レビューメディア「ジグソー」

消耗品、なのかな。

240GBのSSDです。

Palitはドスパラの専売ブランドです。「3D NAND 採用で高コスパ」というのがウリ文句です。

 

 

価格コムなどのコメントでは、一部に「半年で壊れた」とか「原因不明でちょー遅くなった」などというのもありますが、使い方が間違っていたり、運が悪ければそういうこともあるのかなと楽観的に受け止め購入しました。

ただ、「温度が、どの個体もいつも33℃だ」というコメントはちょっと気になります。

 

 

仕様(オフィシャル

 

メモリチップはNANDメモリ、MLC方式、シリコンダイの3D化で高密度

3D NAND MLC という種類のフラッシュメモリを使用しているとのことです(チップが正体不明なので、確証はありません)。

「NANDとは? TLCかMLCか」 という点に関しては、コンシューマ向けPCのレベルではもやは気にしなくて良く、スペック(耐久性、読み書きの速さ)と価格のバランスで用途に応じて選択すればいい時代に入っているのかなと思います。

他方、SLCのディスクがどういう価格帯でどういう使われ方をしているのか、そもそもどれくらいの割合で存在するのか、実態が気にはなります。

 

ただ、「3D」の部分についてはこの時期ちょっとアツいです。チップ各社がメモリセルを何層重ねられるかしのぎを削っていて、セルの高密度・高積層化が進んでいます。メモリチップのパフォーマンスアップは、SSDの価格に直結します。1個のチップあたりの容量を増やすことができれば、あとの基板や実装は従来とほぼ同じでありながら製品の大容量化=好コスパ化 ができるからです。


ものの資料によると2015年~2018年には年々1.5倍の密度のチップが開発されているとのことなので、どのあたりが限界なのかわかりませんが、今後の展開にも期待したいところです。

 

https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/semicon/1108255.html

 

 

なお、今更ながら、SLC、MLC、TLC の違いをメモしておきます。

https://panasonic.net/cns/sdcard/industrial_sd_j/lineup.html

 

Read/Writeの速度は、SLCが速く、次にMLC、TLCが遅い とされています。

 

3Dというのは、平面的に並べたメモリセルの製造密度が技術的限界に達したので、それを厚み方向に重ねて層状にして1個のシリコンチップの上にできるだけたくさんのメモリセルを構築するという考えです。現在最新の技術では96層のモノがあるようです(上掲のグラフ)。

 

NANDフラッシュの方式の違いによる性能の差は、コントローラーチップで吸収できる面もあるので、SSDの性能は結局、メモリチップとコントローラーのバランスによるのかなと思います。

たとえば、メモリへの書き込みタイミングや書き込み位置の決定、誤り訂正とセクタの代替機能、キャッシュの制御などがうまく機能していれば、安価なTLC方式でも十分ともいえます。

 

今回 数百円安で同容量で速度も変わらないTLCモデルがあるのに MLCモデルを選択したのは、なにかの確信があってのことではありません。気分の問題としかいえないくらいです。
(価格コムのグラフによると、MLCモデルの価格は、後発のTLCモデルの価格差と降下に引っ張られて下がったようです。TLCの発売当初(2018年3月)には、MLC:11,000円、TLC:8,000円(256GB)でした。)

 

 

 

フタを開けずにはいられない!

・・・ということで開けてみました。

 

 

ケースは、プラ製でチープな感じ、フタはツメで止まっているだけなのでマイナスドライバーでこじるとパカっととれます(そのとき「開けるな」のシールを剥がすか切らないといけないので保証はなくなります)。
基板はコンパクトで、ケース内は半分以上空きスペースです。

真ん中のチップがコントローラで、両側のがメモリなのですが、これだけです。ひし形にSのマークがどこのチップベンダーなのかわかりません。

 

コントローラのマーキングは 「PHISON PS3111-S11-13」とあります。

https://www.phison.com/ja/products/controller-ic/ssd-controller から抜粋)


ドスパラの仕様表とこの表とどう対応しているかよくわからないところもあります。

 

 

取り付け 

取り付けネジ、スペーサ、マウンタなどは一切付属しません。

で、ASUSのSSDについてきたマウンタとネジを使用して、PCの専用ステーをとめて取り付けました。

 

 

 

初期不良がないか確認します。

 

 

仕様から大きくかけななれた値ではないので、まあよしです。

 

 

 

噂どおり、33℃です。S.M.A.R.Tの温度情報が固定値で出力されるのかもしれません。

 

 

稼働 

こちらの起動ドライブとして使用します。
これまで起動ドライブのHDD(WD10EALX・2012年製)が壊れるようなことがなかったので交換するチャンスがありませんでした。ところが最近、とある業務アプリをインストールしたところ これが使い物にならない上に完全なアンインストールができないしろもので、おまけに他のアプリの挙動がおかしくなり、この機会にこのSSDに更新してOSごと再インストールしてみました。

 

 

基本的に起動ドライブを含むローカルドライブには、文書や写真、成果物などのデータを保管しないことにしているし、マルチブートにして複数OSをインストールするようなこともなくなったので、240GBというのは手頃な容量です。

音声や動画の視聴も、Youtubeやストリーミングを活用するようになったのでファイルを大量に自前で保管する必要性も薄れました。

 

 

さらに手軽にSSDを 

SSDがPCの一部をなす不可欠なデバイスでありながらSDカードやUSBメモリーのように手軽な感覚で使用できるモノに変わってきていると改めて感じます。

手軽な分カジュアルに扱いがちですが、そこは気をつけるとして、クラッシュ(SSDでもこう言うかわかりませんが) などのアクシデントに備えるのもより手軽にできるのかなと思います。

 

もっとコスパのいいストレージはこないのか?

2018年7月現在、SSDは値下がり傾向ですが、これは2年前の水準に戻ったに過ぎません。2017年の前半に高騰していて何があったのか定かではありませんが生産調整による供給不足だったのかもしれません。

このSSDの中の基板のシンプルさをみると、この世代の技術は進化中であるとはいえ、すでに成熟期に達しているとわかります。よいICチップが安価に手に入ればさほどノウハウがなくてもSSDが作れてしまうわけです。ということは、製品がもっと安くなってもいいような気がしています。

 

そして、この先もSATA仕様でいくのか、次世代の何かはすでにリリースされているのか、それは普及しそうなのかあまり聞こえてきません。

  • 購入金額

    6,980円

  • 購入日

    2018年07月31日

  • 購入場所

    ドスパラ・千葉

24人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • jakeさん

    2018/08/02

    最近のSSDって、中身スカスカが普通らしいですね。
    長さが半分の1.9インチでもいいんじゃないか?って気がします。

    温度が一定なのはケチってセンサーの代わりに抵抗でもつないでるから、だったりして。

    SSDはプチフリ騒動の頃から有名どころも怪しいブランドのも使ってますが、今のところ故障したものはないですね。
    ハズレをひいてないだけかもしれませんが。
  • ちばとどさん

    2018/08/02

    jake さん、

    スカスカなら、いっそケースはいらないかもしれませんね。でも、それだと2.5インチHDDと外形で互換がなくなって使いにくいかな。

    > センサーの代わりに抵抗でも
    そうかもしれない! で、現物を確認しようと思ったのですが、Datasheetが見当たらず、です。

    ちばとども、ハズレらしいハズレはないです。経年でダメになったのはありましたけど。

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