなども可能かもしれませんが、電源のことを考えると現実的ではなさそうです。

 

 

参考(情報ソース)

デジカメ内部でRubyを動かす狂気!無線LAN内蔵SDカードアダプタPQI Air Cardの間違った使い方

 

 

付属 microSDHC のパフォーマンス

パッケージやメモリーの表示は、class10(最低保証レート10MB/sec)となっていて、UHS-I/UHS-IIには非対応のようです。

転送レートは手元の他のメディア(並品)と大きく異ならない感じですが、必要に応じてもっと速いメディアを自由に選択できるできるのは、アダプタ式Wi-Fiカードならではです。

 

 

参考 ADATA 32GB(class10・UHS-I)、KingSton 64GB(class10・UHS-I)

 

 

(検証環境:Windows7マシン、USB2.0接続のカードリーダー(BUFFALO  BSCRA26U2BK)、素のカードアダプタ(microSD→SD)) 

 

  • 購入金額

    2,497円

  • 購入日

    2017年12月19日

  • 購入場所

    Amazon

30人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (4)

  • sorrowさん

    2017/12/24

    おぉ・・・
    リンク情報有難うございます。
    早速買いました。
    2年前に存在してたら、むちゃくちゃ役に立ってました。
  • ちばとどさん

    2017/12/24

    sorrow さん、

    > 2年前に存在してたら
    それは残念!
    この製品は、たぶん今回のじゃんぱらからの1,500円放出でおわりなんでしょうね。
    カメラにWi-Fiが搭載されることが多くなったので同種の製品が新規に発売されるのは期待薄ですし。この際買い占めておきますかww
  • jakeさん

    2017/12/25

    ハッカブルってことで一時期人気ありましたね。
    本来の用途に使う人は少なかった気がします。

    一度ネタでFTPサーバーとして使いましたが負荷が高すぎて熱に負けたのか、速攻で止まりました。あまり安定度を求めるものではないですね。
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